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顔画像アナライザー、可視化技術の進化は美容医療をどう変える?「結果を示す装置」は新しいニーズを作り出す可能性、KIMESとIMCASをめぐって考える【編集長コラム】

カレンダー2026.3.25 フォルダー連載・コラム

 韓国ソウルで3月に開催されたKIMES 2026の会場を歩くと、さまざまな美容医療のデバイスや製剤を目にすることができるが、そうした中の一つに顔画像解析装置がある。いわゆる「アナライザー」だ。

 アナライザーの進化は、1月に開催されたフランス・パリでの展示でも、複数の機器の出展として確認された。世界でその開発競争が活発になっている。

 これは美容医療をどう変えていくのだろうか。

3Dで顔を細かく見る

パイのヤヌス3D。(写真/編集部)

パイのヤヌス3D。(写真/編集部)

  • 高精度な3D解析→ 0.2mmレベルで顔の形や肌状態を細かく可視化できる。
  • 施術効果を見える化→ シワや毛穴などの変化を数値や形で比較できる。
  • 専用カメラで安定性向上→ 撮影条件の差を減らし、より正確な評価が可能に。

 まず、韓国PIE(パイ)が開発している「JANUS 3D(ヤヌス3D)」。同社は顔解析のヤヌスシリーズを2006年以来展開しており、継続的に改良を続けている。ヤヌス3Dは今後登場する最新型という位置付けだ。

 従来、ヤヌスシリーズは、光源の工夫などにより、肌の色素や状態を細かく分析できるように進化してきたが、機械で得られた情報を画面に分かりやすく示すソフトウエアの開発により精細な3D表示を可能にした。

パイの開発者カン氏。(写真/編集部)

パイの開発者カン氏。(写真/編集部)

 ヤヌス3Dの開発者であるカン・モドン氏は、「0.2mmという高精度で顔の立体的な形と皮膚状態を同時にとらえられるのが特徴」と説明する。画面を見ると、編み目のように顔の立体的な構造が、細かく表示されているのが分かる。結果として、毛穴やシワ、微細な凹凸まで可視化できる。インジェクション前後の変化を数値や形状として比較できるようになる。

ヤヌス3Dで表示された顔の表面の拡大画像。シワや凹凸などを編み目で表現する。(写真/編集部)

ヤヌス3Dで表示された顔の表面の拡大画像。シワや凹凸などを編み目で表現する。(写真/編集部)

 一方で、韓国PSIの最新機「3D VERA-VU(3Dヴェラビュー)」は、専用カメラを採用した新しい機種。同社によると、従来の汎用カメラから、自社のカメラに切り替えることで、カスタマイズしやすくしている。

 美容医療では撮影条件のわずかな違いが結果に影響するため、安定した比較が可能な仕組みが重要になる。その点で、解析目的に最適化されたハードウェアへの移行は必然ともいえる。

PSIの3Dヴェラビュー。中央。(写真/編集部)

PSIの3Dヴェラビュー。中央。(写真/編集部)

 韓国のいずれの機械も、施術の結果をより細かく見せることを実現している。顔の状態を客観的に評価する性能が向上していることが分かる。機器が高度化するにつれて、美容医療の結果の見せ方は変わっていくと考えられる。

IMCASでも活発な「可視化」の競争

アルマのアルマIQ。(写真/編集部)

アルマのアルマIQ。(写真/編集部)

  • 世界で解析機器が進化→ 各国で肌状態を数値化するデバイス開発が加速。
  • AIで診断をサポート→ 画像データを分析し、治療方針の判断を助ける。
  • 評価は「見た目」から「数値」へ→ 美容医療の結果を客観的に示す流れが強まる。

 1月にフランスのパリで開催されたIMCASでも、画像解析の機械の進歩は著しかった。

 イスラエルのレーザー機器で知られるAlma(アルマ)の「Alma IQ(アルマIQ)」は、色素や赤み、質感といった要素を示し、診察初期から治療方針の合意形成を支援するツールとして位置づけられていた。Almaは中国企業のグループ会社になっており、AI(人工知能)の活用も推し進められている。

クオンティフィケアのライフビズ。(写真/編集部)

クオンティフィケアのライフビズ。(写真/編集部)

 さらに、フランスQuantifiCare(クオンティフィケア)の「LifeViz(ライフビズ)」は持ち運びしやすい3D撮影装置として日本国内でも広がりを見せている。ビフォーアフターの比較やボリュームの評価を行いやすいのがポイント。

 シンガポールに本社を置くEVE LAB SKIN(イヴラボスキン)の「EVE V(イヴV)」も、複数のカメラと照明を組み合わせ、偏光やUVなど多様なモードで肌状態を取得する装置。

イヴラボスキンのイヴV。(写真/編集部)

イヴラボスキンのイヴV。(写真/編集部)

 ヒフコNEWSで紹介したAURA(オーラ)も展示されていた。これは2Dと3Dを同時取得し、シミやシワ、毛穴などを数値化する装置。複数の光源と高解像度カメラを組み合わせた構成になっている。

 KIMESとIMCASを横断して見ると、世界中で新しいアナライザーの開発が相次いでいることが分かる。

顔の2D&3D画像を同時に撮影できるオーラ。撮影は日本の発表会で。(写真/編集部)

顔の2D&3D画像を同時に撮影できるオーラ。撮影は日本の発表会で。(写真/編集部)

 AIを含め、アナライザーの結果を分析したり表示したりするソフトが進化していることは特徴的だ。

 美容医療は今後どう変わるかといえば、結果を数字で示すような形に変化していくということではないか。

 難しいのは、美容施術は、必ずしも結果が形になりやすいとは限らないこと。逆に一時的に悪化するようなことも考えられる。そうした意味で、目に見えるようにすることは、新しい課題を生む可能性もある。

 そうではあるものの、施術を受ける側の立場に立つと、健康診断のように、数字で自分の状態が確認できるようになれば、それは便利と受け止められて不思議ではない。さらに言えば、美容クリニックから見ると難題は多いのだが、ユーザー側からはもっと知りたいという動きが出てくる可能性がある。もっと何が分かるのだろうという点に関心が広がれば、それは美容医療の新しいニーズを生み出すことにつながるともいえる。

 美容医療を単に受けるというだけでなく、どんなに改善したかが強く求められるようになる。美容医療の進化を考えるときに、このアナライザーの進化には目を離せないのではないか。

参考文献

世界最大の美容医療会議IMCASがフランス・パリで開幕 画像診断など新しい動き 日本はいかに海外の優れた技術を取り入れる?
https://biyouhifuko.com/news/column/16378/

F1技術が美容医療の画像診断に、顔を2D&3D同時撮影、シミ、シワ、きめ、赤み、毛穴をまとめて数値化、スウェーデンHEXAGONグループ製の「AURA」都内で発表会
https://biyouhifuko.com/news/japan/14378/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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