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高周波は「広く」「立体的」に縮める治療、層の見極めと「治療半分・予防半分」の考え方 サーマクール以後の選択肢が増えるRF みやた形成外科・皮ふクリニック院長の宮田成章氏に聞く Vol.2

カレンダー2026.2.25 フォルダーインタビュー
宮田成章(みやた・なりあき)氏。みやた形成外科・皮ふクリニック院長。(写真/編集部)

宮田成章(みやた・なりあき)氏。みやた形成外科・皮ふクリニック院長。(写真/編集部)

宮田成章(みやた・なりあき)氏
みやた形成外科・皮ふクリニック院長

  • 高周波治療の進化→ 特許切れにより多様な後発機器が登場、使い分けには理解が必要。
  • 立体的な収縮効果→ 「容量結合」による深部加熱で、3D的に引き締められるのが高周波の魅力。
  • 適応の見極めが鍵→ 縮めるべき部位の見極めが重要で、場合によっては注入との組み合わせも必要。

──高周波のデバイスは種類が増えている。

宮田氏: 高周波は「サーマクール」の名前で知られる、先行の完成度が高い機器がまずあり、長い間、特許で守られてきました。その特許が切れたことをきっかけに後発のメーカーが参入しやすくなり、いろいろな「変化球」が出るようになったととらえています。

 逆に言えば、ベースとなる考え方自体が別物になったわけではありません。ただ、選択肢が増えると、医療現場では「どう違うのか」を理解して使う必要が出てきます。

──高周波の魅力をどうとらえている?

宮田氏: 最大の魅力は「広い範囲に熱を与えられる」ことです。結果として組織を面だけではなく、奥行きも含めて3次元的に収縮させられる。「立体的な引き締め」を狙えるところが強みです。

 美容医療で使われる高周波のデバイスは、コンデンサを用いて顔の深部まで高周波電流を流しやすくする仕組みを応用しています。

 この辺りの中心となる技術は「容量結合(キャパシティブ・カップリング)」と呼ばれていますが、医学論文でも意外と掘り下げて書かれておらず、きちんと説明されないことが多いと感じています。

 メカニズムは難しいのですが、こうした仕組みにより高周波は効果的な治療が可能になっています。

──「容量結合」のメカニズムが高周波の効果を生み出す。

宮田氏: そうです。その仕組みによって本来であれば皮膚の奥に入りづらい高周波が皮膚の奥にも届くようになるのです。こうして皮膚の表面に当てる電極から真皮や皮下の深い層に熱をかけることが可能となります。組織に熱が及ぶことで組織が縮む現象が起きます。

 組織に熱をかけることでダメージが加わります。その後に治る過程で収縮が起きてきます。このときのことを「コラーゲンが増える」「再構築が起きる」という言い方がされることもあります。やり過ぎれば好ましくない「瘢痕」になることもあります。皮膚の構造は完全に把握できるわけではありませんから、慎重にやるべきです。

──その組織を縮める効果を生かして、外見の改善につなげていく。

宮田氏: 縮めれば誰でも良い方向に行くわけではありません。

 例えば、脂肪が少なくてコケやすい人をさらに縮めたら、げっそりさせてしまう。そういう人は縮めちゃいけない。逆に、余剰なボリュームや緩みが主体で、縮めることで輪郭が整う人もいる。

 つまり、皮膚の層の状態を理解して、縮めるべき層があるのか、縮めたときに悪目立ちしないかなどを見極める必要があります。

 さらに言えば、縮めるだけでは十分ではないこともあります。骨の変化や脂肪の減少が主体なら、注入治療で補う方が良いこともあります。本人の希望も絡みますから、その調整は難しいところです。

  • 層ごとの選択が重要→ 高周波は「若返り」ではなく、層に応じた効果的な設計が求められる。
  • 「治療半分・予防半分」→ 高周波を当てることがたるみを改善しながら、再構築によるたるみの予防にもつながる。
  • 肌質改善にも貢献→ 表層加熱により肌の赤み改善や遺伝子調整の可能性もあり、多様なニーズに対応。

──その人に合わせて高周波の使い方も変えることは欠かせない。

宮田氏: 高周波の組織を縮める効果は「若返り」とは別物である点には注意すべきです。どの層にどの程度の変化を与えるのかを設計して、見た目を若く「見せる」ことが重要です。

