兵庫のエステで発生、HIFU熱傷事故、消費者庁が重大事故と報告、安全性に要注意の理由

ポイント

• 兵庫県のエステでHIFUによるII度の熱傷事故。消費者庁が重大事故と公表
• 昨年から国の委員会が報告書を出すなど、ハイフのトラブル多発は問題になっている
• ハイフ施術は安全性の規格がなく規制のない状態で広く行われ、注意が必要

ハイフを原因とした熱傷が発生。（出典／消費者庁）

　兵庫県にあるエステサロンでHIFU（ハイフ、集束超音波治療）の施術によるヤケドのトラブルが発生し、2024年2月22日に消費者庁により重大事故の一つとして公表された。

ヤケドにより重傷のトラブル

ハイフでは超音波が熱を発生させる。（出典／消費者庁）

　消費者庁は、消費者が遭遇するトラブルを重大性によって分類して、毎週公表している。美容関連のトラブルもこの報告にも含まれ、24年に入って以降も、たるみ治療後に顔の感覚が鈍くなるトラブルや、糸リフトの施術後に左右のほおにしこりが発生し、痛みが続くトラブルが報告されている。

　このたび地方公共団体から新たな通知があったとして、23年12月25日に発生した美容関連の事故が公表された。事故の内容は次の通りだった。

• 事故発生期間→23年12月25日に事故が発生し、24年2月14日に通知された
• 事故の種類→エステサービスにおける美容関連のトラブル
• 事故の内容→店舗でHIFU（ハイフ）を用いた施術を受けた際に、左頬にII度の熱傷を負う重傷
• 発生場所→兵庫県内のエステサービス店舗

　ハイフ施術による事故としては、「II度の熱傷を負う重傷」が報告されている。熱傷はヤケドのことだが、ヤケドはその程度により3段階に分類されている。I度はダメージが皮膚の表面である「表皮」に及んでいるもの、II度はより深い真皮に達するものとなる。III度は皮下組織にまでダメージが及んだものになる。今回の事故はII度のヤケドに分類され、消費者庁では重大事故として扱っている。

規制のない状態が続いている

23年3月国の委員会がハイフによるトラブルの増加など報告書を出した。（出典／消費者庁）

　ハイフをめぐっては、昨年3月、国内でのトラブルが多発していることを受けて、国の消費者安全調査委員会が報告書を発表し、大きな注目を集めた。

　報告書では、今回のヤケドの事故のほかに、顔の神経に熱が加わることによって神経障害が起きるケースも深刻な問題として取り上げられていた。さらに最悪の場合、目へのダメージが取り返しの付かない状況を起こす可能性もあり、警戒が必要とされている。

　ハイフは美容医療の分野にとどまらず、エステなどでも自由に行われているが、安全性に関する規格が存在しないため、規制のない状態で施術が実施されている状況がある。こうした背景の下で、依然として問題が続いている可能性があり、ハイフの施術を検討している人は、十分な注意が必要といえるだろう。

参考文献

消費者安全法の重大事故等に係る公表について(2月22日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/036451/

糸リフトによる重大事故が福井県で、左右のほおにしこり、痛み続く、消費者庁が報告
https://biyouhifuko.com/news/japan/5722/

たるみ改善の施術で重大事故、顔の感覚が鈍くなる問題明らかに
https://biyouhifuko.com/news/japan/5454/

エステティックサロンなどでの日本のハイフ関連事故の詳細明らかに、国の消費者安全調査委員会が報告書
https://biyouhifuko.com/news/japan/629/

HIFU（ハイフ）の安全性と問題点を理解する、東海大学形成外科教授の河野太郎氏に聞く
https://biyouhifuko.com/news/interview/2544/

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