美しさを底上げしてくれる美容医療。
世の中にはさまざまな治療やクリニックがあり、自分にあった施術を見つけるのが難しい…という方も多いのではないでしょうか? そんな時は1人で悩むのではなく、その道のプロに聞いてみるのがおすすめです。
そこで、美容ヒフコ編集部の美容マスターが実際にお悩みをもつ女性の肌や顔の状態をチェック。
2回目となる今回は、フェイスラインのたるみにぴったりのHIFUやヒアルロン酸注入施術について教えてもらいました。
前編はこちら!↓
【お悩み2】フェイスラインのたるみが気になる
今回の相談者 Aさん(30代後半)
悩み
1)頬の赤み・ニキビ跡
2)フェイスラインのたるみ
今回の美容マスター 美容ヒフコ編集部Y
美容医療機器メーカーや美容クリニックなど、美容医療業界での勤務経験が15年以上ある自称美容医療村の長老。
レーザー治療の黎明期から業界にいて、医師を相手にマシンの使い方をトレーニングしたり、学会に出席したりしていたため、美容医療に関する知識が豊富で、マシンや治療法の変遷といった歴史にも詳しい。
今回は2つ目のお悩み、フェイスラインのたるみについての相談の様子です。
美容ヒフコ編集部Y(以下Y):前回は頬の赤みやシミが気になるとのことでしたね。もう1つのお悩みがフェイスラインのたるみとのことですが、どのように気になっていますか?
Aさん(以下A):もともと下膨れの輪郭のため、特に顔の下半分がパンパンに見えるのが長年の悩みでした。また、年齢を重ねていくごとに、フェイスラインのたるみ・もたつきも気になるようになってきました。
Y:なるほど!それでは、実際に顔の様子を見ていきましょう。
実際に顔の状態をチェック!
Y:たるみが気になるとのことですが、実際に見たところそこまで気になりません。ただAさんは下顔面の脂肪が厚めなので、このまま年齢を重ねると重力で脂肪が下垂してたるんできてしまうかもしれませんね。頬のあたりの脂肪が下がるとフェイスラインがたるんでくるのはもちろんですが、ほうれい線やマリオネットラインといった口元のたるみが起こりやすくなるので、注意が必要かもしれません。
A:えーそれはショックです!今のうちにどうにかしておく必要がありますね…。
Y:あとは顎下のたるみが少し気になりますが、もしかするとこれはむくみかもしれません。自宅でしっかりむくみケアを行うだけでも、フェイスラインがスッキリすることもあるので、試してみるといいと思いますよ。
A:たしかに小顔矯正に行くと1度で顔がスッキリするので、むくみやすいという自覚があります。
Y:顔だけでなく全体の代謝が悪い可能性もあるので、リンパを流したりマッサージで全体をほぐしたりもいいでしょう。たるみというとHIFU(ハイフ)やRFといったたるみ治療用のマシンや、糸リフトなどの治療を第一選択に持ってくる方もいらっしゃいますが、リンパの滞りを解消するマッサージやインディバのように血流やリンパの流れを促進するようなマシンでのケアでむくみを取るだけでも印象は変わったりします。
ただ長期的な効果やむくみをスッキリする以上にたるみを改善したいと思うなら美容医療でないと難しいので、自分がどこまでの効果を求めるのかという部分は考えておいたほうがいいと思いますよ。
A:むくみを取るだけならエステで、たるみを根本的に改善したいなら美容医療ということですね!
フェイスラインが気になる方に最適な施術とは?
A:フェイスラインのたるみが本格的に気になった時には、どんな治療がおすすめですか?
