シミの状態は人によって異なります。どんな治療方法を選べばよいのか、クリニックに通っていても今の治療方法が自分に合っているのかなど、不安や迷いを抱えている人も多いのではないでしょうか。
主な治療方法は3つです。
- ターンオーバーを促してメラニンを排出
- メラニンを少しずつ排出
- メラニンを破壊
具体的にどのような治療法なのでしょうか。
今回は、シミの治療方法や費用・回数・期待できる効果など、重視する条件別に選び方のポイントを比較しながら解説します。
シミ治療の方法3つを紹介!
シミ治療には大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴や、代表的な治療方法を見ていきましょう。
アプローチ①ターンオーバーを促してメラニンを排出
ターンオーバーが乱れ、メラニンが肌の表面に留まると、シミが目立ちやすくなります。初期の淡いシミに有効とされているのがピーリングです。ターンオーバーが活性化され、古い角質が剥がれやすくなることでシミの改善が期待できるのです。
ピーリングに使用する薬剤は複数存在します。取り扱っている薬剤が多いクリニックであれば、シミだけでなく毛穴やたるみなど、自分の肌悩みに合ったピーリングを選べます。
アプローチ②光治療・レーザートーニングなどで徐々に改善
現在、シミ治療で主流となっている方法は、弱い出力に設定したレーザーや光治療を照射してメラニンにダメージを与えるというもの。メラニンを細かくすることで排出されやすくして、シミを改善していくのです。
光治療やレーザートーニングは、シミ治療だけでなく、くすみや毛穴・ハリ感UPなども期待ができます。肌全体のケアもしたい人におすすめの方法です。
アプローチ③高出力のレーザーで目立つシミだけスポット治療
高出力のレーザーをピンポイントで照射する方法は、ほとんどの場合1回で改善できることが多いです。レーザーはメラニンの黒い色素にだけ反応するので、シミ周囲の正常な組織にダメージを与える心配がありません。照射後数日でシミの部分はかさぶたになり、1週間〜10日前後で自然に剥がれ落ちます。
近年ではさまざまなレーザーが登場し、シミの状態に合わせて使い分けられるようになってきています。
シミ治療の選び方は?
シミ治療で一番重要なのは「医師の診断」です。もし自分が希望する治療があったとしても、シミの種類や体質によっては適応にならないものもあります。この診断結果を元にして効果・ダウンタイム・施術回数・費用の4つを比較し、自分にとって優先度の高い条件を基に決めるとよいでしょう。
選び方①効果を優先してシミ治療を選ぶ
「絶対に取りたい目立つシミがある」「瘡蓋や色素沈着などのリスクも覚悟している」など、効果を最優先したい場合は、
- ダウンタイムを取れるようスケジュールを調整
- 定期的に通院するスケジュールを確保
- 紫外線の影響を受けにくい時期に治療を進める
といった点に注意しつつ、効果が高いとされている治療に挑戦すると、満足度の高い結果を得やすいです。
選び方②ダウンタイムを優先してシミ治療を選ぶ
治療方法によっては、かさぶたや腫れ、塗り薬やテープ保護等のダウンタイムが必要になります。
接客業など人前に出る仕事の人や、シミ治療をしたことを悟られたくないという人向けに、ダウンタイムがほとんどない施術もあります。しかし、ダウンタイムが少ない施術は、効果の感じ方が緩やかになることも。通院回数が多くなる可能性も高いので、選ぶ際はクリニックでよく相談すると良いでしょう。
選び方③施術回数が少ないことを優先してシミ治療を選ぶ
小さいお子様がいる方や、仕事が忙しかったりして時間が取りにくい人は、シミ治療のためとはいえ、何度もクリニックに通うのは難しいかもしれません。治療方法を選ぶときは、必要な施術回数にも注目が必要です。
選び方④費用が安いことを優先してシミ治療を選ぶ
シミ治療は「高ければ良い」という訳ではなく、自分の症状にぴったりの方法を選ぶことが大事なポイントです。できるだけ安くすませたい、少ない金額で始めたいという人は、自分が出せる費用内で、どのような効果が期待できるか納得のいく説明をしてくれるクリニックなのか、という点も合わせて検討することをおすすめします。
シミの改善効果が高い治療を比較!
