シミ・そばかす、そして肝斑は、メラニンが原因というのは同じでも、それぞれに効果的な治療法があります。
放っておいても自然に治る、というものでもありませんから、適切なケアを早く始めることが、改善への近道です。

シミ,そばかす

鏡を見るたびに気になる、シミやそばかす。肌の透明感を損なうだけでなく、気持ちまでモヤモヤさせる存在です。特に、晩夏から初秋は、「こんなところにもシミが出てきた…」「子どもの頃からのそばかす、なんか濃くなってきたような…」なんて、悩みが深まる季節です。気付いたときが始め時。症状に合った方法で、効率的にケアしたいですね。

シミやそばかすができる仕組み

シミやそばかすができる仕組み

原因はメラニン

シミ・そばかすの正体は、メラニンです

肌が紫外線を浴びると、表皮の最下層にある基底層という部分で、メラニンを作る細胞「メラノサイト」が活性化し、黒い色素、メラニンが大量につくられます。このメラニンには、紫外線を吸収するという性質があり、肌を黒くすることで紫外線が真皮に届くのをブロックするという働きを持っています。

肌のターンオーバーが正常であれば、メラニンは表皮細胞ごと肌表面まで押し上げられて、やがては垢となって排出されます。

ところが、メラニンの生成が過剰だったり、ターンオーバーが乱れていたり、表皮細胞に異常があったりすると、部分的にメラニンが排出されずに、肌の中に残ってしまうことがあり、シミやそばかすとなります。

紫外線が大敵

シミ・そばかすの原因であるメラニンは紫外線から肌を守るために作り出されるため、肌が紫外線を浴びる限りは増え続けます。

夏の終わりから秋の初めの頃に、急にシミやそばかすが増えた、濃くなったと感じるのは、夏の間の強い紫外線がメラニンを増やすからなのです。

ターンオーバーの乱れにご用心

通常は肌のターンオーバーによって体外に排出されるメラニンですが、ターンオーバーが乱れると表皮に滞留して、シミやそばかすを悪化させます。

ターンオーバーが乱れる原因として、加齢やストレス、ホルモンバランスの乱れがよく言われます。また、紫外線や乾燥といった外側からの刺激も、あなどれません。

シミ、そばかす 違いは何?肝斑の可能性も!

シミ、そばかす 違いは何?肝斑の可能性も!

シミもそばかすも表皮のメラニンが原因ですが、違いは何でしょうか?

シミ

医学的には「老人性色素斑」や「日光黒子」といいます。“老人性”なんて言われるとショックですが、加齢によってターンオーバーの周期が長くなると、メラニンが肌に滞留しやすくなります。排出されなかったメラニンが円形・楕円形に茶色くなって現れるのが、シミです。

色がはっきりとしており、頬やこめかみなど、紫外線が当たりやすい場所に多く現れます。また、顔だけでなく手の甲やデコルテなど体にも現れます。

そばかす

小さな斑点が集まっている様子がスズメの卵の模様に似ていることから「雀卵斑(じゃくらんはん)」とも呼ばれます。薄い茶褐色の細かい斑点が、鼻を中心に広範囲に広がっている状態のことを言います。

先天性・後天性があり、先天性のものは遺伝の影響があるとも言われ、早ければ幼少期から現れます。後天性のものは紫外線が原因です。

また、シミの一種ではありますが、特別なケアが必要な症状として「肝斑」があります。

肝斑

頬骨や額の辺りに左右対称にベタッと広がる茶褐色のシミのことを言います。

女性ホルモンや摩擦などの刺激が原因だと言われていますが、紫外線で濃くなることも分かっています。

 

シミ

そばかす

肝斑

原因

紫外線

加齢

先天性…

体質、遺伝
紫外線で濃くなる

 

後天性…紫外線

女性ホルモン

摩擦などの刺激

(まだ不明点が多い)

 

紫外線で濃くなる

発症年代

20代~

先天性のものは5,6才ごろから思春期にかけて

後天性のものは20代~

30代~

できる部位

頬、こめかみなど

手やデコルテなど体にも

(紫外線がよく当たる場所にできやすい)

