フォトフェイシャル(光治療)は、シミだけでなく、赤ら顔、ニキビ、小じわ、ハリ、毛穴など、さまざまな肌悩みに広く効果を発揮するといわれています。
気になる効果に関しては、「フォトフェイシャルを継続すると10年後の肌もキレイ」といった噂もあるほど。
はたして、年に数回の治療を長く続けることで若々しい肌を維持できるというのは本当なのでしょうか。
この記事では、フォトフェイシャル(光治療)を検討している方のために、効果や注意点、おすすめの光治療マシンについて詳しくご紹介します。
フォトフェイシャル(光治療)の概要
光(IPL)治療とは
フォトフェイシャルは、肌にカメラのフラッシュのような光を照射することで、肌の複合的な悩みにアプローチし、さまざまな美肌効果が期待できる治療です。
なかでも、最も効果が期待される症状はシミ・そばかすの改善といわれています。
レーザーでのシミ取りとは違って、照射後かさぶたになることがなく、絆創膏などで保護する必要もないため、より手軽なシミやそばかす治療として人気です。
表皮層への効果
【シミ・そばかす・くすみの軽減・赤ら顔の改善】
フォトフェイシャルの光が黒色(メラニン色素)や赤色(ヘモグロビン)に吸収されて熱を発生することで、シミやそばかす、赤ら顔といった肌の色ムラが原因の肌トラブルを改善へと導きます。
また、光の温熱作用によって肌細胞が活性化し、ターンオーバーが正常化されるため、くすみが解消され、キメの整った透明感のある美肌になれるといわれています。
真皮層への効果
【小じわ・たるみ・毛穴の改善】
照射した光が真皮層にまで熱作用を与えることで、線維芽細胞が活性化し、コラーゲン・エラスチンなどの増生が促進されるといわれています。
結果として、肌の内側からハリや弾力がよみがえり、小じわの改善や毛穴の引き締めといった効果も期待できるのです。
フォトフェイシャルを10年継続する効果とは?
光治療は複合的な肌悩みに効果的とされていますが、1回の治療効果が緩やかなため、定期にの治療を継続することが推奨されています。
一般的には約1ヶ月に1回、合計4〜6回の治療を1クールとし、1クールが終わった後はメンテナンスとして3〜6ヶ月に1回の治療が推奨されています。
このメンテナンス治療を10年にわたって継続すると得られる効果についてご紹介します。
フォトフェイシャルで10年後の方が美肌になれる?!
光治療が誕生してすでに20年以上が経つため、長期間治療を続けた症例も数多く存在します。
学会や美容医療のセミナーなどで紹介されている症例を見ると、10年前のBefore写真よりも10年間定期的に治療を受け続けたAfter写真の方が、美肌で若々しい印象を受けることも。
特に年を重ねた方ほどその傾向が強く出るのか、50代、60代になってもツヤツヤに潤った美肌を維持されている方が多いようです。
フォトフェイシャルで10年後も色ムラのない肌が目指せる
光治療の最大の目的は「肌の色ムラをなくすこと」です。
回数を重ねることで、シミや赤ら顔などが目立たなくなり、色ムラのない均一なトーンの肌に近づけるといわれています。
年齢を重ねるとともに増えていくシミやそばかすを防ぐとともに、顔全体の美白効果によるトーンアップで、ファンデーションいらずの透明肌を目指すことも可能です。
ファンデーションを塗らない生活が続くことで、クレンジングの摩擦やファンデ自体の肌負担から解放されることなども、美肌を維持するためのメリットのひとつといえるでしょう。
フォトフェイシャル10年継続で肌のハリ維持や小じわの予防も期待
年齢とともにコラーゲンの生成量は低下し、古いコラーゲンの代謝も遅れていきます。
フォトフェイシャルを継続して行うことで、定期的に真皮層の細胞に刺激を与えてコラーゲンの生成を促進できるため、肌のハリや弾力が衰えにくくなるといわれているのです。
治療を定期的に継続することで、治療を始めた10年前のようなハリ・ツヤをキープすることが期待できます。
フォトフェイシャルの継続でターンオーバーを正常化
肌が日々生まれ変わるサイクルをターンオーバーといい、年齢を重ねるとそのサイクルが徐々に長くなっていきます。
これは加齢によって細胞活性が低下することで起こり、ターンオーバーの乱れはシミやそばかす、くすみ、乾燥、小じわなど様々な肌トラブルにつながると考えられているのです。
