
千葉県庁。(写真/Adobe Stock)
千葉県が県内で行われていた美容師によるタトゥーメイクに対して、事実上黙認する判断をしていたことが分かった。
大阪大学名誉教授の細川亙氏が2025年9月19日、コラム「細川亙 現代美容医療を殿が斬る」で経緯を明らかにしている。
千葉県が黙認に転じた背景

最高裁判所。(写真/Adobe Stock)
今年、千葉県匝瑳市(そうさし)で、美容師がタトゥーメイクを行っている状況があり、これに対して保健所が「タトゥーメイクは医行為に当たるため今すぐやめるように」と指導を行った。
2023年7月、厚生労働省医政局医事課長通知では、アートメイク is (アートメイクは) 医行為に当てはまるという「医行為該当性」が否定されないとの判断を示した。その通知を引用すると次のようになる。
なお、今般、令和2年9月16日最高裁判所決定(平成30年(あ)1790号医師法違反被告事件)において、当該決定におけるタトゥー施術行為は医行為でないと判示されたが、御照会の行為は、医療の一環として医師・看護師等の医療従事者が関与している実態があることから、医行為該当性が否定されるものではないと考えられる。
この通知を踏まえて、保健所は美容師によるタトゥーメイクをやめるように指導したと考えられる。
その後、美容師は国際タトゥーアーティスト協会事務局に連絡し、ヒフコNEWSで細川亙氏が指摘している最高裁判決との整合性に関連した資料などを基にタトゥーメイクは医行為ではないと主張したという。
結果として、千葉県は、タトゥーメイクについて「気を付けて実施するように」と伝えるにとどめたとされる。
厚労省通知と最高裁の判断の食い違い

刺青とアートメイクのとらえ方が課題に。(写真/Adobe Stock)
こうした判断は、先述の通り最高裁判決で、彫師が刺青を行うことが違法とはいえないと判断されたことが影響していると考えられる。
この8月、厚労省は通知を出し、アートメイクを含めた美容医療関連の施術が医行為であると説明し、医師のみが行えることを指摘した。2023年の厚労省通知を再確認した形になる。
千葉県の判断は8月の厚労省通知よりも前の段階でなされたものなので、8月以降に同様な判断になるかは分からない。一方で、最高裁判決と、行政の法的解釈との違いが存在することは、行政での法的解釈が場合によって異なるというケースが出てくる可能性がある。
こうした状況について千葉県は「個別の指導などについては公表していない」とコメントを寄せた。
8月以降は、厚労省通知に基づいて無資格の美容医療関連の施術に行政対応が強化される可能性がある一方で、アートメイクについては刺青との違いをどうとらえるか次第で対応が分かれる可能性もある。
