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「よれない日焼け止め」開発、資生堂が発表

カレンダー2024.1.14 フォルダー最新研究

ポイント

  • 資生堂が、塗布膜の「傷」や「よれ」を自動的に修復する日焼け止めの技術を開発
  • 手や指で塗布膜が薄くなって、UV防御機能が低下する問題を解決
  • 今後は、ベースメイク製品やリップ製品への応用も可能
日焼け止め。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

日焼け止め。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)日焼け止め。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2024年1月9日、資生堂が、肌に安定的な塗布膜を保つことのできる日焼け止めの「オートリペア技術TM」を開発したことを発表した。

進化する日焼け止め

日焼け止めの塗布膜にできた傷が修復される仕組み。(出典/資生堂)

日焼け止めの塗布膜にできた傷が修復される仕組み。(出典/資生堂)

 資生堂の技術は次のような変遷をたどってきたという。

  • 研究開始 → UV防御研究にいち早く着手。
  • 消費者のニーズ → 日常生活から過酷なUV環境下までの肌保護。
  • 2014年 水や汗に触れることでUV防御効果が強化される技術の開発。
  • 2019年 熱によってUV防御膜が強化される技術の開発。
  • 2021年 UVを美肌光(良い作用をもたらす可視光)へ変換する技術の開発。

 日焼け止めの塗布膜が、手や指との接触や表情の動きによって薄れて、UV防御機能が低下する問題に着目。それを直す技術の開発が進められた。

自動的にミクロレベルの塗布膜のキズやよれを修復

日焼け止めの塗布膜にできた傷が実際に修復されている。(出典/資生堂)

日焼け止めの塗布膜にできた傷が実際に修復されている。(出典/資生堂)

 今回開発された技術の概要は次の通りだ。

  • 日焼け止め塗布膜の問題点 → 手指との接触や表情の動きによる「傷」や「よれ」が生じる。
  • 「オートリペア技術TM」の開発 → 独自成分を含む粉末分散剤の配合により、塗布膜に適度な流動性。
  • 修復メカニズム → 塗布膜が自動でミクロレベルの傷やよれを修復。

 こうして UV防御機能の低下を防ぎ、日焼け止めの効果を保つ。

 この技術が日焼け止めだけでなく、ベースメイク製品やリップ製品への応用も可能だという。日焼け止めの技術開発をさらに加速させ、太陽の下で活き活きと過ごせる世界を目指すと説明している。

参考文献

資生堂、自動でミクロレベルの傷やよれを修復する 日焼け止めの新技術「オートリペア技術TM」を開発
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003740

SPF信じて大丈夫?ハーバード大が教える日焼け止めの新常識
https://biyouhifuko.com/news/research/2661/

「日焼け対策」不足にアラート、「ブロードスペクトラム・耐水性」日焼け止めを
https://biyouhifuko.com/news/world/1601/

ブルーライトの影響を軽減。デジタル機器の光による肌ダメージ、シワ、たるみを防ぐコツを考える
https://biyouhifuko.com/news/research/166/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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