
白人以外が美容外科の手術を受けるケースが増える。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
米国では、病院での美容外科手術を受ける人の中で、白人の比率が低下している。
一方で、「白人以外」の構成比は上昇しており、構成の多様化が進んでいる。
2026年3月に発表された米国形成外科学会(ASPS)の論文により明らかになった。
人口以上のスピードで進む多様化

美容外科を受ける人たちの実態とは。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 利用者の多様化が加速→ 「白人以外」の割合が人口以上のスピードで増加。
- 市場構造が変化→ 白人中心から多様な人種が利用する市場へ移行。
- 施術ニーズに違い→ 人種ごとに選ばれる手術が異なり、価値観の違いが反映。
この研究では、2010年から2023年にかけて、米国のデータベースに登録された5つの主要な美容外科手術の症例を分析した。
その結果、「白人以外」の比率が平均で毎年約10%増え、その伸びは米国人口の白人以外の比率増加を約8%上回っていることが確認された。
一方で、白人の比率は83.1%から66.5%へと大きく低下した。
重要なのは、人口構成で「白人以外」が増えているというだけでは説明ができないことだ。美容外科の利用の構造そのものが変わり、これまで白人中心であった市場は急速に多様化している。
増加の内訳を見ると、人種や民族ごとに選択される施術が異なることも明らかになった。
黒人では腹部形成術や脂肪吸引の比率が高く、アジア人では豊胸術の伸びが目立った。
美しさを求める際の関心や身体観の違いが施術の選択に反映されているとされた。
これは、美容医療で求められる美しさの基準が、複数の価値観に基づくようになっていることを示す。
民族的な特徴を残す美容への転換

美容医療の見方が変わる兆候?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 価値観が変化→ 特徴を消すのではなく、生かす美容へシフト。
- 背景にアクセス改善→ 所得上昇や分割払いで美容医療が身近に。
- 医師側の対応も重要→ 多様な美しさに合わせた技術と診療が求められる。
「白人以外」の所得が上昇し、費用の分割払いが普及し、美容医療へのアクセスが改善していることが考えられている。美容外科への抵抗感が薄れていることも影響している可能性がある。
研究グループによれば、美容外科の価値観の転換が重要だという。
従来は、白人中心の美的基準に近づける施術として受け止められる場面もあったが、現在は民族的特徴を消すのではなく、生かしながら整える方向が重視されつつあると論文は述べている。
背景として、民族的な特徴を尊重した施術の技術が発展したこともあるようだ。
このような変化に伴い、施術技術の進歩に加えて、医師側の対応も求められている。
ただし、この研究は外科手術データに基づくもので、ボツリヌス療法やフィラー注入などの非外科施術は含まれていない。そのため、美容医療全体の動向を直接示すものではない。
とはいえ、「白人以外」が美容医療の中でウエートを拡大している米国の変化は、美容医療の方向性が大きく変わっている状況にあると考えられる。世界最大の美容医療大国である米国の変化は、世界に影響を与えると考えられる。
参考文献
Rising Rates of Cosmetic Surgery in Non-White Patients
https://www.plasticsurgery.org/news/press-releases/rising-rates-of-cosmetic-surgery-in-non-white-patients
Dadzie AI, Somers S, Gregory E, Olabiran A, Pawlak N, Eddington D, Agarwal JP, Kwok AC. Modern Trends in Hospital-Based Cosmetic Surgery Use across Racial and Ethnic Groups. Plast Reconstr Surg. 2026 Mar 1;157(3):476-484. doi: 10.1097/PRS.0000000000012420. Epub 2025 Sep 3. PMID: 40920480.
https://journals.lww.com/plasreconsurg/fulltext/2026/03000/modern_trends_in_hospital_based_cosmetic_surgery.17.aspx