シミ治療に求める効果は人それぞれです。シミを早く改善したい人もいれば、時間は多少かかってもいいので徐々に目立たなくしたい人もいるでしょう。
ここでは、シミ治療の方法を効果の高い順に紹介します。
レーザー(Qスイッチレーザー・ピコレーザーによるスポット治療など)
部分的に目立つシミに向いている治療方法です。照射した部分は数日でかさぶたになり、数週間後には自然に剥がれ落ちますが、その下では健康な肌が作られています。治療方法はQスイッチレーザーやピコレーザーによるピコスポットなどがあります。
光治療
IPLと呼ばれる広い波長を持つ光を光をシミに照射して治療する方法です。レーザーよりも肌の浅い層へ作用します。
シミだけでなく、肌の赤みやソバカス、赤ら顔など、様々な肌トラブルを同時に、穏やかに改善する効果が期待できます。
トーニング
シミの中でも、特に肝斑や炎症性色素沈着に向いている方法です。弱い出力でシャワーのようにレーザーを照射するので、健康な肌にダメージを与えず、シミだけを目立たなくします。また、肌にハリを与え、くすみを改善してトーンアップも期待できます。
ピーリング
古い角質や汚れを薬剤で剝がれやすくし、ターンオーバーを正常なサイクルへ導きます。時間はかかりますが、メラニンで色の濃くなった肌細胞の排出を促し、初期のシミを徐々に薄くします。
【シミ改善効果について】
シミ改善効果が高いのはレーザー治療です。浅い部分から真皮層にあるシミまで、出力を調整しながらレーザーを照射することで、より確実な効果が期待できます。
ダウンタイムが短いのは?シミ治療方法を比較!
美容医療には施術後の赤みやほてり、腫れなどのダウンタイムがつきものです。しかし、治まるまで誰にも会わずにいるのはなかなか難しいでしょう。
そこで、できるだけダウンタイムの短い方法を知りたい人のために、シミの治療方法を短い順に並べてみました。
1位 トーニング
レーザーを低出力で照射するレーザートーニングは、施術後に赤みや腫れ、ひりつきなどが出やすいですが、数時間で落ち着くことがほとんど。メイクや洗顔、シャワーなども、症状が治まれば基本的に当日から可能です。
ただし、施術後は敏感になっているので、保湿と紫外線対策をしっかり行い、徹底的に摩擦を与えないスキンケアを心がけると良いでしょう。
2位 ピーリング
ピーリングは「皮膚を剥く」と思われがちですが、実際には古くなった角質を剥がれやすくなるものなので、施術直後の目立つ皮剥けはほとんどありません。ダウンタイムも当日に赤みやひりつきがある程度で、数時間で治まります。
一時的に角質層が薄くなるので、施術後の保湿と紫外線対策は必須になります。徐々に皮剥けや乾燥等が気になるケースが多いため、ヒアルロン酸やセラミドなど、保湿成分配合のホームケアを併用すると良いでしょう。
3位 光治療
光治療の場合、赤みやほてりは数時間で治まりますが、施術後数日から1週間ほどでシミが浮いたように濃くなることもあります。少しずつ自然に剥がれていきますが、それまでは無理に剥がしたり、刺激しないよう注意が必要です。
他の施術と同様、肌への刺激を避け、しっかり保湿するケアが大切になります。
4位 ピコレーザー(ピコスポット)
1回の照射時間が従来のレーザー(10億分の1秒)より短いピコ秒(1兆分の1秒)なので、熱エネルギーの影響を受けにくく、肌負担も少ないため、戻りジミになりにくいと言われています。基本的にテープ保護は不要ですが、シミの部位や状態によっては保護テープを使用することも。
照射後の入念な紫外線対策と摩擦を避けるスキンケアも、治療効果を左右する大きなポイントとなります。
5位 Qスイッチレーザー
Qスイッチレーザーはシミ除去に高い効果があるとされていますが、ダウンタイムの時間もその分長めです。照射した部位には軟膏を塗り、1週間から10日ほど肌色のテープで保護します。この間、テープは基本的に貼ったままにしておくことが必須になります。
照射後24時間は、患部を水に濡らさないよう注意が必要です。
【シミ治療のダウンタイムについて】
ダウンタイムがほとんどないレーザートーニングなら、仕事や友人との約束等、人前に出ることを気にせず施術を受けられます。シミ取りレーザーなどのダウンタイムが長い方法は、ある程度まとめて休みを取れる、家にいられるという人に向いています。
施術回数が少ないのは?シミ治療方法を比較!
