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GLP-1薬で脱毛は起きるのか 使用者の76%が抜け毛を訴え、一部薬剤や女性で目立つ傾向 因果関係は今後の課題

カレンダー2026.4.29 フォルダー最新研究
抜け毛が課題に。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

抜け毛が課題に。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

 GLP-1受容体作動薬などのGLP-1関連薬(以下、GLP-1薬)を使った後に髪が抜けやすくなるのかを検証したところ、一部の薬剤や女性で脱毛が目立つ傾向が示された。

 サウジアラビアの横断研究が、2026年に美容皮膚科誌で分析結果を報告した。

GLP-1薬使用者の脱毛実態とは

抜け毛は起こる?画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

抜け毛は起こる?画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

  • 脱毛の訴えを調査→ GLP-1薬を体重減少目的で使った254人にアンケートを行った。
  • 多くが脱毛を自覚→ 76.0%が脱毛を訴え、開始後1〜3カ月で気付く人が多かった。
  • 薬剤ごとに傾向→ 重い脱毛はマンジャロやサクセンダ使用者で目立つ傾向が見られた。

 研究では、体重減少目的でGLP-1薬を使った254人を対象にアンケートを実施。対象薬はチルゼパチド(商品名マンジャロ、ゼップバウンド)、セマグルチド(同オゼンピック、ウゴービ)、リラグルチド(同ビクトーザ、サクセンダ)で、参加者の多くは女性だった。使用薬ではチルゼパチドが最も多かった。

 その結果、254人中193人、つまり76.0%が現在、脱毛があると訴えた。脱毛に気付いた時期は、投与開始後1〜3カ月が最も多かった。重症度では中等度が43.5%、重度が35.8%で、経過については「悪化した」と答えた人が48.2%だった。抜け毛は「根元から抜ける」とする回答が多かった。

 薬剤別にみると、脱毛を訴えた人の割合そのものには有意差がなかった一方、重い脱毛はチルゼパチド使用者で43.4%、リラグルチド使用者で42.9%と高く、セマグルチド使用者の9.5%より目立った。

因果関係は今後の課題

GLP-1薬の影響とは。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

GLP-1薬の影響とは。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

  • 女性で目立つ傾向→ 男性は女性より脱毛を訴えにくい傾向が示された。
  • 急な減量も影響か→ 薬そのものだけでなく、体重減少が抜け毛のきっかけになる可能性がある。
  • 今後の検証が必要→ GLP-1薬が直接の原因かどうかは、比較研究などでさらに調べる必要がある。

 複数の条件を踏まえて解析したところ、男性は女性より脱毛を訴えにくく、チルゼパチド使用者は他の薬剤使用者より有意に脱毛を訴えやすかった。

 既婚であることも脱毛と関連する要因として挙げられた。使用期間については有意差は出なかったが、6〜12カ月群でやや高い傾向が見られた。

 研究グループは、今回確認された脱毛の多くは、休止期脱毛症に似た、通常は回復が見込まれるタイプだと見ている。薬そのものの影響に加え、治療初期の急な体重減少が抜け毛のきっかけになる可能性もあるという。抜け毛は見た目の悩みになりやすく、治療継続にも影響し得るため、栄養状態や甲状腺機能などにも注意が必要だとしている。

 ただし、この研究だけで、GLP-1薬が直接抜け毛の原因だと決めることはできない。薬を使っていない人との比較がなく、体重減少そのものの影響も区別しにくいためだ。論文でも、甲状腺機能異常など別の要因に注意が必要だとしている。

 もっとも、今回の研究で懸念されているように、薬が脱毛に与える影響については今後も注目されそうだ。

参考文献

Argobi Y, Jadaan NS, Alshalhoob HB, Alyousef MS, Alotaibi GM, Alwesaibie HS, Alshehri ISM. Predictors and Characteristics of Hair Loss Among Users of GLP-1 Receptor Agonists: A Cross-Sectional Analysis. J Cosmet Dermatol. 2026;25(4):e70835. doi:10.1111/jocd.70835.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41914454/

「GLP-1薬で髪が抜ける?」副作用の可能性を分析した結果とは、オゼンピックやマンジャロなどと脱毛の関係とは、「初の体系的レビュー」が可能性を指摘
https://biyouhifuko.com/news/research/15208/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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