光治療を継続することで定期的に細胞が活性化され、ターンオーバーの周期が保たれるといわれています。その結果として、10年後もキメの整った透明美肌を維持する効果が期待できるのです。
フォトフェイシャルを10年続ける前に知っておきたい注意点
肌改善に様々な効果が期待できるフォトフェイシャルですが、続ける場合はリスクや注意点についても理解しておくことも大事です。
フォトフェイシャルのリスク
肝斑の悪化
肝斑の原因はまだ明確には解明されていませんが、摩擦や刺激で悪化することがあります。
光(IPL)照射が刺激となり悪化する可能性もあるため、10年間治療を続けていく中で肝斑目立ち始めることがあるかもしれません。
治療途中で肝斑を発症した場合は、医師と相談の上、ある程度症状が治まるまでは治療をストップしたり、より刺激の少ない別の治療を検討するほうが良いでしょう。
肌の変化に気づいた時は、すぐに医師へ相談することをおすすめします。
また、定期的に肌診断機を用いた肌診断を受けることで、隠れ肝斑の早期発見も可能です。
まれにヤケドなどのトラブルが生じるケースも
光治療で効果を出すために、アグレッシブな設定で治療をおこなったり、設定が適切でなかったりすると赤みが強く出たり、ヤケドを起こしたりすることがあります。
適切に処置を行えば数日で治ることがほとんどなので、肌に異変を感じた時は我慢せずに医師に相談するのがよいでしょう。
継続するほど1回ごとの効果を実感しにくくなることもある
フォトフェイシャルを1クール(4〜6回)終えた後のメンテナンス治療では、あまり効果を感じられないという声も聞かれます。
すでに光治療で取れるシミは取りきった後のメンテナンス治療となるので、効果を実感しにくく、もうやめようかと思ってしまうかもしれません。
しかし、そこで諦めずに継続することで5年後、10年後の肌に違いが出てくるといわれています。
1回の治療効果を求めるのではなく、未来の自分への投資という観点で治療の継続を考えてみるのも良いかもしれませんよ。
フォトフェイシャル継続治療の失敗をさけるポイント
フォトフェイシャルのやりすぎはかえってよくない
光治療を継続するにあたって気をつけたいのは治療の頻度です。
前述したとおり、一般的には治療開始時は1クール4〜6回の施術を1ヶ月おきに行い、その後はメンテナンス治療という形で3〜6ヶ月に1回の治療が推奨されています。
長年にわたって月1回の治療を継続するのはやりすぎとなり、いわゆる「ビニール肌」を引き起こすリスクもあるともいわれているので注意が必要です。
ある程度の回数を受けた後に取り切れなかったシミなどがある場合、フォトフェイシャルでは改善が難しい可能性が高いので、ピコレーザーや外用薬など別の治療法を検討してもらったほうがよいでしょう。
紫外線量が多い時期はフォトフェイシャルを避けたほうがよい
フォトフェイシャルの前後は、紫外線対策をに行う必要があります。治療前にうっかり日焼けをするとヤケドを起こしてしまったり、治療後に紫外線を浴びてしまうことで色素沈着になったりというリスクがあるためです。
紫外線が最も強い時期である6〜9月の治療は避けたほうが安全だと考えられています。継続する場合は特に照射時期を選んで行うことをおすすめします。
また、季節を問わず、マリンスポーツやレジャーなどで日焼けをする機会が多い人は、念入りに日焼け対策を心がける必要があります。
フォトフェイシャルはエステよりも美容クリニックの方が効果を実感しやすい
エステはクリニックと使用する機器が全く異なります。
出力パワーが弱いためあまり効果を感じられないことや、万が一ヤケドなどのトラブルがあっても対応できない可能性があり、リスクを伴うこともあるのです。
効果や安全性の面からも、フォトフェイシャルは美容クリニックで受けた方がよいといえます。
美容クリニックでの診察やカウンセリングの頻度は適切か
長年フォトフェイシャルを継続していると、医師の診察がないまますぐに施術となってしまうクリニックもあるようです。
しかし、照射前には肌状態(特に肝斑)の確認が必要です。
治療を継続する場合は、丁寧に診察してくれるか、肌診断機を使用して「肉眼で見えない肌トラブルまで診察できるか」どうかもクリニック選びのポイントになります。
