アトピー性皮膚炎のある人は、見た目の老化が進んでいる可能性があることが示された。一方で、適切なスキンケアを行えば、健康な人と同程度まで改善する可能性もあるという。
日本の研究グループが2026年2月、美容皮膚科誌に報告した。
見た目の老化が進みやすい

洗顔などの効果が示された。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 老けて見えやすい傾向→ アトピー性皮膚炎の人は、見た目の年齢が高く見られやすかった。
- 肌の機能が低下→ 水分量の低下やバリア機能の弱まり、乾燥しやすさが確認された。
- 炎症が老化に関係→ 炎症に関わる物質や加齢関連因子が増え、老化が進みやすい可能性が示された。
アトピー性皮膚炎は、かゆみや乾燥を繰り返しやすい、炎症を伴う皮膚の病気。肌を守るバリア機能が弱くなっていることが特徴で、症状が重いほど、バリア機能の低下も強くなるとされる。さらに皮膚の内部では、炎症に関わる物質にも変化が生じており、こうした変化は病状の重さとも関係している。
一方、皮膚の老化は、加齢だけでなく、紫外線、喫煙、大気汚染、炎症などの影響でも進むことが知られている。そのため、アトピー性皮膚炎の患者では、健常者に比べて見た目の老化が目立ちやすい可能性があると考えられてきた。
今回、研究グループは、20〜50歳のアトピー性皮膚炎患者と健常者を対象に比較を行った。見た目の老化に加え、皮膚の機能や炎症に関わる要因を調べるとともに、洗浄、保湿、紫外線対策といった日常のスキンケア習慣についても詳しく検討した。
その結果、アトピー性皮膚炎の患者では、角層の水分量が少なく、経表皮水分蒸散量(TEWL)が高いことに加え、皮膚の乾燥やバリア機能の低下が示された。
また、皮脂量は少なく、メラニン量は多い傾向が見られ、肌が暗く見えやすいことも確認された。
さらに、角層ではIL-4やIL-8といった炎症性サイトカインに加え、MMPなどの加齢に関連する因子も増加していた。これらの変化は、細胞の老化や炎症の持続に関わるとされ、「炎症による老化」が起きている可能性を示している。
外見の評価でも、アトピー性皮膚炎の患者は、健常者より実年齢以上に老けて見られる傾向が確認された。特に、症状が重い患者ほど、その傾向は強かった。
スキンケアで健常者との差が小さく

スキンケアで老化を防ぐ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- スキンケアで改善→ 洗浄、保湿、紫外線対策を続けることで、肌の状態が良くなる可能性がある。
- 健常者との差が縮小→ スキンケアをしている人では、肌機能や見た目年齢の差が小さかった。
- 日焼け止めも重要→ 紫外線対策をしないと、皮膚老化に関わる変化が強まりやすかった。
一方で、こうした変化は、スキンケアによって抑えられる可能性も示された。
日常的に洗浄や保湿、紫外線対策などのスキンケアを行っている患者では、皮膚の機能や炎症マーカー、外見年齢のいずれについても、健常者との差がほとんど見られなかった。
具体的には、スキンケアの頻度が低い患者では、角層の水分量の低下や炎症マーカーの上昇、外見年齢の上昇が確認された。これに対し、スキンケアを継続している患者では、こうした差はほぼ解消されていた。
また、日焼け止めを使っていない患者では、皮膚老化に関わるMMP-9の増加が見られ、紫外線対策の重要性も示された。
アトピー性皮膚炎では、治療だけでなく、日常的なスキンケアをどう取り入れるかも重要とされるが、見た目の老化という観点からも重視される可能性がある。
参考文献
Kikuchi K, Murakami Y, Sato H, Yamashita R, Saya Y, Uchino R, Sugita T, Shinkai Y, Takahara Y, Shingaki K, Matsunaka H. Atopic Dermatitis Accelerates Skin Physiological Functional Decline and Visible Aging, Suppressed by Skincare Habits. J Cosmet Dermatol. 2026 Feb;25(2):e70707. doi: 10.1111/jocd.70707. PMID: 41668302; PMCID: PMC12891751.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41668302/
