視力障害や顔面の神経障害も、美容医療による健康被害が相次ぐ、2023年のヒフコNEWS記事を振り返る(2)
ポイント
- 2023年は美容医療に関連したトラブルが相次ぎ注目された。
- マイクロ波やハイフ、脂肪吸引などが問題を引き起こした。
- 美容医療を受けて長期間経過してから問題が起こるケースもある。
2024年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
前回は2023年のヒフコNEWSの記事で注目されたものとして、脱毛のトラブルを取り上げたが、このほかにも美容医療に関連するトラブルが大きく注目された。
ミラドライの性器などへの施術を受けた女性が死亡
23年1月、日本の医学会を中心とした7医学会・団体が、マイクロ波による施術を性器などに受けた女性が重いヤケドで亡くなるトラブルが起こったことを受けて、注意喚起を発表した。通常であればワキの多汗症に対して使う医療機器を、適用とされる部位以外に使わないように求めるものだった。
このほか幹細胞培養上清液に関連した死亡事例に関する記事も注目された。これは再生医療抗加齢学会が23年10月、死亡事例の発生を報告したもの。幹細胞培養上清液にはエクソソームが含まれるとされ、エクソソームに対する関心も高まった。
その後、厚生労働省関係者や日本再生医療学会、医療機関への取材に基づき、エクソソームに関連した死亡事例が確認されないという報道も出た。詳細には不明も残るが、幹細胞培養上清液やエクソソームを使った自由診療は安全なのか、安心して受けられるのかという疑念は従来よりも高まる可能性はある。
ハイフや脂肪吸引の被害が問題に
HIFU(High Intensity Focused Ultrasound、以下ハイフ)についてもトラブルの原因になっており、厳しい目が注がれた。国の消費安全調査委員会が3月にハイフ施術の事故に関する調査結果を公表。この委員会は、厚生労働省に対してハイフ施術者の制限を求めるなど提言をした。
美容医療の施術をめぐっては、脂肪吸引に関連した死亡事例が報告されるなど、複数のトラブルが報告され続けた。
エステティックサロンなどでの日本のハイフ関連事故の詳細明らかに、国の消費者安全調査委員会が報告書
美容医療で受けた施術が時間を経て問題を引き起こすケースもある。アクアフィリングと呼ばれるフィラー注入による豊胸術がその後トラブルを引き起こす事例が増えており、この問題も注目されている。
美容医療のトラブルが注目されたことから、24年はこれまで以上に安全で安心な施術が行われることが求められるだろう。
参考文献
マイクロ波による腋窩多汗症治療機器の使用者で死亡事故、医学会が適正使用呼びかけ
https://biyouhifuko.com/news/japan/515/
幹細胞培養上清液に関連した死亡事例の発生、再生医療抗加齢学会が報告
https://biyouhifuko.com/news/japan/4005/
エステティックサロンなどでの日本のハイフ関連事故の詳細明らかに、国の消費者安全調査委員会が報告書
https://biyouhifuko.com/news/japan/629/
HIFU(ハイフ)の安全性と問題点を理解する、東海大学形成外科教授の河野太郎氏に聞く
https://biyouhifuko.com/news/interview/2544/
美容に関する深刻なトラブル続く、2023年振り返り、ヒフコNEWSの記事からまとめ
https://biyouhifuko.com/news/japan/4286/
「やってはいけないフィラー豊胸術」、世界が認めていないのに日本でいまだに行われている理由
https://biyouhifuko.com/news/interview/277/
知ってましたか?美容医療の長期的影響と問題点、大阪みなと中央病院、院長の細川亙氏と美容医療センターの村西佑美医師に聞く
https://biyouhifuko.com/news/interview/2729/
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