
チョコレートと老化に関連?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
ダークチョコレートに含まれる成分が、体の老け具合に関わっている可能性が浮上した。
英国キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームは、ココア由来の植物成分「テオブロミン(theobromine)」の血中濃度が高い人ほど生物学的年齢が実年齢より若い傾向にあると報告した。
研究は2025年12月10日、学術誌「Aging」に掲載された。
「何歳か」ではなく「どれだけ老化が進んでいるか」

ココアなどに含まれる成分に注目。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 生物学的年齢→ DNAのメチル化パターンをもとに体の老化度を推定。
- 老化指標→ GrimAgeAccelやテロメア長を用いて分析。
- 研究対象→ 欧州の2グループで血中テオブロミン量と老化の関係を検証。
今回の研究が扱うのは、暦年齢ではなく「生物学的年齢」。
生物学的年齢は、DNA上のメチル化パターンと呼ばれる特徴から、体がどれほど健全に機能しているかを推定する指標。ヒフコNEWSでも、「エピジェネティック・クロック」と呼ばれる考え方を紹介してきた。これは美容医療の分野を含め、既に実用化されている。
研究では、DNAメチル化に基づく老化指標として、老化の加速度を捉える指標「GrimAgeAccel(グリムエイジアクセル)」を参考に生物学的年齢を測定した。これはエピジェネティック・クロックの一種だ。
さらに、DNAメチル化から推定する「テロメア長(DNAmTL)」の指標も参考にした。テロメアは、染色体の末端に存在する部位で、遺伝子を保護する役割を果たすとされる。これが短くなることが老化や病気に関連するとされる。
研究チームは、欧州の2つのグループを対象として血液中のテオブロミン量を測定し、老化指標との関連を検証した。
「テオブロミン」高いほど老化の加速小さい

老化の程度を確かめた。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 関連性→ テオブロミンが高い人は、生物学的年齢が若くテロメアも長い傾向。
- 特異性→ 他の代謝物では見られず、関連があったのはテオブロミンのみ。
- 注意点→ 因果関係は未証明で、生活習慣など他要因も考慮が必要。
解析の結果、テオブロミンが高い人ほど、生物学的年齢が若く、テロメア長も長い傾向が認められた。
研究では、ココアやコーヒーに含まれる他の代謝物(カフェイン関連など)も同様に検討したが、老化指標との関連はテオブロミンだけに見られた。
研究者らは、植物由来のアルカロイドが遺伝子のオンとオフを左右するエピジェネティックな仕組みに関与しうる点に注目している。ただし、メカニズムについては今後の課題とした。
また、研究チームは「チョコレートを食べる量を増やせばよい」という結論には直結しないと釘を刺す。というのも、今回の結果は血液中のテオブロミン量と老化指標の関連を示したもので、因果関係を証明するわけではないため。テオブロミンの高い人は、チョコレートやココアを多く摂取している可能性はあるが、同時に健康的な生活を送っている傾向など、他の要因が関係している可能性もあるためだ。
それでも、日常的な食品に含まれる成分の一つが老化に関わっている点は注目される。今後、さらに食と老化との因果関係までが明らかにされることが望まれる。
参考文献
Key chemical in dark chocolate may slow down ageing
https://www.kcl.ac.uk/news/key-chemical-in-dark-chocolate-may-slow-down-ageing
Saad R, Costeira R, Matías-García PR, Villicaña S, Gieger C, Suhre K, Peters A, Kastenmüller G, Rodriguez-Mateos A, Dias C, Menni C, Waldenberger M, Bell JT. Theobromine is associated with slower epigenetic ageing. Aging (Albany NY). 2025 Dec 10;17(12):2902-2915. doi: 10.18632/aging.206344. Epub 2025 Dec 10. PMID: 41397115.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41397115/