施術者によって美肌効果に違いが出ることもある
光治療は医師が施術を行うところもあれば、看護師が行っているところもあります。
医師による施術では、肌状態を見極めながら細かく設定を変えて照射するなど、より高い効果が出るように照射方法を工夫されている場合が多いようです。
その分1回あたりの費用が高くなることもあるので、クリニック選びの際は費用だけで見るのではなく、施術者が誰かも検討の材料とするとよいでしょう。
フォトフェイシャル治療を受けられない人
以下の方々は光(IPL)治療を受けられないことがあります。
- 妊娠中、授乳中の方
- 糖尿病、アルコール中毒の方
- てんかん発作の既往歴がある方
- 日焼けをしている、日焼けをする予定がある方
フォトフェイシャルの人気機種5選
M22(日本 日本ルミナス社)
元祖フォトフェイシャル「ナチュライト」の後継機で、6種類の波長で表皮~真皮へアプローチし、複合的な効果を発揮するとされています。
肌トラブルに合わせて複数のフィルターを使い分けることで、患者様に合わせた照射が可能となっています。
フォトシルクプラス(イタリア DEKA社)
フォトシルクプラスの光(IPL)はメラニン色素に対する吸収率が非常に高く、メラニン色素の分解能力に優れていると言われています。そのため、治療が難しいとされている薄いシミにも効果を発揮すると言われています。
ライムライト(アメリカ キュテラ社)
光(IPL)治療器は白人向けに開発されたものが多いですが、ライムライトは日本人医師が開発に携わっており、黄色人種である日本人の肌色や肌質が考慮されている機器です。
日本人に多い薄いシミに対して高い効果が得られるとされています。
ルメッカ(イスラエル INVASIX社)
ルメッカは、シミや血管病変(赤ら顔)を治療目的とした(IPL)治療器です。
皮膚の比較的浅い層へのエネルギー効率が、従来の光(IPL)治療器に比べ約3倍パワーが強く、濃いシミだけでなく薄いシミや潜在シミ、そばかすに効果が高いとされ、明るい肌へと導きます。
また、少ない回数で効果を実感しやすいともいわれています。
BBLs(アメリカ サイトン社)
ブロードバンドライト(Broad Band Light)という光が搭載されている光治療器で、他のIPL治療器より波長の拡張性が高く、より患者様に合わせた治療が可能とされています。
また、BBLは肌の引締め効果をもたらすスキンタイト機能も備わっているため、1日で両方の施術を受けることもできます。
機器の種類やクリニックによって変わりますが、費用相場は顔全体で1~5万円のところが多いようです。
フォトフェイシャルを10年継続に関するQ&A
Q1.フォトフェイシャルを10年継続した時の効果は?
フォトフェイシャルを10年継続すると、次のような美肌効果が期待できます。
- 色ムラのない肌が目指せる
- 肌のハリ感をUPさせ、小じわやたるみを予防
- ターンオーバーを正常化させてキメ細かく、毛穴が目立ちにくくなる
- 何もしていない肌と比べて若々しい印象の肌へ近づける
Q2.フォトフェイシャルを10年継続するリスクや注意点とは?
フォトフェイシャルはリスクや注意点があるため、1回の照射ごとに肌状態を確認し、細かく経過を観察する必要があります。
- 肝斑が悪化することがある
- 日焼けをしている時に受けると火傷のリスクが高まる
- シミやシワが改善しない場合はレーザーや外用薬など他の治療法を検討した方が良いこともある
Q3.フォトフェイシャルを10年継続治療する場合、失敗をさけるポイントは?
フォトフェイシャルをやりすぎることは肌によくありません。
肌状態をみながら、適切な頻度で継続するとよいでしょう。
フォトフェイシャルで10年後もキレイな肌へ
光治療はシミだけでなく、様々な肌悩みをトータルで改善することが可能とされる治療法です。
幅広い効果が見込める分、1回の照射で得られる効果は穏やかなため、繰り返し回数を重ねる必要があります。
しかしながら、治療を継続することで肌の内側から肌質改善に繋がり、5年後や10年後も美肌を維持することも夢ではありません。
未来の肌のために、フォトフェイシャルを検討してみてはいかがでしょうか。