ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

シミと光老化に勝つ、ビタミンC配合の塗り薬を使って美肌目指せる?

カレンダー2023.7.30 フォルダー最新研究

ポイント

  • ビタミンCを塗ることによる皮膚の光老化やシミへの効果が分析された
  • 皮膚がより滑らかになり、シワや色素沈着が減少すると確認された
  • 結果を得るためには、ビタミンCの長期間の使用が必要である可能性がある
ビタミンC外用剤によるスキンケアの効果は?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

ビタミンC外用剤によるスキンケアの効果は?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 スキンケア製品にビタミンCが配合されることは一般的だが、最近の研究によると、ビタミンCを配合した塗り薬を使うことで確かに光老化やシミを改善できるようだ。

ビタミンC配合の塗り薬で光老化やシミに効く?

紫外線の悪影響から肌を守るには。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

紫外線の悪影響から肌を守るには。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ヒフコNEWSでも伝えているように、日差しの強い季節、肌は有害な紫外線にさらされ、光老化が進んだり、シミができたりする。光の影響で、皮膚に存在する細胞の老化が進むなど厄介な問題を引き起こす。

※光老化はシワや乾燥、不規則な色素沈着などにつながる。

 それに対して日焼け止めなどの対策が重要だが、そうした中でもビタミンCを使った対策はポピュラーだ。アスコルビン酸として知られるビタミンCは、もともと正常な皮膚にも高濃度で存在し、紫外線のダメージから肌を守り、肌のコラーゲン生成を助けることで知られている。そのため美容のために頻繁に処方される。ビタミンCはスキンケア製品にも配合されることも多い。しかし、ビタミンC肌に直接塗る外用剤としての使用に、光老化や肝斑を防ぐ効果がどれほどあるのかはよく分かっていない部分もあるようだ。

 そこで今回、ポルトガル、ポルト大学の研究グループが、光老化とシミ(シミの中でも特に肝斑)の改善における、ビタミンC外用剤の有効性を理解するために、過去の臨床試験を分析する研究を行った。この研究では、139人のボランティアが7つの異なる研究に参加し、皮膚の検査、自己評価などにより皮膚の改善が評価されていた。

シワや色素沈着を減らす効果

シワやシミを防ぐ。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

シワやシミを防ぐ。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 こうして分かったのは、ビタミンCの外用剤を塗られた肌はより滑らかになり、しかもシワが少なくなり、色素沈着が減るということである。しかし、ビタミンCの使用、不使用にかかわらず、外用剤を塗ることによる保湿効果には差はなかった。

 研究グループは、シワの改善や色素沈着の改善が観察されたものの、より明らかな効果を得るには、ビタミンCの長期間使用が必要かもしれないと推測している。このような効果を得るためのビタミンCの最適な濃度を確かめるためには、さらなる研究が必要だという。

 ビタミンCを含むスキンケア製品を使う時に、このような研究を参考にして良いかもしれない。

参考文献

Correia G, Magina S. Efficacy of topical vitamin C in melasma and photoaging: A systematic review. J Cosmet Dermatol. 2023 Jul;22(7):1938-1945. doi: 10.1111/jocd.15748. Epub 2023 May 2. PMID: 37128827.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37128827/

紫外線が肌に与える影響を知る、肌が「皮」のように厚く、老化との関連も
https://biyouhifuko.com/news/research/2631/

SPF信じて大丈夫?ハーバード大が教える日焼け止めの新常識
https://biyouhifuko.com/news/research/2661/

美肌の新たな守り神は「YBX1」? 日光と光老化プロセスの科学、資生堂が発表
https://biyouhifuko.com/news/research/2287/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。