Y:たるみにしっかりアプローチしたいという方には、HIFUがおすすめです。あとは予防的な意味で行う場合には、こめかみや小鼻にヒアルロン酸を注入するのもいいでしょう。
それぞれの施術については、この後詳しく紹介していきます。
2021.09.09
2020.09.30
HIFU
HIFUは超音波エネルギーを狙った深さに点状に照射できるリフトアップを目的としたマシンのことです。
たるみ治療機の中では最も深いとされているSMAS(表情筋膜)層まで加熱することが可能なため、肌を土台から引き上げるリフトアップ効果が高いことから爆発的な人気となりました。
狙った深さだけにダメージを与えて、周りの組織を傷つけないため、ダウンタイムもほとんどないとされています。また、施術後から数カ月にわたってダメージを受けたコラーゲンが修復しようとさらに新しいコラーゲンが増殖していくことで、肌のハリや弾力が向上するといった効果も期待できます。
A:HIFUの中にも色々な種類がありますが、どのように選ぶといいのでしょうか?
Y:まず、エステではなくクリニックでの施術を断然おすすめします。HIFUはたるみを改善する効果が高いということは顔の形を変えられる程の強力なパワーがあるといえます。そのため、打ち方や打つ場所が適切じゃないと、かえって老けて見えるようになったり、顔のバランスが崩れてしまったりと取り返しのつかない結果に繋がる可能性もないとは言えません。
A:それはこわいですね!
Y:例えば、HIFUを受けたことで頬がこけてしまったと思っても、こけた頬を修復するには引き締めるより更に時間とお金がかかる施術が必要です。
エステのHIFUではそこまでのパワーはないかもしれませんが、パワーがないということは効果も半減するということでもあるので、余計にエステで受ける意味はありませんよね。
施術を受けて後悔してからでは遅いので、HIFUを受けたい場合はクリニックを選ぶようにしてください。
A:そうなんですね。クリニック選びのコツはありますか?
Y:クリニックの中でもドクターが施術をしているところの方が安心だと私は思っています。たるみ治療はデザインがとても重要なので、顔の解剖学をしっかり理解している形成外科のドクターが打つと効果が高いとも言われています。
A:美容医療を取り扱っているクリニックの中でも、形成外科のドクターが在籍しているところを狙うといいんですね。勉強になります。
Y:またHIFU機器はさまざまなメーカーが製造しており、特徴も異なります。HIFUの中でも代表的な3つがウルセラ、ウルトラセル、ウルトラフォーマーです。それぞれの特徴については、こちらにまとめましたが、ひとつずつ説明していきます。
A:よろしくお願いします!
ウルセラ
Y:日本の厚生労働省にあたるアメリカのFDAの承認をリフトアップという項目で唯一受けており、美容医療のHIFU機器の元祖となります。当初はウルセラ社が製造販売を行っていましたが、今はドイツのメルツ社に買収されました。HIFUは深い部分まで作用するため、へたすると神経を損傷するリスクもあるのですが、メーカーによる照射を避ける部位などの細かいガイドラインが作成されているとともにしっかりとしたトレーニングが必須となっているという点でも安心感があります。
また、HIFUの中ではウルセラだけがドクターしか施術が許されていないため、必ずドクターによる施術が受けられるという利点もあるようです。
A:ウルセラは歴史があり、安心して施術を受けることができそうですね!
Y:はい!ただし、10数年前から機械のアップグレードがされていないせいか、HIFU機器の中ではダントツに痛みが強いといわれています。ですので、ウルセラとほかのHIFU機器を2台持ちしているクリニックも多いです。痛みに弱い方は注意が必要かもしれません。
ウルトラセル
Y:韓国のJeisys Medical(ジェイシスメディカル)社のHIFU機器です。ウルトラセルQプラスという機器でリニアカートリッジという新しいカートリッジが最近リリースされました。通常HIFUは点状に熱を照射しますが、リニアは線状に照射できるため加熱範囲が広いのが特徴です。脂肪細胞〜真皮までをキュッと引き締める力が強く、フェイスラインの引き締めや小顔への効果が高いと言われています。最近SNSでも話題の施術で、美容垢の人からも評判が高い治療です。
A:私のように、たるみが気になる方にぴったりということですね!
