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再生医療クリニック改善命令、幹細胞や免疫細胞による治療で計画逸脱や報告漏れ 銀座鳳凰クリニック管理者を名指し 厚労省が公表

カレンダー2026.3.3 フォルダー 国内
厚生労働省が銀座鳳凰クリニック管理者に改善命令。(出典/関東厚生局)

厚生労働省が銀座鳳凰クリニック管理者に改善命令。(出典/関東厚生局)

 厚生労働省は、安確法(再生医療等の安全性の確保等に関する法律)に基づき、一般社団法人志鴻会銀座鳳凰クリニック(東京都千代田区)の管理者である永井恒志氏に改善命令を行ったと発表した。

計画にない医師や薬が使われていた

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)

  • 無届け医師の施術→ 提供計画に記載のない医師が再生医療を実施していた。
  • 未記載医薬品の使用→ 計画外の医薬品投与や、未提出計画での治療が判明。
  • 報告義務違反→ 疾病等報告や定期報告の未提出など、法令遵守体制に不備。

 厚労省の公表資料によれば、2025年11月に、同クリニックから認定再生医療等委員会(以下、委員会)に「重大な不適合報告書」が提出され、これを受けて委員会が厚労省に報告を上げていた。厚労省からは行政指導が行われ、クリニック側は改善報告書を厚労省に出していた。

 ところが、2026年1月に厚労省が同クリニックに立入検査を実施したところ、法令違反などを確認したため、今回の改善命令を出すに至った。

 対象となったのは、自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた複数の治療のほか、がん免疫療法で、その中には、加齢性毛髪変化、シワやたるみの治療といった美容医療に関連した内容も含まれている。

 法令違反と判断されたのは、再生医療等提供計画(以下、提供計画)に記載のない複数の医師が、幹細胞や樹状細胞を用いた治療を行っていることが判明したことが挙げられた。本来、再生医療を行う医師は、提供計画に氏名などを記載し、委員会の審査を経たうえで届け出る必要がある。しかし、実際には計画と異なる体制で提供されていた。

 このほか、記載のない医薬品などの使用が行われていたこと、提供計画の提出されていない病気を持つ患者に治療が行われていたこと、厚労省や委員会への疾病等報告や定期報告の未提出があったことが挙げられた。

厚労省は管理者に改善を命令

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)

  • 改善命令の内容→ 体制再構築、未報告分の提出、提供計画の再整備を指示。
  • 患者対応の徹底→ 未記載医師への研修や患者への説明・健康確認を求めた。
  • クリニックの運営に注意→ 再生医療を検討する際には運営にも注意する必要がある。

 厚労省は、これらの法令違反を受けて改善を命じた。具体的には、体制の再構築や未報告分の報告、提供計画の再提出のほか、提供計画に未記載だった医師への研修、未記載だった医薬品の投与実態の把握、患者への説明などを命じた。関東信越厚生局への進捗報告も義務付けている。

 日本は再生医療の提供という意味で世界でも特殊な状況にあり、委員会の審査を経て届け出ることで、医療機関が再生医療を提供できる制度となっている。再生医療は届け出制のもとで実施されているが、今回の件は制度の適正な運用が問われる事例といえる。このような事態が続けば、監督体制の強化や制度運用の見直しにもつながかねない。

 また再生医療を検討する際も、提供計画に沿った内容が行われているのか、治療が適切に行われるか、クリニックの運営体制も含めて慎重に評価する必要があるのだろう。

参考文献

再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく改善命令の概要
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/000430531.pdf

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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