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タトゥー除去、ピコ秒レーザーは治療回数が少なく「非常に良好な除去」が78%、Qスイッチレーザーと130人で比較 中国の研究グループが報告

カレンダー2026.8.13 フォルダー 国内

 タトゥーをレーザーで除去する場合、従来型のQスイッチレーザーと、より短い時間で光を照射するピコ秒レーザーでは、効果にどのような違いがあるのか。

 中国の研究グループが治療結果を比較し、2026年8月に美容皮膚科学誌に報告した。

従来のQスイッチレーザーと新しいピコ秒レーザーを130人で比較

足首付近の小さなタトゥーにレーザーを照射する施術風景。

ピコ秒レーザーは、Qスイッチレーザーと比べて少ない治療回数で、より良好な除去状態に到達しやすい可能性が示された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 研究対象→タトゥー除去を受けた130人を対象に、Qスイッチ1064nmレーザー57人とピコ秒1064nmレーザー73人を比較した。
  • 評価方法→タトゥーがどの程度薄くなったかを4段階で評価し、50%を超えて薄くなった割合や副作用も調べた。
  • 研究の特徴→2015年から2024年までの実際の診療記録を用い、2種類のレーザーの治療成績を比較した。

 タトゥー除去では、皮膚の中にある色素にレーザー光を当て、色素を細かくする治療が広く行われている。特に1064nmのQスイッチNd:YAGレーザーは、長年にわたり標準的な治療として用いられてきた。Qスイッチレーザーは、ナノ秒単位のパルスで照射し、ナノ秒レーザーとしても知られる。

 一方、より短い時間でレーザーを照射するピコ秒レーザーも登場し、治療効果を高めたり、治療回数を減らしたりできる可能性が期待されている。

 今回研究グループは、2015年1月から2024年9月までに病院でタトゥーのレーザー治療を受けた130人について、診療記録をさかのぼって分析した。57人がQスイッチ1064nmレーザー、73人がピコ秒1064nmレーザーによる治療を受けていた。

 治療後にタトゥーがどの程度薄くなったかを、「不良」から「非常に良好」までの4段階で評価し、副作用についても確認した。さらに、タトゥーが50%を超えて薄くなった場合を有効として、2種類のレーザーの成績を比較した。

 今回の研究は、実際の診療記録を後から分析して、2種類のレーザーの治療成績を比較したものだ。実際の診療における両治療の違いを示すデータとして参考になる。

治療回数が1回少ない結果

脚のタトゥーにレーザー機器を向け、除去治療を行う場面。

タトゥー除去では、皮膚内の色素にレーザーを照射して少しずつ薄くしていく。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 除去効果→「非常に良好」と評価された割合は、ピコ秒レーザー78.1%、Qスイッチレーザー54.4%で、ピコ秒の方が高かった。
  • 治療回数→治療回数の中央値はピコ秒レーザーで3回、Qスイッチレーザーで4回となり、ピコ秒の方が1回少なかった。
  • 50%以上の改善→50%を超えて薄くなった割合は両群で高く、ピコ秒94.52%、Qスイッチ85.96%だったが、有意差はなかった。

 分析の結果、明確な違いが確認されたのは、「非常に良好」と評価された割合だった。「非常に良好」と評価された割合は、ピコ秒1064nmレーザーでは78.1%だったのに対し、Qスイッチ1064nmレーザーでは54.4%で、統計学的にも有意な差が確認された。

 治療に必要とされた回数にも差があった。治療回数の中央値はピコ秒レーザーで3回、Qスイッチレーザーで4回となり、ピコ秒レーザーの方が少なかった。

 一方で、「50%以上薄くなった」という基準で見ると、結果は少し異なる。該当した割合はピコ秒レーザーで94.52%、Qスイッチレーザーで85.96%だったが、この差に統計学的有意差は認められなかった。

 一定以上タトゥーを薄くするという点では両者の効果はおおむね同程度で、より高いレベルまで薄くすることや、少ない回数で治療することではピコ秒レーザーに利点が示された形となる。

 タトゥーの色の違いが結果に影響しないよう、青色または黒色のタトゥー108人に絞って解析すると、「非常に良好」と評価された割合はピコ秒レーザーで80.0%、Qスイッチレーザーで55.8%となった。50%を超えて薄くなった割合はそれぞれ93.9%と88.4%で、ここでも明確な差は確認されていない。

 安全性については、両方の治療で報告された副作用は一時的な赤みや腫れに限られ、重い合併症は報告されなかった。

 今回の結果からは、ピコ秒1064nmレーザーはQスイッチ1064nmレーザーと比べ、タトゥーを一定以上薄くできる割合そのものを大きく高めるわけではないものの、より良好な除去状態に到達しやすく、治療回数を減らせる可能性がある。

 タトゥー除去では複数回の治療が必要になることが少なくないだけに、1回でも治療回数を減らしながら高い除去効果を得られるかどうかは、患者の負担を考える上でも重要なポイントになりそうだ。

参考文献

Chen J, Liu Y, Gong Y, et al. Q-Switched 1064-nm Laser Versus Picosecond 1064-nm Laser in Tattoo Removal: Comparable Overall Effectiveness With Higher Excellent Clearance Rates and Fewer Treatment Sessions for the Picosecond Laser. Journal of Cosmetic Dermatology. 2026;25.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.71098

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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