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看護師覆面座談会vol.2 「ヒアルロン酸注入!ちょっと待って!その成分本当に大丈夫?成分を確認する方法」

カレンダー2023.7.18 フォルダー連載・コラム

 美容医療を安心して受けるために、ベテラン看護師3名に覆面で美容業界の実態について教えてもらうこの座談会。第2回は、受ける施術の成分大丈夫?成分の確認の仕方などについて語ってもらった。

看護師覆面座談会。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

看護師覆面座談会。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

──実際に使っている、例えばヒアルロン酸の中身がきちんとしたものを使っているか否かは、私たちでも判断できるのか。

看護師A:私のクリニックでは箱を見せて、その場で開けるところをお見せしています。ただし、ボトックスなどでは難しいですよね。

──薄めるところもあると聞く。最近、Kクリニックなど調合室が見えるような仕組みにしているところもあるそう。

看護師A:お客さまのご希望に沿った内容で調合されているか、見えるのは親切で良いですね。

看護師C:うちは、ロットシールを渡しています。

看護師A:それすごく良いですね。ボトックスも?

看護師C:ボトックスは対応できていません。ボトックスの場合、薄めることが一概に悪いこととは言えないですよね。薄めることが、場所によっては良かったりもします。出している製剤の名前とは違うものを入れるという、すごく悪徳なところもあると聞いたことがあります。

看護師A:それ、どういう目的なんでしょう。それをやったところで、リピートをしてもらえず、デメリットになる可能性もありますよね。

看護師B:ヒアルロン酸は、詰め替えて提供するところがあると聞きます。

──それでは表に見えている製剤とは異なる製剤が注入されることになる。それは、働いている人たちも「このクリニック大丈夫?」「辞めたい」という気持ちになりそうだが……。

看護師C:なりますよね。

──どなたの指示でそうのようなことをするのか。経営者なのか、医師なのか。

看護師一同:経営側の指示ですね。

看護師A:そういうクリニックは、看護師の入れ替えが激しく、未経験の子が多いんです。それが普通だと思って働き続けて、ある時に「違うんだ」と気付いてやめていくんです。

──きちんとした成分の物を使用しているのか、ひとつの判断材料として、看護師の入れ替えが激しいところは怪しんでも良さそうだが。

看護師A:可能性としてはゼロではないですね。単に人間関係が悪いという可能性もありますが。

看護師C:まさに、それで辞めてうちのクリニックに来た子がいますよ。そういう「詰め替えたりする、お客様を騙すような行為が嫌だった」と言っていました。

──国内にはそういうクリニックが結構あるのか。5カ所くらい?

看護師C:私が聞いたことがあるのは、国内で2、3カ所。5カ所も知らないですね。

看護師A:私も、実際に「このクリニックで詰め替えが行われているよ!」という具体的な内容は耳に入っていないので、実際、そんなに多くはないと思います。

看護師B:来院される方も賢くなってきていて、「目の前で開けてください」と言ってくる方もいます。

──勇気がすごい。

看護師C:言いにくいですよね。

看護師B:きちんとしているクリニックは、言わずとも目の前で開けてくれると思います。ヒアルロン酸が超激安なところは、ほぼ間違いなく、詰め替えているか薄めているか、成分が違うものだと思います。

看護師A:どうやって、あの値段にしているんだろうって思いますよね、本当に表示されている通りの製剤を使っていれば赤字になるはずだから。

──どのように安価で提供しているのか。

看護師B:海外で大量にボディ用などで買った、体内で吸収されやすいヒアルロン酸をシリンジ(注射器など)で詰め替えて、滅菌をしている……という感じでしょうか。通常、滅菌されたものを買うんですけど、助手さんたちが詰め替えて小分けにする作業を経るので、滅菌をするんでしょうね。

看護師C:もうそんなものは絶対にやめた方が良い。

──それを体に注入することで、後遺症などが出るのでは?

看護師B:速攻で体内で吸収されてなくなる?

看護師C:なくなるだけなら良いですけど。

──その箇所がボコボコすることもあり得る?

