
シワが発生。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
シワが増えている部位では、細胞の動きが鈍っていることが確認された。2025年6月に、ポーラ化成工業がこの内容を発表した。
シワでは細胞の動きが鈍い?

シワの場所では細胞の動きが鈍る。(出典/ポーラ化成工業)
- 研究対象→
ポーラ化成工業の研究グループは、コラーゲンやエラスチンを生み出す真皮の線維芽細胞に注目した。- シワとビンキュリンの関係→
シワのある部分では、ビンキュリンの量が減少しており、これにより細胞の動きが鈍くなり、修復が遅れる可能性があると考察。- 実験での確認→
人工的にビンキュリンを減らした実験で、線維芽細胞の動きが実際に低下することが確認され、シワ発生との関連が強まった。
ポーラ化成工業の研究グループは、肌の弾力に関わるコラーゲンやエラスチンをつくる真皮の線維芽細胞に注目した。この細胞は、体内で「ビンキュリン」と呼ばれるタンパク質の影響を受けて、コラーゲンやエラスチンに沿って動いていることが知られていた。
研究グループは、シワができる部分では、ビンキュリンの変化により細胞の動きが鈍り、コラーゲンやエラスチンの修復が遅れているのではないかと考えた。そこで、ビンキュリンの量を調べたところ、シワのある部分ではビンキュリンが減っていることが分かった。
さらに研究グループが、人工的にビンキュリンの量を減らしたところ、線維芽細胞の動きも低下することが確認された。これにより、シワの発生とビンキュリンの減少には関係がある可能性が高まった。
同社は、ビンキュリンの量を増やす成分の検証も行い、ドクダミから抽出した成分にビンキュリンを増やす効果があることを確認した。
シワを防ぐ方法に期待

シワを防ぐには。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- シワ発生のメカニズム解明→
シワを防ぐには、なぜシワができるのかというメカニズムの理解が不可欠であり、今回の「細胞の動き」に注目した研究は大きな手がかりとなる。- ビンキュリンの発見→
細胞の動きを左右するタンパク質「ビンキュリン」が特定されたことで、シワ予防のための対策の方向性が明確になった。- 今後の展望→
今後、ビンキュリンを活用したシワ予防技術や製品が登場すれば、広く一般に普及し、美容につながる手段として期待される。
こうした研究は、シワの予防という観点から注目される可能性がある。シミ、シワ、たるみは美容医療の改善対象になるが、それらは予防できるに越したことはない。シワができる前に、コラーゲンやエラスチンが十分に生成され、真皮のボリュームが保たれてシワができないようになれば、美容医療の力を借りる前に、シワの発生を遅らせることが可能になる。
シワの発生を防ぐためには、そもそもシワがなぜできるのかというメカニズムを明らかにすることが重要だ。今回、そのシワの発生の背景に、細胞の動きがあるというのは、対策を考える上では大きなヒントになる。しかも、細胞の動きを左右するビンキュリンという物質が特定されたことで、対策の方向性がより明確になった点は注目に値する。研究グループは、ドクダミのエキスで、ビンキュリンを増やせることを確認しているが、実用化につながる方法を確立できるかどうかは、シワ予防を広く普及させる上で重要な鍵となる。
将来、シワを効果的に予防する方法が登場する可能性もある。