鼻を中心に、頬にかけて

頬骨や額のあたりが多い

見た目

大小さまざま

地色の肌との境界がはっきりしている
左右対称性はない

細かい(概ね直径5mm以下)数が多い
ポツポツと点を打ったように集まっている

色が薄く、地色の肌との境界がわかりにくい

左右対称に現れる

輪郭がぼんやりしている

 

この他に、メラニンが真皮層に入り込んで発生するADM(後天性真皮メラノサイトーシス)も、シミや肝斑との見分けがつきにくい疾患です。

これらは判別が難しく、混在していることもあるので、自己判断は禁物です。皮膚科専門医による診断を受けた上でケアすることが大切です。

予防のためのセルフケア

予防のためのセルフケア

日頃から対策することで、シミ・そばかすが増えたり濃くなったりするのを予防することができます。

スキンケア

朝晩のスキンケアに、美白有効成分を含む美容液などをスキンケアに取り入れるとよいでしょう。美白有効成分とは、「メラニンの生成を抑えてシミやそばかすを防ぐ効果がある」として国が認可しているもので、ビタミンC誘導体・トラネキサム酸・コウジ酸・アルブチンなどがよく知られています。これらの美白有効成分が一定濃度配合されている製品には「薬用」「医薬部外品」という表示があり、安全性とシミやそばかすに対する予防効果が認められているものになるので、選ぶ際の参考にしてみてください。

サプリメント

タブレットやドリンクで体の内側からのケアをすることで肌が元気になり、シミ・そばかすの予防効果UPも期待できます。

成分

作用

ビタミンC
(アスコルビン酸)

・メラニンの生成を抑制
・メラニンを淡色化する

・新陳代謝を高めてメラニン排出を促進

プラセンタ

・メラニンの生成を抑制
・新陳代謝を高めてメラニン排出を促進

また、「飲む日焼け止め」もシミ・そばかす予防に一役買ってくれます。

紫外線を浴びると、体内では活性酸素が大量に発生して、細胞を傷つけます。この活性酸素から肌を守るために、メラニン色素が作り出されます。

「飲む日焼け止め」は、強い抗酸化作用を持つ成分(ファーンブロック、ニュートロックスサン等)で活性酸素を破壊して、メラニンの発生を抑える効果があるとされています。

紫外線そのものを防ぐ作用は無いので、後述する紫外線対策もお忘れなく。

紫外線対策

外出時に日焼け止めをしっかり塗るのはもちろんですが、室内にも紫外線は差し込んできますから、家の中でも忘れずに使用しましょう。

目から入る紫外線が肌にも影響を与えることがわかっています。目からの紫外線を脳が察知すると、直接紫外線を肌に受けたときと同様にメラノサイトが活性化、メラニンが増えるのだそうです。UVカットレンズを使ったメガネやコンタクトレンズ、サングラスなどで、目も紫外線から守りましょう。

帽子や日傘で日光に当たること自体を避けるのも有効です。

早め早めにケア クリニックでできるシミ・そばかす・肝斑治療

早め早めにケア クリニックでできるシミ・そばかす・肝斑治療

セルフケアでは、予防という点では一定の効果を期待できます。

しかし、一旦できてしまったシミ・そばかすを消すためには、クリニックで治療を受けるのが効果的だと考えられています。

飲んで塗って 薬での治療

クリニックでは、医師の処方が必要な、効果の高い内服薬・外用剤による治療が受けられます。

内服薬の場合、成分はサプリメントにも配合されているビタミンCや、医薬品であるトラネキサム酸、L-システインなどですが、市販のものと比べて処方薬は含有量がグンと増えるので、その分効果を早く得られることが期待できます。外用剤では、メラニン産生を抑制する効果が高く、メラニンを淡色化できることから「肌の漂白剤」とも言われるハイドロキノンと表皮のターンオーバーを促進してメラニンを排出させるトレチノインの併用療法がシミや肝斑の治療に推奨されています。

ハイドロキノンもトレチノインも、高い効果が期待できる反面、赤みや皮むけなどの副作用が起きることもあります。定期的に通院して、肌状態を診てもらいながら治療を継続することが大切です。

