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「身長が伸びる」サプリや薬、韓国で広告が問題に、成長ホルモン剤の違法販売も、韓国では成長ホルモン乱用が問題、韓国食品医薬品安全処(MFDS)が不当広告・違法流通を摘発

カレンダー2025.3.11 フォルダー 海外
身長を伸ばすサプリや薬の不当広告や販売が摘発。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

身長を伸ばすサプリや薬の不当広告や販売が摘発。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 韓国で「身長が伸びる」とうたったサプリや医薬品の不当な広告や違法な流通が摘発された。韓国政府が2025年3月5日に摘発事例を報告し、注意を促している。

 韓国ではかねて成長ホルモン乱用が問題視されてきた。病気でないのに美容などの側面から薬で身長を伸ばすことが安全性の懸念を生じている。日本でも同様の問題が起こる可能性があり、注意するとよいかもしれない。

221件の摘発

身長を伸ばすことをうたったサプリメントや医薬品の不当広告や販売が摘発。(出典/韓国の食品医薬品安全処MFDS)

身長を伸ばすことをうたったサプリメントや医薬品の不当広告や販売が摘発。(出典/韓国の食品医薬品安全処MFDS)

 韓国食品医薬品安全処(MFDS)が、新学期を迎えて、保護者の関心が高い時期となる中で、身長を伸ばすサプリメントや薬に関する不当な広告や違法な流通が横行していることに注意を促している。

 同処によると2025年2月14日~21日にかけて「身長成長サプリ」などと称してオンライン販売、広告されている製品200件を点検。その結果、116件が不当広告と判明し、アクセス遮断などの対応が取られた。一般的な食品を、成長を促すように誤認させて販売する事例が99件と大部分を占めていた。

 また同様に、成長ホルモン剤のオンラインプラットフォームを通した販売行為についても105件を摘発した。中古取引のプラットフォームが73件と最も多く、以下、SNSが14件、コミュニティサイトが8件、オープンマーケットが7件、ブログが2件、一般のショッピングモールが1件となっていた。

 合計で221件が摘発されたことになる。

正常なのに成長ホルモン剤を使えば末端肥大症などのリスク

警告。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

警告。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 韓国では2024年10月に、成長ホルモン注射の誤用や乱用についての警告が出されている。

 成長ホルモンは本来、病気の治療に使われるものである。しかし、背を伸ばす目的で使われる事例が横行している。このため、警告が出されている。

 正常であるにもかかわらず使えば、過剰投与によって末端肥大症や浮腫、関節痛などの副作用が発生するリスクがある。

 誇大広告や違法なインターネット広告を取り締まる方針が示されている。

 日本でも背を伸ばすことをうたったSNS広告が出されているケースがある。正常な子どもなどに対して成長ホルモンを使えば、異常な骨の成長を促すなどの問題を引き起こす可能性がある。

 日本小児内分泌学会も2024年8月に「成長ホルモンの適正使用に関する見解」を公表している。

 トラブルを未然に避けるため、十分に注意する必要がある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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