
脱毛サロンの倒産。過去最多を更新。(出典/東京商工リサーチ)
都内で医療脱毛を中心とした美容施術を提供していたトイトイトイクリニックを運営する医療法人社団が営業停止に至ったことを受け、複数の美容クリニックが救済プランの提供を公表している。
エステ脱毛や医療脱毛の経営破たん後に、他のサロンやクリニックが救済を申し出るのは想定内の流れになっている。
一方で、従来のエステ脱毛の大型倒産のように、無料あるいはごく低価格で脱毛を提供する動きは見られなくなった。
アリシアクリニック経営破たん時と同様の対応

2024年12月10日、アリシアクリニックは破産手続開始決定を受けたと発表した。(写真/編集部)
- トイトイトイクリニックの営業停止→ 東京商工リサーチが2月1日に報道。売上は増加していたものの、利益率が低調で営業継続が困難になったとされる。
- 美容クリニックの救済プラン→ 渋谷三丁目クリニック、恵比寿ブライトスキンクリニック、LiLAスキンクリニック中目黒、ウィルビークリニックなどが救済策を発表。
- 救済プランの内容→ 都度払いプランや3~5割引きの割引プランを提供し、24年12月のアリシアクリニックの救済プランと同様の対応と説明しているところもある。
東京商工リサーチが2月1日にトイトイトイクリニックを運営する医療法人社団雪焔会の営業停止を報じた。新宿、池袋、原宿でクリニックを運営していたが、売上高が増える一方で、利益率が低調だったという。結果として、営業の継続が難しくなったと推定される。
この営業停止を受けて、複数の美容クリニックが救済プランを公開している。
ウェブ上で確認されるのは、渋谷三丁目クリニック(東京都渋谷区)、恵比寿ブライトスキンクリニック(東京都渋谷区)、LiLA スキンクリニック中目黒(東京都目黒区)、ウィルビークリニック(東京都中央区)という美容クリニックによる救済プラン。これらのクリニックでは、「脱毛クリニックで残念な想いをされた皆様へ」 「倒産の被害に遭われた方へ同業者として心よりお詫び申し上げます」などと説明し、救済内容を示している。
その救済内容を見ると、都度払いによる脱毛プランや3~5割引きを提案するものになっている。24年12月の医療脱毛大手アリシアクリニック経営破たんの救済プランと同様な内容であるといずれのクリニックも説明している。
宣伝が多いところが安定とも限らない

閉店した銀座カラー銀座本店。(写真/編集部)
- 脱毛業界の救済策の変化→ 以前は無料や低価格の救済プランがあったが、最近の経営破たんでは新たな出費を伴う救済策が中心になり、SNSなどでは「営業ではないか」との指摘もある。
- 競争激化による無償救済の困難さ→ エステ脱毛・医療脱毛ともに競争が激しく、利益が出にくい状況にあるため、無償での救済は難しくなっている可能性がある。
- 脱毛業界の今後→ 経営破たんのリスクがある中で、都度払いのプランが主流になる可能性があり、施術を検討する際の選び方も変化していくと考えられる。
こうしたエステ脱毛や医療脱毛が経営破たんした場合の救済の形は変化している。
23年12月にエステ脱毛大手の銀座カラー運営会社が経営破たんされた際には、脱毛を無料や数千円という低価格のプランを提供するサロンやクリニックも見られたが、そのような新たな出費を不要とするような救済の動きは見当たらない。
24年12月のアリシアクリニックの際にも、約9万人近くの被害者が出て、救済プランの公表が相次いだが、このときには無料やごく低価格のプランを提供する動きは見られなくなっていた。むしろSNSなどでは救済といいつつも、営業に過ぎないのではないかという指摘も出ていた。経営破たんしていたサロンやクリニックに通っていた人にとっては、救済を受けるにしても新たな出費が必要になるため、負担感を抱くのは自然だろう。
一方で、エステ脱毛にせよ、医療脱毛にせよ、競争が激しくなり、利益が出づらくなっているとされる中で、無償の救済をするのも容易ではないと考えられる。
施術を検討する側から見れば、エステ脱毛、医療脱毛ともに、施術を受けられる場所は多く、選択肢が多すぎて迷いやすい。経営破たんしたサロンやクリニックは宣伝を積極的にしていたところも多く、そうした知名度が高いところが安定しているとは必ずしもいえない。脱毛業界の難しい状況は当面続くと見られるので、脱毛を検討する場合には、都度払いのプランが優先されるなど、少しずつ変化していく可能性がある。
