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美容医療施術とホームケアの融合、肝斑改善に有効、レーザートーニングと製剤の併用、ポーラ化成工業が実証

カレンダー2024.5.19 フォルダー最新研究
ホームケアを併用。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

ホームケアを併用。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ポーラ化成工業と、同社と研究提携するALOOP CLINIC&LABは、医療機関で行われる美容医療施術と家庭での製剤を使ったケアを組み合わせることで、肝斑の改善効果が高まることを発表した。

朝晩の製剤を使うホームケアを組み合わせる

レーザートーニングと組み合わせ。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザートーニングと組み合わせ。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • ポーラ化成工業→連携する医療機関と共に、医療機関での施術とホームケアを同時に行うことで肝斑の改善効果を検証。
  • 研究内容→レーザートーニング(LT)による美容医療施術とメラニン生成抑制製剤を使ったホームケアの効果を組み合わせて検証。
  • 試験方法→「LT施術単独群」と「複合ケア群」に分け、2週間ごとに6回のLT施術を実施。複合ケア群ではルシノール配合製剤を毎日塗布。

 ポーラ・オルビスホールディングスは、23年にドクターズコスメ専業のポーラメディカルを設立し、医療機関と連携して新製品の開発を進める計画を明らかにしている。

 今回は、グループのポーラ化成工業が、連携する医療機関と共に、医療機関での施術と、ホームケアを同時に行うことで、肝斑がどれくらい改善しやすくなるかを確かめた。

 研究の対象としたのは、レーザーを使ったシミやそばかすなどの色素を改善するレーザートーニング(LT)による医療機関での美容医療施術と、メラニン生成を抑えてシミやそばかすを防ぐ製剤を使ったホームケアを組み合わせる方法の効果。

 ポーラ化成工業とALOOP CLINIC & LABは、肝斑が認められる48人を対象にして12週間の試験を実施した。レーザートーニングだけを受ける「LT施術単独群」と、ホームケアも組み合わせる「複合ケア群」にグループ分けして、2週間ごとに6回のLT施術を実施。複合ケア群では、ルシノール配合製剤を朝晩のホームケアとして毎日塗布してもらった。

 試験中、皮膚科専門医は、誰がどちらのグループか知らされない状態で、参加者の肝斑の状況を評価した。

6週目以降に改善効果がはっきりと

右の複合的なケアの方が改善を示す青色が多い。(出典/ポーラ化成工業)

右の複合的なケアの方が改善を示す青色が多い。(出典/ポーラ化成工業)

  • 試験結果→両群ともに冬の乾燥やLT施術による皮膚の変化が観察されたが、ルシノール配合製剤の有害事象は報告されなかった。
  • 肝斑の改善度→6週目以降、複合ケア群の方が改善した割合が高かった。
  • 自己評価→アンケート結果で、複合ケア群は2週目から改善を実感した人の割合が高く、早期に効果が表れたことが確認された。

 このような試験の結果として、両群ともに冬の乾燥やLT施術による皮膚の変化が観察されたものの、ルシノール配合製剤を組み合わせることによる有害事象は報告されなかった。

 肝斑の改善度評価では、6週目以降、複合ケア群の方が改善した割合が高かった。また、アンケートによる自己評価でも、複合ケア群は2週目から改善を実感した人の割合が高く、早期に効果が表れることが確認された。

 現在でもホームケアを組み合わせながら美容医療施術を受けることはあるが、施術を受けた場合の根拠が確かなものは安心感があり、一般に受け入れられやすくなるだろう。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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