クリニックに通う時間がなかなか取れない、何度も通いたくないという人は、効果が感じられるまでに必要な施術回数も知っておきたいものです。
ここでは、シミ治療を少ない回数順に並べました。
1位 ピコレーザー(ピコスポット)
ピコレーザーを使用してシミを狙い撃ちするピコスポットは、ほとんどの場合1回の照射でシミを取り除くことができます。肝斑には不向きですが、色の薄いものやソバカスなど、さまざまな状態のシミに対応可能です。
2位 Qスイッチレーザー
Qスイッチレーザーはメラニンに反応しやすく、高出力で照射するため、効率よくシミを除去できます。ピコレーザー同様、1回の照射でほとんどのシミ治療が可能です。
3位 光治療
フォトフェイシャルなどの光治療は、さまざまな波長の光エネルギーを照射します。シミやソバカスの治療だけでなく、肌のコンディション全般を整えるとされています。しかし、特定の症状を改善する効果はレーザーほどではありません。そのため、1ヶ月ごとに4~6回以上の照射が必要になるのです。
4位 ピーリング
ピーリングは肌のターンオーバーを促し、古い角質を剥がれやすくする施術です。徐々に肌細胞を入れ替えるため、シミに対する即効性はありません。回数の目安は、2週間〜1ヶ月に1回のペースで4〜6回以上です。
5位 トーニング
弱い出力のレーザーを照射し、メラニン排出を促すトーニングは、少なくとも2~4週間に1回のペースで5~10回の施術が必要とされています。Oスイッチやピコスポットなどのレーザーよりもマイルドに作用する分、施術回数は多めになります。
【シミ治療に必要な回数について】
回数が少なく済みやすいのは、効果が高いとされる方法(レーザー)と同じでした。シミだけでなく、時間がかかっても肌全体を整えたい人には、光治療やトーニングがおすすめです。
費用が安いのは?シミ治療方法を比較!
美容医療は、基本的にすべて自己負担です。このため、同じ施術でもクリニックによって料金設定が異なることもあります。
ここでは、できるだけコストをかけたくないという人のために、シミ治療の方法を費用の相場が安い順に紹介します。
1位 Qスイッチレーザー
レーザーによるスポット治療の場合、シミの大きさで料金が変わってきます。1mm×1mmごとに決まっていたり、一定の大きさまでで一律の価格になっていたりと、クリニックによってさまざまですが、5mm以下のシミで5,000円ほどが相場です。また、別途初診料や再診料などの費用が必要になることもあります。
2位 ピコレーザー
ピコレーザーはQスイッチレーザーよりも少ない肌負担でシミを細かく分解し、排出しやすくします。導入しているクリニックが限られているというデメリットはありますが、1回あたりの費用は、直径5mm以下のシミで1~2万円のところが多いです。
3位 ピーリング
ピーリングは使用する薬剤によって料金が異なります。1回あたり10,000~15,000円ほどが一般的ですが、シミに変化を感じられるまでには4〜6回以上の施術が必要なため、総額は4~8万円ほどです。
4位 トーニング
レーザートーニングもシミを徐々に改善していくため、施術回数は5~10回ほどが望ましいとされています。1回あたりの費用はレーザー治療とあまり変わりませんが、必要となる回数が多いため、総額で10~20万円ほどが一般的です。
5位 光治療
光治療でシミを改善するなら、1ヶ月に1回のペースで4~6回の施術が必要です。顔全体をケアできるというメリットはありますが、その分費用は高額になります。肌状態によっては必要回数が多くなることもあるので、15~25万円ほどかかることもめずらしくありません。
【シミ治療の費用について】
一回あたりの費用は、どの方法もそこまで大きな違いはありません。しかし、施術回数によって総額には差が出てきます。費用を重視するなら、施術回数も合わせて検討する必要があります。
自分に合うシミ治療を選びましょう
シミにはさまざまな治療方法があり、自分の条件に合わせて選べるようになりました。しかし、大切なのは自分のシミに合った治療方法を選択することです。シミの悩みを改善して美肌を手に入れるために、まずはクリニックで相談してみましょう!