 デバイスによって得意な領域が異なっています。例えば、深さの調整ができるもの、比較的広く緩やかに加熱するもの、限られたターゲットに強い熱が入るもの、表層中心でハリや小じわを狙うものなどがあります。層と熱の入り方を考えて使い分ける必要があるのです。選択肢が増えているのは良いことです。

──「若返り」を狙った高周波というのは、正しい表現ではない。

宮田氏: 「若返りそのもの」ではないけれど、皮膚や脂肪、筋膜などのどこかの層を縮めてたるみを改善し、再構築でたるみの予防にもなる。たるみには有効ですし、「治療半分・予防半分」という考え方で取り組むと良いと考えています。

 注入のように「ガラッと変える」ことは基本的にできませんから、過度な期待も禁物です。

 とはいえ写真で見たら分からない程度でも、本人の満足度としては良い。そこはデバイスによる治療の特徴だと思います。

──同じデバイスの治療としてはHIFU(高密度焦点式超音波治療、ハイフ)は逆風を受けた。

宮田氏: ハイフの難しいところはコントロールだと考えています。解剖の知識がないまま治療を行うと、当ててはいけないところに当ててしまう。そのために神経麻痺などの有害事象につながることがある。エステ領域で問題になったことも含め、規制強化につながりました。医療機関側からすると、結果として安全に行われることになったのは良い動きととらえています。

──高周波は「収縮」だけでなく「肌質改善」にも効果があるとされる。

宮田氏: 肌の表面に熱をかけることで赤みが取れるといった効果が期待できる機器もあります。熱を加えることが細胞を活性化させる、遺伝子の発現を調整するといった研究も行われています。最近の機器は浅い層に効かせやすい設計も増えてきました。即効性が出やすいことで評価されるところもあると考えています。

──たるみを治したいばかりではない、さまざまな希望に応える必要がある。

宮田氏: 私のクリニックは「お任せします」という形が多いです。

 この際に症状などを聞きながら、何が適しているかを一緒に組み立てていく。機械だけでやる場合もあれば、注入も含めて提案する場合もあります。

 照射でも注入でも結局は同じで、「どの層を狙うか」をまず見極める必要があります。脂肪なのか、真皮から皮膚なのか、筋膜領域なのか、あるいは複合的にとらえるのか。表層寄りなのか深層寄りなのか。それは顔立ちや組織の状態によって選ぶしかありません。(続く)

プロフィール

宮田成章(みやた・なりあき)氏。みやた形成外科・皮ふクリニック院長。(写真/編集部)

宮田成章(みやた・なりあき)氏。みやた形成外科・皮ふクリニック院長。(写真/編集部)

宮田成章(みやた・なりあき)氏
みやた形成外科・皮ふクリニック院長

1990年防衛医科大学校卒業。卒後、防衛医科大学校形成外科および関連施設で研修・勤務。札幌医科大学形成外科勤務を経て、1997年に市立室蘭総合病院形成外科医長。2000年に虎ノ門形成外科・皮ふクリニックを開院し、2004年にみやた形成外科・皮ふクリニックを開院。日本専門医機構認定形成外科専門医、日本創傷外科学会認定創傷外科専門医。日本美容皮膚科学会代議員、日本美容外科学会(JSAPS)評議員。日本抗加齢医学会会員、日本医学脱毛学会会員。医学博士。

記事一覧

  • 自然な若返りを実現する 製剤選びは骨や脂肪を見ながら「作られた顔」を避ける注入の考え方 みやた形成外科・皮ふクリニック院長の宮田成章氏に聞く Vol.1
    https://biyouhifuko.com/news/interview/16706/
  • 高周波は「広く」「立体的」に縮める治療、層の見極めと「治療半分・予防半分」の考え方 サーマクール以後の選択肢が増えるRF みやた形成外科・皮ふクリニック院長の宮田成章氏に聞く Vol.2
    https://biyouhifuko.com/news/interview/16713/
  • 若手の医師に伝えたい「海外で学ぶ」価値 学会に求める科学的な視点 次の美容医療につながる「新しいコンセプト」 みやた形成外科・皮ふクリニック院長の宮田成章氏に聞く Vol.3
    https://biyouhifuko.com/news/interview/16722/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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