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レッドライトPDT、ニキビを改善効果、90%の効果を報告、海外で流行のレッドライトに薬を組み合わせ、中国の大学などが報告

カレンダー2024.6.25 フォルダー最新研究
レッドライトを使った治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レッドライトを使った治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 海外で、レッドライト(赤色光線)を使った肌の施術が流行する中で、ニキビ治療の新しい方法として「PDT(光線力学的療法)」による方法が注目されている。

 中国の大学を中心とした研究グループが2024年5月にレッドライトと薬剤を組み合わせたPDTによるニキビ治療が有効と報告している。

60%の病変が消える効果

レッドライトを肌に当てる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レッドライトを肌に当てる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • PDTは→光を当てて薬剤の状態を変化させて効果を高める治療。
  • 従来の用途→アレルギーやがんなどの治療。
  • 新しい注目→ニキビの治療。
  • 研究内容→中国の研究グループが22人を対象に「BF-200 ALAゲル」とレッドライトを組み合わせたPDTの有効性と安全性を検討。
  • 治療結果→95.5%が良好または優れた反応、60%以上の病変減少。
  • 副作用→72.7%が報告なし、6人が肌の赤みを報告。
  • 治療効果の持続期間→平均12.5カ月。

 PDTは光を当てて薬剤の状態を変化させて効果を高める治療。従来、この治療法はアレルギーやがんなどの治療で使われてきた。この治療がニキビの治療としても注目されている。

 今回、中国の研究グループは22人を対象に、「BF-200 ALAゲル」という薬剤と、レッドライトを組み合わせたPDTの有効性と安全性を検討した。

 参加者は男性5人、女性17人の合計22人で、平均年齢25.1歳。45.5%は膿が見られるニキビ、27.3%はしこりがあるニキビ、27.3%は皮脂が毛穴に詰まったニキビが見られていた。

 治療では、肌の洗浄後にBF-200 ALAゲルを薄く塗って、30分置いてからレッドライトを照射する。

 治療回数は参加者によって異なり、1回が36.4%、2回が27.3%、3回が22.7%だった。約3分の1の患者は同時にレチノイドの塗り薬を使用した。

 治療の結果、ニキビのタイプや重症度に関係なく、95.5%がPDTに良好または優れた反応を示した。60%以上の病変の減少が見られた。レチノイドを塗ることはPDTの有効性に影響を与えなかった。

 副作用については、72.7%が報告しなかった一方で、6人が肌が一部赤くなる変化を報告した。治療の効果は平均12.5カ月続いていた。

単独ではニキビへの効果は優れていない

マスクを使ってレッドライトを当てる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

マスクを使ってレッドライトを当てる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 米国メディアの紹介→レッドライトはニキビ原因菌には効果がないが、炎症や傷跡に対する効果があると紹介。
  • 研究途中の位置づけ→レッドライト単独のニキビ効果は研究途中。
  • 今後の注目度→研究が進むにつれてニキビ治療法としての注目度が高まる可能性。
  • ニキビ以外の効果→他の肌効果についても研究されている。

 PDTは薬と組み合わせた治療だが、レッドライトだけを使った施術が海外で流行している。米国のメディアでは、ニキビ原因菌に効果はないが、炎症や傷跡に対する効果があると紹介されている。

 中国の研究グループが21年11月にレッドライトのニキビ治療に対する効果を美容皮膚科の論文で報告した。これによると、13の過去の研究の結果が分析され、その結果、レッドライトを使った治療は、従来の治療法よりも優れた効果を示さなかったと結論付けられた。

 レッドライトについては注目され、日本でも導入しているクリニックが見られる。レッドライト単独でのニキビへの効果については、研究結果を見ると、研究途中の位置づけといえるだろう。一方でPDT治療の効果も従来注目され、今回新たに研究結果が報告された。研究が進むにつれて、ニキビの治療法として注目度はより高まってくるかもしれない。

 また、ニキビ以外の肌の効果についても研究されているので、ヒフコNEWSでも注目していく。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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