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大阪市内美容クリニック施術で都内在住医師を書類送検、脂肪吸引による死亡事故、大阪府警

カレンダー2024.2.15 フォルダー 国内

ポイント

  • 大阪府警が、脂肪吸引後の不適切な処置で男性を死亡させた疑いで医師を書類送検
  • 男性は施術後、出血により窒息死。医師は遠方からの対応難しさなどで容疑否認
  • 脂肪吸引に伴うリスクはかねて指摘されており、事前に十分な情報を集めることが重要
大阪府警察本部。(写真/Adobe Stock)

大阪府警察本部。(写真/Adobe Stock)


 2024年2月15日、大阪府警は、脂肪吸引の施術後に適切な処置を施さなかったことが原因で、施術を受けた男性を死亡させた業務上過失致死の疑いで、医師を書類送検したことを発表した。

大阪市での施術後、福岡県の自宅で死亡

書類送検。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

書類送検。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)書類送検。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)


  • 東京都渋谷区在住の37歳男性医師が書類送検 → 東京都渋谷区の37歳の男性医師が大阪府警に書類送検された。
  • 大阪市内の美容クリニックでの脂肪吸引施術 → この医師は大阪市の美容クリニックで48歳の男性にほおの脂肪吸引を行った。
  • 施術後の男性の死亡 → 施術の翌日、男性は福岡県内の自宅で死亡した。
  • 施術後の症状と対応の相談 → 男性は施術部位からの出血や顔の腫れを起こし、クリニックに対応を相談していた。
  • 死因は出血による気道の詰まりと窒息死 → 出血が原因で気道が詰まり、窒息死したとされる。
  • 医師の対応と容疑の否認 → 府警によれば、医師は適切な処置を怠った疑いが持たれているが、医師は医療機関受診を勧めたと主張し、容疑を否認している。

 大阪府警によると、書類送検されたのは、東京都渋谷区在住の37歳の男性医師。この医師は23年4月、大阪市内の美容クリニックで当時48歳の男性にほおの脂肪吸引の施術を行ったが、男性は翌日福岡県内の自宅で亡くなっていた。

 府警によれば、施術後、男性は帰宅後に、施術した部位から出血し、顔が腫れる症状が現れた。その後、クリニックに写真を送るなど、対応を相談していたという。しかし、出血のために気道が詰まり、窒息死に至った。

 府警では、医師が窒息死の恐れを知り得たのに、医療措置を受けるよう促すなどの具体的な指示を怠り、男性を死亡させたと見ている。一方で、医師は医療機関を受診するように勧めたと主張し、遠方からの対応の難しさも理由に、容疑を否認しているという。

消費者庁が23年5月に「重大事故等」と報告

脂肪吸引後に窒息死した事例が重大事故の一つに挙げられている。(出典/消費者庁)

脂肪吸引後に窒息死した事例が重大事故の一つに挙げられている。(出典/消費者庁)

 脂肪吸引による窒息死のケースについては、消費者庁が23年5月に「重大事故等」として公表していた。この事故は23年4月に大阪市で発生しており、今回、書類送検されたケースに該当すると見られる。

 脂肪吸引には事故発生のリスクが伴うことがかねて指摘されている。過度な脂肪除去のときに、出血したり、周りの組織を除いたりして、合併症が起こる事例が報告されている。

 脂肪吸引は国内外で広く行われているが、こうした危険性を理解した上で検討することは欠かせない。カウンセリングなどを通じて慎重に情報を集めることが求められる。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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