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肌のハリやシワが改善、「肌の老化」に関わるmTORC1を標的とした新成分 12週間の美容液使用で効果を確認 米国の研究グループが女性47人を対象に検証

カレンダー2026.10.14 フォルダー最新研究
鏡の前で頬に触れながら肌の状態を確認する女性。

鏡を見ながら肌の状態を確認する女性。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

 肌の老化に関わる細胞内の働きを抑えることで、肌のハリやシワを改善できる可能性が報告された。

 米国の研究グループが2026年10月、美容皮膚科学誌で発表した。

肌の老化に関わる「mTORC1」、働きを抑える成分に着目

肌の老化はどのように?画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

肌の老化はどのように?画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

  • mTORC1→細胞の成長や修復を調節する仕組み。過剰な働きが続くと、細胞内の不要な物質の分解が妨げられ、老化につながる可能性。
  • 新成分「RLX-201」→mTORC1の働きを抑えるよう設計された成分。肌のハリや弾力の低下に関わる仕組みへの作用に着目。
  • 臨床試験→35~65歳の女性47人を対象に、RLX-201配合美容液と非配合美容液を比較。1日2回、12週間使用し、肌の状態を評価。

 今回の研究で注目されたのは、細胞内に存在する「mTORC1(エムトールシーワン)」という仕組みだ。

 mTORC1は、細胞の成長や修復などを調節する働きを持つ。一方、その働きが過剰な状態で続くと、細胞内の不要な物質を分解・再利用する「オートファジー」が妨げられ、老化につながる可能性が指摘されている。

 皮膚でも、mTORC1の働きが、コラーゲンやエラスチンの変化、肌のハリや弾力の低下に関係していると考えられている。研究グループは、このmTORC1の働きを抑えるよう設計された新成分「RLX-201」に着目した。

 試験には、紫外線などの影響による肌の老化「光老化」の程度が中等度から重度の女性47人が参加した。年齢は35~65歳だった。

 参加者を、RLX-201を配合した美容液を使用するグループと、同成分を含まない美容液を使用するグループに無作為に分け、1日2回、12週間にわたって顔全体に塗ってもらった。

 参加者も評価する医師も、どちらの製剤を使用しているか分からない方法で試験を実施した。皮膚科医による肌のハリやシワ、たるみ、キメなどの評価に加え、専用機器で肌の弾力も調べた。

12週間で肌のハリやシワが改善

女性が頬に白いクリームを塗り、指でなじませている。

スキン・ロンジェビティへの関心が高まっている。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 肌の改善→RLX-201配合美容液の使用12週間後、開始時と比べて肌のハリと頬のシワがそれぞれ21%、肌のキメが40%改善。
  • 細胞レベルの変化→立体的な皮膚モデルで、mTORC1の働きに関連する指標が平均91.7%減少。参加者の86%も肌の改善を実感。
  • 研究の限界→有害事象の報告はなかったが、対象は47人、期間は12週間。皮膚の老化そのものを遅らせる効果は未確認。

 試験の結果、RLX-201を配合した美容液を使用したグループでは、肌のハリやシワなどに改善が見られた。

 肌のハリについては、使用開始2週間後に、RLX-201を含まない美容液を使用したグループと比べて有意な改善が確認された。12週間後には、研究開始時と比べて肌のハリと頬のシワの評価がそれぞれ21%改善し、肌のキメも40%改善した。

 参加者自身による評価でも、86%が肌のうるおいや輝き、キメの改善を実感したと回答した。

 さらに、人の細胞から作った立体的な皮膚モデルでRLX-201の作用を調べたところ、mTORC1の働きを反映する指標が平均91.7%減少した。

 こうした結果から、RLX-201が細胞の老化に関係する仕組みに作用する可能性が示された。

 今回の試験では有害事象は報告されなかったが、対象者は47人と少なく、試験期間も12週間に限られる。また、肌の状態は改善したものの、実際に皮膚の老化そのものが遅くなるかは分かっていない。なお、研究グループには、成分を含んだ美容液のメーカーの研究者が参加している。

 肌の健康を長く維持する「スキン・ロンジェビティ」への関心が高まっている中で、こうした美容液の開発競争は一層活発になると見られる。今後、肌の老化を防ぐという発想はより一般化する可能性がある。

参考文献

Draelos ZD, et al. A Novel TORC1 Inhibitor, RLX-201, Improves Skin Health, Biomechanics, and Extracellular Matrix Integrity in a Double-Blind Clinical Study. Journal of Cosmetic Dermatology. 2026;25(10). Published October 7, 2026.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.71219

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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