今年の夏も猛暑日が多く、強い日差しを受ける時間が長かったという人も多いだろう。そうした場合、秋と冬に向けて焼けた肌のアフターケアをすることが重要だ。
米国形成外科学会(ASPS)が2024年9月に、肌の光やレーザーなどを使った治療についてポイントを解説した。
夏の日差しが皮膚にもたらす影響と治療の必要性
夏は、日差しの下で過ごす時間が増え、皮膚に大きなダメージを受けやすい。米国形成外科学会が発表した最新のレポートによれば、紫外線(UV)による日焼けや色素沈着、さらには皮膚がんのリスクは、日焼け止めを適切に使用していても避けられない場合がある。こうした夏の影響を受けた肌を秋冬に向けて整えるために、光やレーザーによる美容施術の出番となる。
同学会の形成外科医であるカレン・ホートン氏によると、「日焼け後の色素沈着やダメージは、特にメラニン量の多い肌に明らかで、夏の終わりには多くの人が治療を求めて来院する」と述べている。こうした場合、光治療(インテンス・パルス・ライト、IPL)やフラクショナルレーザーの一種である「Clear+Brilliantレーザー(商品名)」による治療が適しているという。
ホートン氏は、IPL治療は、主に色素沈着や日焼け斑、赤ら顔、毛細血管のダメージの治療に適すると説明している。特に明るいトーンの肌の人に効果が高く、3~4回の治療が望ましいという。IPL治療は、治療後に日光を避けることが重要なため、秋や冬に行うのが好ましい。
一方、ホートン氏によると、Clear+Brilliantレーザー治療は、よりダークトーンの肌の人の色素沈着に効果を発揮しやす。ホートン氏は、「このレーザー治療は、医療用スキンケア製品や処方薬と一緒に使うことで、より効果的に皮膚の再生を促すことができる」と説明している。治療後は紫外線を避けることが求められ、秋冬のタイミングが良い。
治療法の効果と秋冬の治療スケジュール
学会によれば、夏に皮膚が受けるダメージへ効果的に対処するために、季節に応じた治療が肝心だ。
IPLやClear+Brilliantレーザー治療は、適切なスケジュールで行うことで、シミや色素沈着、小ジワの改善に役立つ。また、治療後は紫外線対策が極めて重要で、特に治療後の数週間は日焼け止めの徹底した使用や、帽子、サングラス、UVカットの衣服を身につけることが求められる。
さらに、抗酸化作用のあるビタミンCセラムを朝に使用し、夜にはコラーゲン生成を促進するレチノール製品を使うなど、日常のスキンケアルーティンも非常に重要になる。
こうしたケアによってレーザー治療の効果が長期間持続しやすくなり、肌の健康を保つことができる。ホートン氏は、「治療の効果を引き出すには、日常的なスキンケアが欠かせない」と強調している。
日焼け後のアフターケアとしてこのような海外のアドバイスを参考にできそうだ。