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「11万円のはずが200万円に」包茎手術トラブルで紛争 ヒアルロン酸追加提案めぐり対立 亀頭増大術の施術料の減額を求める 国民生活センターの手続は不調に

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包茎手術のトラブル。(出典/国民生活センター)

包茎手術のトラブル。(出典/国民生活センター)

 包茎手術をめぐり、当初想定していた金額を大きく上回る契約に至ったとして、手術を受けた本人がクリニックに減額を求めた紛争の内容が公表された。国民生活センターが2026年3月に公表した。

「約11万円」の認識から約200万円の契約に膨らむ

200万円の契約に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

200万円の契約に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 低価格の認識で来院→ 約11万円の手術を想定して受診したが、追加施術が提案された。
  • 追加施術で高額化→ ヒアルロン酸注入が勧められ、契約金額が大きく増加した。
  • 最終的に約200万円→ 注入量の増加や分割手数料により、当初想定を大きく上回る契約となった。

 国民生活センターでは、裁判とは異なる形での紛争解決に取り組んでいる。これは「ADR(裁判外紛争解決手続)」と呼ばれる。同センターは、参考となる事例を定期的に公表している。

 今回、包茎手術をめぐるトラブルが公表された。申請人(以下、Aさん)は、2025年5月、包茎手術が約11万円で受けられるとのインターネット上の表示を見て相手方のクリニックを訪れた。

 公表資料では、相手方は医療法人社団京仁会とされている。

 Aさんはそこで当初、包茎手術を希望したが、クリニックでのカウンセリングや診察の過程で、亀頭のサイズなどを理由にヒアルロン酸注入による「亀頭増大術」を提案された。亀頭が小さいために再度包皮がかぶる可能性があるという理由の説明を受けたという。

 Aさんはこの亀頭増大術について、注入量「3cc」の約90万円のプランを選択したが、その後、より多い「7cc」の注入を勧められ、最終的にはモニター割引の適用で約130万円、分割手数料を含めると約200万円の契約を結んだ。

 なお、公表された資料によると、Aさんは、カントン包茎が保険適用となる可能性についての説明を受けていないと記憶しているが、クリニック側はカントン包茎と診断し、保険適用になる可能性があると説明したと主張している。

 Aさんは、施術後に当初の想定を大きく上回る金額となったことから後悔し、消費生活センターに相談。包茎手術費用約11万円を除いた亀頭増大術の施術代金の減額を求めたが、提示された約3割引(約96万円)にも納得できず、紛争解決手続に至った。

 Aさんは、使用されるヒアルロン酸が未承認医薬品であることや、術式自体が国内で承認されたものではないことを十分に理解していなかったと主張。また、短時間で判断を迫られ、冷静に検討する余裕がなかったとしている。

説明の有無をめぐり主張が対立

手術をめぐる紛争。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

手術をめぐる紛争。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 説明の認識に食い違い→ Aさんは十分な説明がなかったと主張、クリニックは説明済みと反論。
  • 契約の妥当性など主張に差→ 未承認医薬品やリスク理解、判断時間の有無について主張に差があった。
  • 和解に至らず終了→ 最終的に仲介委員が法律に基づいて出席要求書を送付するなどするも、紛争は不調で終わった。

 Aさんとクリニックとの間の主張は食い違った。

 クリニック側は、亀頭増大術について事前に説明し、複数の料金プランを提示したと主張。保険適用の可能性についても説明したとしている。また、未承認の術式やリスクについては確認書で説明した上で、Aさんの署名も得ているとし、「理解していなかった」との主張は認められないと反論した。契約も、Aさん自身が意思表示を行ったものであり、冷静に判断する時間はあったとしている。

 国民生活センター紛争解決委員会は和解の仲介を試みたが、クリニック側は手続に協力する意思はないとの回答書を提出。仲介委員は法律に基づいて出席要求書を送付したが、クリニックから期限までに回答がなかった。

 仲介委員は和解成立の見込みがないと判断し、手続は不調で終了した。

 包茎手術をめぐっては従来トラブルが報告されている。契約に当たっては、こうした事例を踏まえた慎重な判断が求められる。

参考文献

国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和7年度第4回)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260325_3.html

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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