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赤ちゃんの顔のあざ、フラクショナルレーザーで大幅改善、生後6カ月の太田母斑にフラクショナルQスイッチルビーレーザー、台湾研究チームが症例報告、美容皮膚科誌に掲載

カレンダー2025.8.22 フォルダー最新研究

ポイント

  • 台湾の研究グループが、生後6カ月の赤ちゃんの太田母斑をフラクショナルレーザーで治療。
  • 使われたのはフラクショナルQスイッチルビーレーザー。6回の治療で色素沈着が75〜90%改善。
  • 副作用も軽かった。早めの治療で、見た目の改善だけでなく、心理的な負担を軽くする効果も期待。
レーザーを点状に照射するフラクショナルレーザー。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザーを点状に照射するフラクショナルレーザー。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 生後6カ月の赤ちゃんの太田母斑がフラクショナルレーザーによって治療することができて、色素の沈着を大幅に改善できたことが分かった。

 台湾の研究グループが2025年8月、美容皮膚科誌で発表した。

早くからの治療が心への影響を軽くする可能性

レーザーを分散して照射するので、照射した場所の周囲に正常な組織が残る。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザーを分散して照射するので、照射した場所の周囲に正常な組織が残る。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 太田母斑とは→顔に青っぽい色素沈着が現れる生まれつきの皮膚疾患で、アジア人に多い。
  • 従来の治療開始時期→思春期以降が一般的だったが、幼少期治療の有効性が近年注目されている。
  • 今回の症例→生後6カ月の女児に対し、6週間ごとに計6回のフラクショナルQスイッチルビーレーザー治療を実施。

 太田母斑は、顔の皮膚に青っぽい色素の沈着が現れる生まれつきの皮膚の病気で、特にアジア人など色素の濃い肌に多く見られる。

 60%は生まれた時から症状が確認されるものの、従来、治療は思春期以降まで遅れることが一般的とされる。

 一方で、顔に目立つ色素の沈着があることで精神的な負担につながり、自己肯定感や人とのつながりに影響が及ぶこともある。

 これまでの研究で、幼少期に治療を始めた方が効果が高く、通院回数も少なくて済むことが分かってきており、心と体の成長に気遣った早くからの治療の重要性が注目されている。

 そうした中で報告された今回のケースは、生後6カ月の女の赤ちゃんの太田母斑を治療したというもの。

 研究報告によると、肌の色素の濃さが中間的(フィッツパトリック皮膚タイプIII)で、右の顔面に青っぽい色素の沈着が広がっていた。

 この色素沈着に対して、初めに複数のレーザーで効果を比べた後、フラクショナルQスイッチルビーレーザーで本格的に治療が進められた。麻酔クリームを塗った上でを6週間ごとに計6回治療を行った。

 なお、フラクショナルQスイッチルビーレーザーは、赤い波長のレーザーで、太田母斑を含むあざの治療に効果を発揮する。フラクショナルレーザーは、レーザーを点状に分けて照射する技術をいう。レーザー照射した部分の周りに正常は皮膚が残ることなどで、レーザーによるダメージの回復が促される特徴がある。レーザーの比較では、ピコ秒レーザーとも比べられたが、ピコ秒レーザーは小さな出血が見られたので選ばれなかった。

6回の治療で75〜90%の改善

太田母斑をフラクショナルQスイッチルビーレーザーで治療。1番左が6カ月時点。1番右が2歳9カ月。(出典/Journal of Cosmetic Dermatology. First published: 12 August 2025.)

太田母斑をフラクショナルQスイッチルビーレーザーで治療。1番左が6カ月時点。1番右が2歳9カ月。(出典/Journal of Cosmetic Dermatology. First published: 12 August 2025.)

  • 治療効果→色素の改善は75〜90%に達し、副作用は一時的な赤みにとどまった。
  • 従来法との違い→通常のQスイッチルビーレーザーで懸念された表皮ダメージや跡を、フラクショナル照射で最小化。
  • 早期治療の利点→治療回数を減らし、外見による精神的負担を長期的に回避できる可能性。

 結果として、色素の改善は75〜90%に達し、皮膚の障害は一時的な赤みが現れたにとどまった。

 従来のQスイッチルビーレーザーでは表皮のダメージや跡が残るリスクがあるとされたが、フラクショナル照射によりリスクを最小限に抑えつつ高い効果が得られたと考えられた。

 赤ちゃんの時期から治療を行うことで、治療回数を減らせるだけでなく、外見の特徴によって長期にわたって精神的な負担にさらされることを防ぐことができる可能性がある。

 フラクショナルレーザーの用途として注目される可能性がある。

参考文献

Rhea Ahuja, Patrick Po-Han Huang. Efficacy and Safety of Fractional Q-Switched Ruby Laser for Nevus of Ota in an Infant— Case Report. Journal of Cosmetic Dermatology. First published: 12 August 2025. doi:10.1111/jocd.70386
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.70386

ピコ秒レーザーが顔のあざ治療に効果的、精密な研究で明らかに、太田母斑への治療で、ナノ秒より高い効果を確認、大阪公立大学などが米国皮膚科学会誌オンライン版で報告
https://biyouhifuko.com/news/research/13496/

目元のレーザー治療、失明などの合併症を防ぐ、ガイドラインが示される、目のシールドなどポイント示す、米国の皮膚科医や眼科医の専門家グループが美容皮膚科誌で発表
https://biyouhifuko.com/news/research/13785/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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