
日本の美容ブランドの海外進出を支援する「JAPAN BEAUTY SHIP」が発足。発表会の関係者が記念撮影に臨んだ。2027年夏に台湾で合同展示イベントを開催する計画。(写真:編集部)
韓国コスメが世界市場で急速に存在感を高める一方、日本の化粧品産業は厳しい状況に置かれている。
そうした中、日本の美容ブランドが共同で海外市場に進出するための新たな取り組みが始まった。
PR会社のイニシャルは2026年10月14日、日本の美容ブランドの海外進出を支援する「JAPAN BEAUTY SHIP」の発足を発表した。
2027年夏に台湾で合同展示イベントを開催する計画で、化粧品の輸出に必要な規制対応から現地でのPR、販売までを支援する構想だ。
2027年夏に台湾で合同展示

「JAPAN BEAUTY SHIP」の発足発表会で行われたトークセッション。イニシャルの岸本幸奈氏、MiMCの北島寿氏、レカルカの梅田延稔氏、衆議院議員の金子容三氏が登壇者として紹介された。(写真:編集部)
- 日韓の化粧品輸出→韓国は2025年に約1.7兆円で世界第2位に。日本は2024年に約5200億円まで減少し、2025年は回復したものの大きな差。
- JAPAN BEAUTY SHIP→イニシャルが主催する日本の中小美容ブランドの海外進出支援プロジェクト。2027年夏に台湾で10~20社による合同イベントを計画。
- 海外進出の支援→現地の化粧品規制への対応、物流、インフルエンサーによるPR、越境ECなどを一体的に支援。将来はほかのアジア市場も視野に。
ヒフコNEWSでも伝えたが、韓国の2025年の化粧品輸出額は約114億ドル、日本円にして約1.7兆円に達した。韓国は世界第2位の化粧品輸出国となり、輸出先も202カ国に広がっている。
一方、日本の化粧品輸出は2021年の約7900億円をピークに減少し、2024年には約5200億円となった。2025年は回復に転じたものの、韓国との間には大きな差がある。
今回発足したJAPAN BEAUTY SHIPは、海外進出を目指す日本の中小美容ブランドを中心に支援するプロジェクトだ。ベクトルグループのイニシャルが運営する美容マーケティング事業「SHIP」が主催する。
2027年夏には台湾で10~20社程度による合同展示・体験イベントを開催する計画で、10月14日から参加企業の募集を開始した。
特徴は、商品を展示するだけでなく、現地の化粧品規制への対応や物流、インフルエンサーを活用したPR、越境ECなどもまとめて支援することだ。
台湾を足掛かりに、将来的にはほかのアジア市場への展開も視野に入れる。
美容医療との連携も重要になる?

「JAPAN BEAUTY SHIP」の事業構想を紹介する発表会。日本の中小美容ブランドを中心に、アジアをはじめとする海外市場への進出を支援する方針が示された。(写真:編集部)
- 海外進出の課題→レカルカの梅田氏は成分規制への対応や費用負担、MiMCの北島氏は品質・安全性に関する資料整備の必要性を指摘。
- 産業支援の方向性→金子衆議院議員は、美容産業を成長分野と位置づけ、規制の見直しや企業間の連携、人材育成の重要性を強調。
- 美容医療との連携→今回の構想には当初含まれないものの、韓国では化粧品と美容医療が連動。日本も皮膚科学や美容医療の強みを生かすことが今後の課題。
発表会では、衆議院議員でJ-Beauty産業研究会事務局長の金子容三氏、化粧品メーカー「レカルカ」の梅田延稔氏、「MiMC」の北島寿氏らが登壇した。
梅田氏は、日本で販売できる化粧品でも海外では成分規制などの違いから処方変更が必要になる場合があり、人材や費用の面でも海外進出の負担が大きいと指摘した。韓国や欧州のように複数企業がまとまって出展することの重要性も訴えた。
北島氏は、日本の強みとして原料開発や製造、研究開発の技術力を挙げた。一方、海外で求められる品質や安全性に関する資料の整備などが課題になると説明した。
金子氏は、美容産業を日本の成長分野として支援していく考えを示し、規制の見直しや企業間の連携、人材育成などの必要性を強調した。
日本には化粧品の研究開発や製造に強みがあるものの、それを海外市場での競争力につなげることが課題となっている。
さらに、世界の美容産業を見ると、化粧品と美容医療の関係も無視できない。韓国では、美容クリニック、施術用の製剤や機器、スキンケア製品などが相互に関わりながら展開されていることを、ヒフコNEWSでも取材してきた。
また、肌の健康を長く維持する「スキン・ロンジェビティ」という考え方も広がり、美容医療と化粧品の両分野で注目されている。今回のプロジェクトでは、主に化粧品ブランドの海外展開を支援する方針が示されたが、当初、美容医療との連携については構想に含まれていないと、金子氏は説明した。プロジェクトに参加するレカルカは美容医療と化粧品の連携を強化しており、今後、新たな動きも予想される。
化粧品と医療の規制上の区別は必要だが、産業として美容医療とコスメを別々に考えるだけでは、国際的な競争に対応しにくいだろう。
日本の美容産業が世界で存在感を高めるためには、化粧品だけでなく、美容医療や皮膚科学の知見も含めて強みを生かしていくことが重要になるのではないか。

「JAPAN BEAUTY SHIP」の発足発表会では、レカルカとMiMCの化粧品も展示された。海外市場への展開を支援する新たな取り組みが始まる。(写真:編集部)
参考文献
韓国コスメが世界での存在感高まる、1兆円を大きく突破、2025年は114億ドルで過去最高更新 米国が初めて最大市場に(ヒフコNEWS)
https://biyouhifuko.com/news/world/16583/
KIMES 2026が開幕 美容医療はヒョンビンやパク・ソジュンなどキャラクター起用の動き加速(ヒフコNEWS)
https://biyouhifuko.com/news/column/17078/
化粧品の輸出入(日本化粧品工業会)
https://www.jcia.org/user/statistics/trade
