
医療ダイエットの返金問題。(出典/国民生活センター)
SNS広告をきっかけに契約した医療ダイエットをめぐり、解約と返金をめぐるトラブルの経緯が明らかになった。
国民生活センターが2026年3月に公表した事例だ。
SNS広告から無料カウンセリング

巻き尺。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- SNS広告がきっかけ→ 医療ダイエットに関心を持ち、無料カウンセリングを予約した。
- 高額な契約に→ 目標達成で安くなる説明を受け、約80万円のプランを契約した。
- 効果を期待して開始→ 施術に加え、薬の服用や食事管理、運動にも取り組んだ。
国民生活センターは、裁判とは異なる形で、「ADR(裁判外紛争解決手続)」と呼ばれる方法でトラブルの解決に取り組んでいる。対応ケースのうち、他の人にも役立つ事例は定期的に公表している。
この一つとして、今回医療ダイエットのケースが取り上げられた。
今回の申請人(Aさん)は、2024年11月、SNSで相手方(資料では記載がないが、便宜上、以下はクリニックとする)の医療ダイエットの広告を閲覧。この医療ダイエットに関心を持ち、ウェブサイトから予約したという。
公表された情報によれば、医学的根拠があり効果が確実そうに見えたこと、また、減量目標を達成すればモニター価格から安くなり、実質約11万円で受けられるという点から関心を持った。過度な食事制限がないことや、施術前後の写真などを見て、一定の効果があると考えたという。
同月下旬に店舗でカウンセリングを受けた際には、3カ月で10キログラム減を目指し、目標を達成すれば実質費用が約11万円になると説明を受けた。勧められたプランは約80万円で、これを契約し、ローン会社を通じて医療ローンを組んだ。
資料によれば、Aさんは施術を受けるとともに、薬の服用、食事への注意、ウオーキングにも取り組んだ。
問題解決に至らず簡易裁判所で争う流れに

体重管理を気にする女性。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 体重が変わらなかった→ 指示通り続けても、施術4回の時点で体重に変化がなかった。
- 返金を求めて対立→ Aさんは全額返金を希望したが、クリニック側は解約費用を請求した。
- 最終的に裁判へ→ 話し合いでは解決せず、簡易裁判所で争う流れになった。
Aさんは2024年12月に治療を始め、医師の指示通りに薬を飲み、食事にも気を付け、ウオーキングも続けた。だが、全部で8回ある施術のうち4回を受けても体重は変わらなかった。
そのため2025年2月、残りの施術を受けてもやせないのであれば意味がないとして、クリニックに全額返金を求めた。
Aさんは3月、消費生活センターに相談。その後、クリニックからは、途中で契約をやめるなら、精算のための費用をまとめて支払ってほしいと連絡があったという。
Aさんがローン会社に「支払い義務に納得できない」旨を申し出た結果、既に支払っていた約7万円は返金された。
しかし6月になると、クリニック側は「ローン会社が持っていた支払い請求の権利はこちらに移った」として、解約に伴う費用約57万円を一括で支払うようAさんに求めた。
Aさんは、契約そのものを無効として請求しないよう求めたが、クリニック側は話し合いによる解決に応じず、既に簡易裁判所に支払いを求める手続をしていると主張した。
これを受け、Aさんは裁判所で争うための対応を取ることにし、国民生活センターの手続は取り下げて終了した。
医療ダイエットをめぐっては、今回のように効果への期待と実際の結果のずれ、さらに解約時の費用負担をめぐってトラブルに発展することもある。
今回の事案は解決に至らず、裁判所で争われる流れになった。契約前には慎重な検討が必要になる。
参考文献
国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和7年度第4回)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260325_3.html
