化粧品世界大手のロレアルグループが2024年12月に韓国のスキンケアブランド「Dr.G」を買収したことを発表した。韓国コスメへの関心はかねて高まっていたが、今回の買収により国際的な注目度がさらに高まると予想される。
韓国コスメが世界で存在感
Dr.Gは、韓国の皮膚科医アングンヨン(Ahn Gun Young)氏が2003年に始めたスキンケアブランド。同ブランドの製品は敏感肌にも適する形で作られ、主力商品として「R.E.D Blemish Clear Soothing Cream」が知られている。韓国では、オンライン、オフラインの小売店のどちらでも幅広く展開されている。
ロレアルグループによると、「Dr.G」はグローバル市場への展開で重要な役割を果たすとされる。今後、国際的な市場での同製品の展開が加速することが予想される。
一方で、韓国食品医薬品安全処(MFDS)によると、韓国の化粧品市場は急拡大し、24年の輸出額は前年比20.6%増加し、102億ドル(1ドル157円として、日本円で約1兆6000億円)に達した。12年に10億ドルを突破し、それから12年間で10倍の規模に成長した。基礎化粧品が全体の約75%を占めており、スキンケアの重要性が明確である。輸出先は中国が最も多く、米国と日本も伸びている。日本では初めて10億ドルを突破した。
世界的な企業の力を得たことで、韓国コスメの国際的な競争力と勢いがさらに高まると予想される。
日本でも伸びるメディカルコスメとドクターズコスメ
日本の調査会社である富士経済によると、医師が関わる化粧品として、医療機関を通して提供されるメディカルコスメ、医師などが監修したドクターコスメの2種類が定義されており、それぞれの販売が伸びていることが明らかになっている。
富士経済によれば、28年までにメディカルコスメ市場は310億円、ドクターズコスメ市場は1025億円に達すると予測されている。美容クリニックの利用者が増える中で、『アンチエイジング』や『角質・毛穴ケア』などの機能、そして低刺激性への関心が高まっている。
国内でも化粧品メーカーと医療機関とのコラボが増えており、メディカルコスメ、ドクターズコスメのいずれも市場競争が激化している。
ロレアルについては、国内でスキンシューティカルの展開を強化するという方針を示していたが、Dr.Gの買収により、ドクターズコスメの品揃えを強化し、日本での存在感をさらに高める可能性がある。
25年は引き続きコスメの動きも注目される。