看護師C:可能性としてはあるのでは。

看護師B:例えば、何cc注入するというように、量り売りしているところは危険です。

看護師A:あれ、おかしいですよね。どうやっているんだろう?って思います。通常は1本単位です。

──1本単位の方が良い?「0.1ccでいくら」なども見掛けますが。

看護師C:絶対に1本単位のところの方が良いです。量り売りのところは誰かが分注しているっていうことですから。

──菌にも触れやすい?

看護師B:もう開けてしまっているってことですからね。

看護師A:冷蔵庫で保管しているっていうことでしょうか。

看護師C:その保存の状態を知りたいです。どういう場所で保存して、どういう冷蔵庫か。その冷蔵庫って、綺麗なの?

看護師A:昔、大手クリニックに勤務していた頃は冷蔵庫保管でしたよ。1本売りで、自分専用。いつでも注入できる、というのならまだ分かるんです。安全性は責任持てないですが。

──それはヒアルロン酸の話?

看護師A:ヒアルロン酸です。

看護師C:でも確かに、入れる過程を考えると、満足いくかなって、最初は試しで少量から入れて、置いておいて、また後で来たらちょっと足してあげるということは、優しさの行為ではあるんですよね。もったいないからって全量を入れてしまうと「大きすぎた」って溶かす施術を受けることにもなりかねない。それは、負担になるし、痛いじゃないですか。お金もかかりますし。だから、ちょっとずつ、っていうのは一概に悪いことではないと思います。

──それをどのくらいの期間、どんな冷蔵庫に入れているか、知りたい。個人個人でボトルをキープしてくれる形式だと、1カ月〜2カ月くらいか?しかし、個々のキープ式じゃないところだと、この方に、0.1cc使って、この方には0.2cc使って、というのは不衛生ではない?

看護師C:そのクリニックのお手洗いが凄く汚なかったら、大丈夫?って。そこにつながるんだと思うんですよね(看護師覆面座談会vol.1参照)。トイレ綺麗にできないのに冷蔵庫は綺麗?きちんと入れてる?って。保管の仕方は施術前に確認してもいいかもしれないですね。

看護師B:他の人が売ったものを打たれるのとか、絶対に嫌ですよね。

看護師C:嫌だっていうか、ありえないことですよね。

看護師A:そういう懸念点をクリアにするためにも、私は、一本売りがいいなぁって思います。

看護師B:ちょっとだけやってみたい、という人は量り売りの方が安いし、値段を重視するとそっちの方が嬉しいというお客様もいるとは思うんですけど。

看護師C:そこはあまりケチらない方が良さそうですね。3人が知っている中では、1ccより最小のロットはないですよね?

看護師一同:ないです!

看護師B:基本、1ccなので。0.1ccで打っているところは、100%量り売りということです。

──誰かが汚い場所で量って売っている可能性もあるわけで。体の中に入るものだし、安心して打つためにも、ヒアルロン酸は1本で買う、1cc以下では買わない。

看護師C:仕入れている値段は下げられないわけで、安すぎるところは疑ってかかった方が良いです。ヒアルロン酸は、ケチらない方が良いですね。

協力看護師 略歴 ※写真はイメージ画像です

看護師A

看護師A
美容看護師歴17年。大手美容外科に10年勤務した後、都内にあるクリニックで立ち上げから携わり、看護部長を務めている。

看護師B

看護師B
美容看護師歴20年。複数の美容クリニックの立ち上げに携わり、都内で3つのクリニックを掛け持ちしている。

看護師C

看護師C
美容看護師歴15年。美容皮膚科(外科)に6年勤務した後、都内の美容クリニックで看護部長を務めている。

(写真/Adobe Stock)

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Author

山田 千穂

山田 千穂

2013年から週刊誌の記者として、芸能、事件、健康、美容など幅広いテーマを担当。元保育園栄養士で2児の母。子供の食事、妊婦の栄養を得意とする。妊娠で18キロ太るも、産後2ヶ月で-18キロ、ウエスト58センチに。現在もキープ中。

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