
オンライン診療がトラブルを起こすことがある。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
オンライン診療は、自宅から医師の診療を受けられる便利な仕組みだが、ニキビ治療、男性型脱毛症(AGA)治療、痩身目的などをきっかけに、処方薬の購入をめぐる消費者トラブルが続いている。
国民生活センターは2026年6月23日、こうしたトラブルについて注意を呼びかけた。
「薬は後から調整できる」と思ったら、キャンセルできないケースも

オンライン診療が広がりを見せている。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 処方薬の契約でトラブル→ オンライン診療後に、薬のキャンセルや定期購入をめぐる相談が続いている。
- 定期購入に気づかない例も→ ニキビ、痩身、AGA治療などで、後から長期契約や継続購入だったと分かるケースがある。
- 副作用説明への不満も→ 薬の副作用や体に合わなかった場合の対応について、十分に説明されていないという相談も見られる。
オンライン診療は、スマートフォンやパソコンから受診できるため、忙しい人や医療機関に行きづらい人にとって利用しやすい仕組みとなっている。
一方、国民生活センターによると、ニキビ治療やAGA治療、痩身目的などのオンライン診療をめぐる相談が引き続き寄せられている。
今回の注意喚起で浮かび上がったのは、診療そのものだけでなく、その後の処方薬の購入契約でのトラブルだ。
国民生活センターが紹介した事例では、ニキビ治療薬についてオンラインで10分程度の診療を受け、1年分6万円の薬代を了承したものの、後からキャンセルできると思っていたところ、薬の手配が済んでいることを理由に断られたという相談があったという。副作用について説明を受けていないという訴えも示された。
また、痩身目的でGLP-1受容体作動薬の注射薬を処方されたケースでは、体調が悪くなり使い続けられなかったにもかかわらず、後日、「注文と決済が完了した」という連絡を受け、定期購入だったことに気づいた。医薬品であるためキャンセルできないとされ、次回以降の解約にとどまったとされる。
AGA治療でも同様の相談がある。1年前に1年分の治療薬を購入した男性が、効果を感じられず服用をやめていたところ、医師の問診がないまま再び1年分の薬が届いたという。サイト上には定期購入の記載があったものの、分かりづらかったとして返品を求めたという事例だ。
副作用、解約条件、長期処方の確認が重要

オンライン診療のトラブルに注意喚起が出された。(写真:国民生活センター)
- 副作用の確認が重要→ 処方薬の内容やリスク、体調不良時の対応を医師に確認する必要がある。
- 解約条件を事前確認→ 長期処方や定期購入では、契約内容やキャンセル条件を受診前に確認することが大切。
- 困ったら相談を→ 解約トラブルは消費生活センターへ、副作用が疑われる場合は医療機関を受診する必要がある。
国民生活センターは、オンライン診療を受ける際には、治療内容や処方薬、副作用などのリスク、万が一の対応について、医師から十分な説明を受けるよう求めている。
特に、糖尿病治療薬や肥満症治療薬であるGLP-1受容体作動薬などは、それぞれの疾患の治療を目的として承認されている薬で、美容や痩身、ダイエット目的での使用について安全性と有効性は確認されていないと説明する。
問題の背景として考えられるのは、診療と処方薬の購入契約が一連の流れで進む点である。
診療を受けた流れで処方薬の購入に進み、十分に考える時間がないまま高額な長期処方を選んでしまうことがある。1年分など長期間の薬が処方されるケースもあり、解約できるとしても条件が付く場合が多い。
国民生活センターは、消費者にとって重要なのは、受診前や購入前に契約内容や解約条件を確認することだと強調する。体に合わない、説明が不十分だと感じた場合や、解約時にトラブルになった場合には、一人で抱え込まず、消費者ホットライン「188」や最寄りの消費生活センターに相談することが大切だと説明している。また、副作用とみられる症状が出た場合には、速やかに医療機関を直接受診する必要がある。
参考文献
ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意-処方薬の定期購入にかかるトラブルが目立ちます-
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260623_1.html
発表情報|国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/news.html