Y:そうですね。今回紹介している3つのHIFUの中でも、Aさんに1番あっていると思います。ただリニアは、他のHIFUに比べて持続性が低いとも言われています。通常HIFUは1度行うと、半年から1年ほどもつと言われていますが、リニアカートリッジの場合はまず2週間に1度のペースを合計3回続けて行うことが推奨されています。治療費は比較的手頃ですが、効果を感じるまでに時間がかかるので、それがネックになる方もいるかもしれませんね。
ウルトラフォーマー3
Y:普通のHIFU機器にもありますが、ウルトラフォーマーは皮膚の浅い部分に作用するハイフシャワーという照射方法が人気です。リフトアップ目的ではなく、肌の緩みを引き締めたり、ハリを取り戻したりといった効果で、肌質改善にも効果があると言われています。たるみというよりは最近ちょっと疲れ顔になってきたかも?というようなたるみの初期症状などに適しているといわれています。
A:たるみだけでなく、肌の改善も同時に行いたい場合にはウルトラフォーマーがよさそうですね!
▶ウルトラフォーマー3の効果や特徴、注意事項について詳しく見る
ウルトラフォーマー3の治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
ヒアルロン酸注入
A:たるみの予防には、ヒアルロン酸注入がおすすめとのことでしたが、どんな効果があるのですか?
Y:加齢によって凹みが出てくるこめかみや小鼻といった靭帯を支えるポイントに、少量ヒアルロン酸を注入することで、たるみを防止する効果が期待できます。Aさんの場合ヒアルロン酸を1ml注入するだけでも、だいぶ顔の印象が変わると思いますよ。
例えばこめかみの凹んでいる部分に注入したイメージがこんな感じだと思います。(こめかみを押さえて少し引き上げる)
A:すごい!こめかみを持ち上げるとほうれい線が薄くなるなんて知りませんでした!
Y:ヒアルロン酸を予防的に注入しておくことで、ほうれい線が深くなったり顔全体が下がってきたりすることを予防できるというのが最近主流の考え方です。一度下がってからヒアルロン酸で無理にあげようとすると、よくネットなどでも騒がれているような「ヒアルロン酸顔」になってしまうこともありえます。できてしまったシワを消すことよりは「シワをできなくする」ことに力を入れたほうが、断然年齢を重ねてからの見た目がキレイですし、トータルでかかる費用も安く済むと思います。
A:たるみの予防的な意味でも挑戦したいと思います。でも、ヒアルロン酸は時間が経つと溶けると聞いたことがあるので少し心配です。実際はどうなのでしょうか?
Y:ヒアルロン酸は永久ではないですが、今は長いもので2年くらいは持つといわれています。
溶けることがデメリットだと思われがちですが、実は溶けるから安心なんです。異物を一生皮膚の中に入れておくことはむしろ危険です。溶けない製剤を使用すると加齢とともに皮膚が薄くなったりたるんだりした時に、見た目にどのような影響が出るかがわからず、また、年月が経ってから皮膚内部で炎症が起きたりする危険性もあります。ヒアルロン酸は体内で分解されるからこそ安全だと考えています。
ヒアルロン酸注入は仕上がりがドクターの腕に左右されやすいので、どこのクリニックで治療をするかも、しっかり見極めることが大切ですね。
A:わかりました!ありがとうございます。今回Yさんに顔や肌の状態を見ていただき、参考になることがたくさんありました。本日はありがとうございました!
ヒアルロン酸注射の治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
運命の美容医療に出会うためには、まずは自分を知ること!
自分のお悩みにダイレクトにアプローチできる美容医療。
金額や時間などもかかるため、無理なく自分にできる範囲で上手に付き合っていくことが大切です。
また、どのような治療やどこのクリニックを受けるかも重要なポイントになります。今回の情報を参考に、自分にあった方法を見つけて、美しさをキープしていきましょう!
前編はこちら!↓