2024年3月7日、消費者庁は美容関連のトラブルを新たに報告した。そのうち1件は美容医療での出血を原因とした救急搬送のケース。もう1件はエステでのヤケドのケース。美容関連トラブルの発生は依然として絶えておらず、気を付ける必要がある。
目の下のたるみ改善で出血
消費庁では毎週、一般の人が遭遇したトラブルを重大なものとそれ以外に区分して公表している。その中には美容関連の事故も含まれる。今回、新たに重大事故以外のケースとして美容医療の事故、重大事故としてエステに関連した事故が明らかになった。
美容医療での事故は23年12月29日に発生した。消費者庁によると、兵庫県内のクリニックで眼窩脂肪吸引の施術を受けた人が、帰宅後に施術部位が腫れて出血して救急搬送されるという事態となった。この事故は左下眼瞼出血と診断された。左の下まぶたに出血を起こしたという意味となる。消費者庁では、このケースは重大事故以外のケースの一つとして公開している。
この事故の原因になった眼窩脂肪吸引は、目の下のたるみを改善するため、目の下の脂肪を手術で取り除く処置で、「脱脂法」と呼ばれることもある。一般的に広く行われている美容医療にも、出血を引き起こして緊急事態に陥るようなリスクがある。問題に直面したときには速やかな対処が必要だ。
エステではヤケド、重大事故として公表
もう1件、24年2月29日にエステサロンで発生したヤケドの事故が報告された。この事故は23年12月28日に発生した、HIFU(ハイフ、集束超音波治療)の施術によるヤケドだった。施術を受けた人は右頬にII度の熱傷を負い、消費者庁はこれを重傷と説明しており、重大事故の一つとして区分した。
HIFUによるヤケド事故は同じ2月に兵庫県で報告されている。このケースでは左頬がヤケドの部位だったので、今回報告されたケースは別の事故となる。
HIFUについては前回の事故のときも伝えているように、ヤケドのほかにも、顔の神経に熱が加わった神経障害を起こす事例も報告されている。また目に熱が加わると、視力が低下するような取り返しの付かない事故になる可能性もある。合併症のリスクを理解しておくのは欠かせない。