ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

ロレアルグループが韓国のスキンケアブランド「Dr.G」買収、韓国コスメの存在感が一層高まる可能性、韓国政府は化粧品輸出が12年間で10倍と報告

カレンダー2025.1.13 フォルダー 海外

 化粧品世界大手のロレアルグループが2024年12月に韓国のスキンケアブランド「Dr.G」を買収したことを発表した。韓国コスメへの関心はかねて高まっていたが、今回の買収により国際的な注目度がさらに高まると予想される。

韓国コスメが世界で存在感

韓国コスメの輸出額は2024年に100億ドルを超えている。(出典/韓国食品医薬品安全処(MFDS))

韓国コスメの輸出額は2024年に100億ドルを超えている。(出典/韓国食品医薬品安全処(MFDS))

 Dr.Gは、韓国の皮膚科医アングンヨン(Ahn Gun Young)氏が2003年に始めたスキンケアブランド。同ブランドの製品は敏感肌にも適する形で作られ、主力商品として「R.E.D Blemish Clear Soothing Cream」が知られている。韓国では、オンライン、オフラインの小売店のどちらでも幅広く展開されている。

 ロレアルグループによると、「Dr.G」はグローバル市場への展開で重要な役割を果たすとされる。今後、国際的な市場での同製品の展開が加速することが予想される。

 一方で、韓国食品医薬品安全処(MFDS)によると、韓国の化粧品市場は急拡大し、24年の輸出額は前年比20.6%増加し、102億ドル(1ドル157円として、日本円で約1兆6000億円)に達した。12年に10億ドルを突破し、それから12年間で10倍の規模に成長した。基礎化粧品が全体の約75%を占めており、スキンケアの重要性が明確である。輸出先は中国が最も多く、米国と日本も伸びている。日本では初めて10億ドルを突破した。

 世界的な企業の力を得たことで、韓国コスメの国際的な競争力と勢いがさらに高まると予想される。

日本でも伸びるメディカルコスメとドクターズコスメ

メディカルコスメとドクターズコスメの売れ行きは伸び続ける見通し。(出典/富士経済)

メディカルコスメとドクターズコスメの売れ行きは伸び続ける見通し。(出典/富士経済)

 日本の調査会社である富士経済によると、医師が関わる化粧品として、医療機関を通して提供されるメディカルコスメ、医師などが監修したドクターコスメの2種類が定義されており、それぞれの販売が伸びていることが明らかになっている

 富士経済によれば、28年までにメディカルコスメ市場は310億円、ドクターズコスメ市場は1025億円に達すると予測されている。美容クリニックの利用者が増える中で、『アンチエイジング』や『角質・毛穴ケア』などの機能、そして低刺激性への関心が高まっている。

 国内でも化粧品メーカーと医療機関とのコラボが増えており、メディカルコスメ、ドクターズコスメのいずれも市場競争が激化している。

 ロレアルについては、国内でスキンシューティカルの展開を強化するという方針を示していたが、Dr.Gの買収により、ドクターズコスメの品揃えを強化し、日本での存在感をさらに高める可能性がある。

 25年は引き続きコスメの動きも注目される。

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。