
2025年3月のソウル市内。気温1度で、雪が降りしきる。(写真/編集部)
韓国に赴いて美容医療の舞台裏を取材する。既に韓国入りできた。夜の気温は1度で、思わぬ3月の雪で面食らっているが、予定は順調に組めているので問題はないと考えている。期間が限られているため制約もあるものの、可能な限り、世界中から人を集める韓国美容医療の今を見聞きする。
その中では、明るい部分ばかりではなく、課題についても考える。
整えられた美容医療観光のインフラ
韓国の美容クリニックは、中心地とされるカンナムだけでも、数百近くあるとされる。その中には、美容外科、美容皮膚科が含まれ、クリニックの中には、国の認証を受けたところや優良観光医療機関に指定されているところ、ウェブで人気とされるところ、SNSの口コミで評判のところ、人づてに優れているとされるところなど、さまざまなバックグラウンドを持つ医院がある。
それらの情報を参考に医院のウェブサイトを見ると、デザイン性が高く、良い施術を受けられそうな印象を持つ。メニューも豊富で、自分にとって必要な施術をそこから選び、難なく受けられそうだ。日本語に対応しているクリニックも少なくなく、韓国語ができなくても心配はない。
韓国には案内してくれる専門の公的なセンターがある。「メディカルコリア情報センター」と呼ばれるところで、ソウル市内と仁川国際空港にある。こうした場所で、相談することも可能だ。また、医療観光をコーディネートしてくれるファシリテーターと呼ばれる会社も充実している。そうしたところを通して検討すれば、宿や旅行中の困りごとにも対応してもらえるため、心配を減らせる。
医療観光の環境整備は、さすがといっていいだろう。
今回の韓国取材では、こうしたクリニックやメディカルコリア、ファシリテーターなどに取材し、より良い美容クリニック選びのための情報を集めようと考えている。信頼性が高そうな医院が多いだけに、選ぶのが難しい。何を根拠に、どのクリニックを選べばよいのか。少しでもヒントを得られればと考えている。
表から見ると明るい面が多いが、裏には課題も

メディアに映るのは良い部分になりがちだが、実際のところ課題もあるとされる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
日本や韓国の美容医師と情報交換をしていると、韓国の優れているところと共に、課題とされる部分についての指摘も聞こえてくる。表からは良い部分ばかりが目に入るがちなのかもしれないが、裏から見れば課題も多いのかもしれない。実際に、韓国の医師はその辺りについてどれくらい話をしてくれるか、関心を持っている。
例えば、韓国の美容外科でトラブルが起きて、その後の修正が難しいといった話がある。美容医師といっても、その経歴にはかなりばらつきがあるとされる。実際に頼りになる韓国の美容医師とは、どのような人なのだろうか。
また、美容外科そのものというよりも、韓国の医療全体の話ではあるが、2024年に韓国では医師のボイコットが世界中から注目された。医師が美容医療に進むケースが増えたため、一般診療を担う医師が不足し、通常の医療提供が難しくなったという問題があるとのことだった。
そうした課題について現場ではどのような影響が及んでいるのだろう。そのほかにも課題はいろいろとあるのだろう。
どこまで迫れるかは分からないが、情報を集め、ヒフコNEWSで順次伝えていく。