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ピコ秒レーザーで黒色タトゥー除去、必要な照射回数を予測、部位やインク密度が影響、スイスの研究グループが報告

カレンダー2025.7.20 フォルダー最新研究
レーザーでタトゥーを除去。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザーでタトゥーを除去。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 黒色のタトゥーをピコ秒レーザーで除去する際の照射回数を、より正確に予測する手法が開発された。

 スイスの研究グループが2025年7月に発表した。

ピコ秒レーザーでの除去の難易度を予測

タトゥー除去の難易度。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

タトゥー除去の難易度。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • タトゥー除去の需要と黒色タトゥーの特性→生活環境の変化やデザイン変更を理由に除去希望が出てくることがある。黒色タトゥーは他の色より除去しやすいが、インクや彫り方により難易度に差がある。
  • ピコ秒レーザーによる優位性→ピコ秒レーザーは色素を効果的に分解できる点で注目されている。
  • 除去回数の予測モデル構築→研究グループは、755nmピコ秒レーザーによる黒色タトゥー除去で116人のデータを分析し、タトゥー特徴に基づいて照射回数を予測する手法を開発した。

 タトゥーを入れる人は増えているが、一方で除去を希望する人も多い。生活に変化があった人や、新しいデザインに変更したい人などが除去するケースがある。

 こうした場合に、黒色のタトゥーは、他の色のタトゥーよりも除去しやすいとされる。そのような黒色のタトゥーであっても、インクの性質や彫られた状況により、除去の難易度は異なる。

 また、タトゥー除去はレーザーによって行われるが、ピコ秒レーザーは、より短い照射時間で色素を効果的に分解できるため、治療回数が少なく済むとされる。

 研究グループは、ピコ秒レーザーによって黒色タトゥーを除去するに当たって、タトゥーの特徴ごとに、除去に必要な照射回数を予測する手法をまとめた。

 研究では、2020年1月から2024年6月までに黒色タトゥーの完全除去を終えた成人116人を対象に、755nmピコ秒レーザー(CynosureのPicosure)を用いて実施された。

 116人の属性やタトゥーの特徴11項目が収集され、除去回数への影響が分析された。

首など除去しやすい部位も

レーザーにより黒色のタトゥーを除去。(出典/J Cosmet Dermatol. 2025;24:e70186.)

レーザーにより黒色のタトゥーを除去。(出典/J Cosmet Dermatol. 2025;24:e70186.)

  • 除去回数に影響する要因→インク密度が最も強く関連し、高密度ほど回数が増加。また、技法・部位・経過期間も影響。ドット技法や上半身のタトゥーは回数が少なく、手足・顔は多い傾向。10日未満または10年以上経過したタトゥーは除去しやすい。
  • 影響しなかった要因→性別・年齢・皮膚タイプ・デザイン・サイズ・施術者の熟練度・施術国などは、除去回数に明確な影響を与えなかった。
  • 予測精度の向上→今回開発された新手法は、従来の予測モデルに比べ1.7倍の精度を持ち、将来的にカラータトゥー除去にも応用できる可能性がある。

 関連の強かったのはインク密度で、高密度ほど平均除去回数が増えた。

 さらに、タトゥーの技法、部位、経過期間が、除去の難易度と関連していた。

 タトゥーの技法は、ドット技法のタトゥーは、ラインワークや混合された技法よりも浅くインクが入る傾向があり、平均除去回数が少なかった。

 また、部位では、上半身(特に胴体)や首周辺は平均回数が少なく、手指や足首では回数が多くなる傾向が見られた。ただし、顔に入れられたタトゥーは、首よりも除去が難しい傾向があり、手指や足首などと同様に、回数が多くなるケースがある。

 タトゥーを入れてからの経過期間に関しては、施術から10日未満または10年以上経過したタトゥーが最も少ない回数で除去される傾向があった。

 一方で、今回の研究では、性別、年齢、皮膚のタイプ、デザインの種類、サイズ、施術者の熟練度、施術された国は影響を与えなかった。

 今回の研究でまとまった手法は、従来法よりも正確に予想できることが分かった。旧モデルに比べて、1.7倍の精度を示した。

 研究結果はカラータトゥーにも応用される可能性がある。このような予測の手法が確立されると、タトゥーの除去がよりやりやすくなると考えられる。

参考文献

Menozzi-Smarrito C, Pineau N. A New Predictive Model for Tattoo Removal: Leveraging Patient and Tattoo Characteristics. J Cosmet Dermatol. 2025 Jul;24(7):e70186. doi: 10.1111/jocd.70186. PMID: 40682360.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40682360/

やってはいけない、タトゥーの白い色素のレーザー除去──刺青レーザー除去の進化と課題とは、東海大学形成外科教授の河野太郎氏に聞く
https://biyouhifuko.com/news/interview/6208/

刺青(タトゥー)とアートメイク、「刺青施術に医師免許は不要」の司法判断を否定するのか?「通知は可及的早急に撤回を」、連載【細川亙 現代美容医療を殿が斬る】Vol.1
https://biyouhifuko.com/news/column/10003/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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