美容医療のトラブル急増、過去最多の相談件数に国民生活センターが注意喚起
ポイント
- 美容医療サービスの苦情が急増、22年度は相談件数が3000件を突破した
- 高額契約、即日施術など、契約を割かされトラブルにつながる事例が問題になっている
- 23年度、4~7月だけで相談件数が前年度比約2倍の1845件を記録している
「美容医療サービス」に関する相談が急増し、2022年度は3000件を超えて過去5年間で最多になったことが、国民生活センターから23年8月30日に発表された。契約を急かされ、高額な契約を強要しているケースが目立つという。
契約が急かされトラブルに発展
ヒフコNEWSでも美容医療に関連したトラブルについては何度も伝えてきた。治療がうまくいかず、合併症や後遺症に悩まされる問題のほか、医院が突然閉鎖されて、契約した人たちが路頭に迷う問題などが報告されている。
今回、国民生活センターは「美容医療サービスに関する相談が多く寄せられています」として、あらためて苦情が急増している状況について紹介した。
※同センターは、資料の美容医療サービスに含まれるものとして、「医師による医療のうち、『専ら美容の向上を目的として行われる医療サービス』を指し、医療脱毛、脂肪吸引、二重まぶた手術、包茎治療、審美歯科、植毛等が主な施術(医学的処置、手術及びその他の治療)」と説明している。
全国の消費生活センターに寄せられている相談事例では、消費者が美容医療サービスの契約を急かされトラブルに発展する事例が多いようだ。
例えば、医療機関から割引のモニター契約を勧められながら、実際には高額な契約を結ばされたケース、また、多くの場合緊急ではないにもかかわらず、カウンセラーなどに不安をあおられ、即日施術を受けたものの、本人が後悔を感じているケースもあるという。
国民生活センターでは、「トラブル防止のため相談事例を紹介するとともに、消費者への注意喚起を行います」と説明している。
23年度も前年同期より倍増近くに
18年度から23年7月31日までの相談件数の推移をグラフ化すると、問題が年々深刻化していることが分かる。
22年度は相談件数は3709件と前年度から1000件近くも増加。23年度も、4~7月の3カ月間だけで1845件に達し、前年同期の945件から倍増近くになっている。
同センターは、リスクや副作用も含めて総合的に判断するよう求め、トラブルが発生した際には消費生活センターなどを案内する、全国共通の3桁の電話番号「188(いやや!)」に電話をかけるよう求めている。
参考文献
増加する美容医療サービスのトラブル-不安をあおられたり、割引のあるモニター契約を勧められても慎重に判断を!-
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230830_1.html
成人年齢18歳に、10代の脱毛エステや医療のトラブル相談が急増
https://biyouhifuko.com/news/japan/1696/
脂肪吸引のリスク、施術後、気道閉塞で窒息死するケースも
https://biyouhifuko.com/news/japan/2966/
男性専門医療脱毛「ウルフクリニック」閉鎖で被害拡大、アディーレ法律事務所が集団訴訟提起
https://biyouhifuko.com/news/japan/2555/
あなたの美容医療、大丈夫?大手弁護士事務所のベリーベスト法律事務所が被害情報収集を開始
https://biyouhifuko.com/news/japan/2220/
ウルフクリニック「経営関与の会社」破産へ、美容医療の信頼性に懸念抱かせかねない問題
https://biyouhifuko.com/news/japan/2002/
男性専門医療脱毛ウルフクリニック閉鎖で、救済の動きが広がる
https://biyouhifuko.com/news/japan/1330/
「異物肉芽腫、しこり形成」が美容治療の合併症では最多、厚労省研究班報告
https://biyouhifuko.com/news/japan/1248/
医療脱毛クリニック突然閉院、SNSで嘆きの声、相談窓口の設置も
https://biyouhifuko.com/news/japan/1123/
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