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ロレアルとNVIDIAがAIで協力、化粧品を高速で開発可能に 開発プロセスを最大100倍高速化、世界トップ化粧品メーカーとAI半導体企業がタッグ

カレンダー2026.3.29 フォルダー 海外
ロレアルが発表。(写真/Adobe Stock)

ロレアルが発表。(写真/Adobe Stock)

 フランスの化粧品世界トップのロレアルは2026年3月、AI(人工知能)半導体で世界的な存在感を高めているNVIDIAとAI分野での連携を強めて、化粧品の開発を最大100倍に高速化していくことを発表した。

化粧品を作り出すプラットフォームを整える

美容の研究にAIが入り込む。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

美容の研究にAIが入り込む。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 開発プロセスを効率的に→ AIの活用により、研究や検証のスピード向上が期待される。
  • 会社の連携→ ロレアルとNVIDIAが技術面で協力し、開発のためのプラットフォームを強化。
  • データ活用を広げる→ シミュレーションや解析を通じた製品の開発が進む可能性。

 ロレアルによれば、これまで化粧品開発は、実験と試作を繰り返すことで最適な処方を見つける手法が主流だった。この方法のネックは開発には時間とコストがかかること。成分同士の相互作用を完全に把握することには限界があった。

 今回、ロレアルでは、自社の研究開発のプラットフォームを、NVIDIAの提供する機械学習の仕組み「ALCHEMI」と統合した。これにより成分の働きや相互作用を原子レベルで予測することを可能にしたという。

 このようなプラットフォームの整備により、ロレアルでは、実験を繰り返す代わりに、コンピューターの中で数千通りのパターンを一度に試せるようにした。今後、研究段階から製品化までの時間を従来の最大100分の1に短縮できるとしている。

紫外線からの保護と肌のトーン最適化に焦点

製品の開発が早くなる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

製品の開発が早くなる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 開発手法が変わり得る→ 従来の実験中心からデータ活用型へ移行が進む可能性。
  • 製品開発の多様化→ 新しいアプローチによる製品設計が広がる可能性。
  • AIが美容にも影響→ AIの導入が美容のカテゴリーにも入り込みつつある。

 今回の取り組みは、紫外線から肌を守る「フォトプロテクション」と、肌のトーンを最適化する「スキントーン管理」の2領域に焦点を当てるという。

 同社によると、AIによる原子のシミュレーションを活用することで、実験前の段階で最適な処方を導き出すことが可能となる。また、単に効果の高い成分を見つけるだけでなく、使用感やテクスチャーといった感性的な要素も含めて精密に設計できるようになるという。ロレアルは、自社の保有している有効成分を最大限に活用しながら、より高機能で精密に設計された製品の開発を目指すとしている。

 従来の経験や試行錯誤に依存した開発から、データとシミュレーションに基づく化粧品を設計する形が進めば、より多様な化粧品が誕生することも見込まれる。

 AIが世界的に注目される中で、それは美容のカテゴリーにも次々と入り込んでいる。

参考文献

L’Oréal and Nvidia to accelerate beauty discovery powered by predictive AI science
https://www.loreal.com/en/press-release/group/loreal-and-nvidia-to-accelerate-beauty-discovery-powered-by-predictive-ai-science/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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