また、医療機関専売化粧品ブランドの美白クリームを毎日のお手入れに取り入れるのもよいでしょう。

こちらのページも参考になさってください。

薬での治療には、月単位の時間がかかります。

とにかく早く改善したい、という場合には、ピーリングやレーザー、光治療といった治療法もあります。

ピーリング

肌の表面に溜まった古い角質を取り除いてターンオーバーを促進し、メラニンの排出を早める治療です。

シミやそばかすには、グリコール酸やサリチル酸、乳酸などの薬剤を塗って余分な角質を溶かすケミカルピーリングと、ビタミンCやトラネキサム酸といった美白有効成分を肌の奥まで浸透させるイオン導入を組み合わせた治療が効果的だとされています。1回では薄くなりませんが、継続することで徐々にシミ・そばかすを改善へと導きます。

また、肝斑や炎症後色素沈着には、新しい治療法としてリバースピールというピーリングが有効だとされています。真皮まで浸透するトリクロロ酢酸を始めとした3種類の薬液で、真皮から表皮にむかって薬液を浸透させることで、メラニンの合成を段階的に阻害しつつ、既に滞留しているメラニンを排出する効果も期待できます。レーザーで取り切れなかった薄いシミや肝斑を改善するための治療の新しい選択肢として注目を集めています。

こちらのページも参考になさってください。

ピーリング後は角質を取り除いたことで肌のバリア機能が弱まります。乾燥しやすくなるのでしっかり保湿することと、紫外線の影響も受けやすくなるので紫外線対策も徹底してください。

レーザー・光

すぐに目に見える効果が欲しい!という即効性重視の場合には、メラニンを体外に排出されやすくなるように細かく破壊する、レーザーや光での治療を考えてみるといいかもしれません。

シミにはピコスポットかQスイッチレーザー

「目立つシミを確実に取りたい」「そのためなら、ダウンタイムがあっても構わない」という場合に適した治療法です。

メラニンへの吸収が高い波長のレーザーを、シミにスポット照射することで選択的にメラニンを破壊して体外に排出。シミやそばかすを改善へと導きます。

シミの大きさや濃さによって適した機種があり、色の薄いシミにはメラニンを衝撃波で破壊するピコスポットレーザー、濃く大きいシミには熱で破壊するQスイッチレーザーが用いられることが一般的です。

レーザーを照射した部分がかさぶたになったり、テープでの保護が必要になったりするので、数の多いそばかすの治療には、あまり向いていません

そばかすにはレーザートーニングか光治療(フォトフェイシャル等)

数の多いそばかすには、レーザーを微弱なパワーでシャワーのように広範囲に均一に照射するレーザートーニングや、色素のみに反応して表皮を傷つけないフォトフェイシャルなどの光治療が適しています。どちらも穏やかな治療なのでダウンタイムの心配はほとんどありません。

反面、一度の治療で得られる効果はスポット照射ほど高くはなく、複数回の治療で徐々にそばかすを薄くしていくとされています。

肝斑にはレーザートーニング

肝斑治療にはメラノサイトを刺激しないことが最も大切です。そのため強力なスポット照射はタブーで、光治療も肝斑を悪化させるリスクがあるとされています。

レーザートーニングは、微弱なパワーで広範囲(顔全体)に均一にレーザーを照射することで、メラノサイトは刺激せずに、肌表面のメラニンだけを細かく破壊することができます。

詳しくは、こちらを参考になさってください。

レーザーや光での治療を受けるなら、時期にちょっと注意が必要です。

紫外線の強い時期は、気づかぬうちに紫外線を浴びていて、肌の内部でメラニンが増えていることがあります。そこにレーザーや光を照射してしまうと、増えたメラニンと過剰に反応して、やけどや色素沈着になることもあるからです。また、レーザーや光を照射した箇所を日焼けすると、色素沈着の原因になるとも言われています。

医薬品やピーリングで肌を整えておいて、紫外線が弱まる秋から冬にかけてレーザーや光での治療をするというのも一案です。

まとめ

シミ・そばかす、そして肝斑は、メラニンが原因というのは同じでも、それぞれに効果的な治療法があります。

放っておいても自然に治る、というものでもありませんから、適切なケアを早く始めることが、改善への近道です。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

※当サイト記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。あらかじめ、ご容赦ください。

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