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看護師覆面座談会vol.10 「美容医療の低年齢化 子どもに美容医療を受けたいと言われたらどうする?」

カレンダー2023.10.25 フォルダー連載・コラム

 美容医療を安心して受けるために、ベテラン看護師3名に覆面で美容業界の実態について教えてもらうこの座談会。最終回となる第10回は、美容医療を受ける方の低年齢化が問題視される昨今。その実態について語ってもらった。

 もし、お子さんに美容医療施術を希望されたら、あなたはどうする?

──昨今、高校生に整形を促すような広告が電車内などに貼り出され物議を醸した。実際、美容クリニック来院者の低年齢化を感じるか。

看護師C: IPL光治療のルメッカは、19歳が来ます。一人で来られました。

看護師A: 19歳、もう未成年ではなく、大人ですもんね。

──18歳を超えたらもう自分の判断だけでできるようになった。

看護師A: そうなんですよ。だから、美容医療の低年齢化というよりは、国で認定された年齢が下がり、大人の認識が変わってきている、ということがまずベースにあるのでは。

 あと、就職で、見た目が良いほうが有利という意識を持つ人が増え、実際にそういう風潮はありますよね。時代の流れとともに、さまざまな社会的背景が、美容整形の低年齢化に反映されているように思います。

看護師C: 情報が簡単に、いくらでも手に入る時代になったことも大きいです。昔の19歳の頃は、そんなに情報もなかったですし、美容についての知識もなかったですよね。

──確かに。今は、調べればすぐに何でもわかる時代。自分がどうしたら早く就職が決まるかを考えたら、「ちょっと見た目がいいほうが得だな」となる。

看護師A: それもそうですが、実は、私の高校では在学中に整形する子すでに多数いたんですよ。20年近く前です。小中高一貫の女子校で、女子しかいなかったことも整形をしやすかった一因かもしれません。

 高校生で「低年齢化」って世の中で言われていますけど、実は昔からそのような傾向はあったように思います。昔は隠していたものが、今は表に出てくるから大人たちが騒ぎ立てているだけ。世の中に認められてきて、ニーズがあるから、クリニックは広告を打ったということです。

 この件を叩いている人は、低年齢化を反対している、昔から変わらない層が声を上げているだけで、実態は変わっていないのかなと思っています。

──目に見えたり、耳に聞こえてきたりするものが増えただけ、と。

看護師A: そうですね。

看護師C: 私も、「今何でそれ騒いでいるのかな」という気持ちです。中高生での美容医療への興味関心、ニーズは昔からありますよね。

──母親に連れられて、例えば中学生くらいの年齢の方もいる?

看護師C: いらっしゃいますね。

看護師A: うちもいます。

──親御さんは、どのようなことをお話になるのか。「本当はやめてほしいけど」という雰囲気はない?

看護師A: 「子供がやりたいと言っていまして」と、お母さまは、お子さまのお気持ちを汲んで「説明をまずは聞きたい」と言って来られる方が多いです。

看護師C: そうですね。「心配で……」と言って、付き添って来られる方もいらっしゃいますが、クリニックを見て、説明を聞いて「これなら大丈夫、やってみよう!」と、安全なことが分かると「お願いします」というお母さんがほとんどです。

看護師B: 脱毛は、9歳の小学生もいます。女の子で、毛が濃いと「水着を着たくない」とコンプレックスになってしまうようで。お母さんも大抵、美意識の高い方で「娘が気にしているのでお願いします」と。娘さんも「毛が濃いのが無くなるのなら、やる!」と。しかし、いざ当てると「痛い」と言う娘さんもおり、あやしたり励ましたりしながら、時には看護師2人係で「頑張って」と応援しながら施術を行います。

──そこにはお母さんもついてくれている?

看護師B: つく時もあれば、「看護師さんにお任せします」と退席される時もあります。

看護師A: 大手クリニックに勤務していた時に「小学校5年生の娘の修学旅行前に顔脱毛をしたい」と、母娘で来られたことがありました。

 脱毛は、私自身も中学校でやりましたし、親も気にしていたので。

 脱毛は、高校大学まで待つ必要性はないですよね。ただ、成長と共に生えてくるので、成長ホルモンの様子を見て、時々通ってもらう必要性は出てきます。

 当時のニーズは「修学旅行で娘がシェービングをしなくて済むように」という内容だったので、脱毛させていただきましたが、長い人生に沿って考えると、また違う提案かあるとは思います。

看護師C: ワキガ治療もすごく多いです。最少年齢で12歳からやっていました。まだ発育段階なので再発はしますが、「子供が可哀想だから……」と。お子さんは「まだあまり分かんない」という感じですが。

──女の子は生理が始まると、匂いが活性化されるとか。

看護師C: 「それでいじめられるぐらいなら、早いうちに」と、親心からお金を持ってこられる親御さんはたくさんいらっしゃいます。

──ワキガの施術は、脇の汗腺を切る?

看護師C: 汗腺を除去する施術もありますが、今は、傷を残さないように、皮膚の表面上から焼く、ミラドライなどのレーザー治療もあります。レーザー治療でも、針を刺して焼くやり方や、加熱によるものなど色々あります。

 12歳の方は、レーザーの機械でやりました。いきなり傷跡を作る治療を選択する人はあまりおらず、レーザーから徐々にやる方がほとんどです。

 あとはボトックスをも打つ人もいます。ボトックスは、汗の量が減ることで、相対的に匂いが減ります。

──ワキガの匂いを抑えたり、脱毛をされたりということ以外に、顔の整形を施術される小中学生はいるのか。

看護師B: アイプチをずっとされていて、埋没の施術に踏み切る方多いです。

看護師C: 埋没多いです。

──最少何歳か

看護師B: 中学校一年生です。

看護師C: 写真にも残るので、学期の途中でやられる方はいないです。親御さんもそのあたりを考慮し、大体学校を卒業すると共に、中学校に上がるタイミングなどを見計らって来られます。

看護師A: 一番多いのは、高校から大学に上がる時ですよね。「垢抜けたよね」と言われるだけで済んだりするので。

看護師C: それはもう、すごく多いです。自分自身も「大学デビューするんで」と言って来られる方もいます。男の子で「モテるぞ」と言って。

──18歳から、自身の判断でできるようになったのも大きい。

看護師C: そうですね。「横顔を整えたい」と言って、顎のプロテーゼを入れる施術くらいでしたら、男女問わず結構いらっしゃいますよ。

──10代は、不安障害になりやすいとも言われている。冷静に判断できるかを考えると、やはり親も寄り添い共に真剣に考える必要がある。

看護師C: 子供は、「友達にこう指摘されたから」と言い、ただただ「やりたい」という気持ちだけを伝えてきます。大きな手術は、金銭面、リスクも考慮しなければいけないが、その点を冷静に判断できるかと言われると、子供にはまだ無理ですよね。

 大きなリスクを抱えてでも変えたいか?という判断は、全て自分で理解できる大人になってからの方が良いと思います。

 ただ、一方的に「整形はダメ!」ということではなくて、一緒に調べて、クリニックに行ってみて施術内容の詳細を共有し、細かなリスクを理解した上で「この先生であれば任せられる」と思えたら、しっかり話し合いをして決めたいです。

──そうですね、先生を選ぶことは、お子さんにはまだできない。親が信頼できる先生に出会えたら、お子さんの美容医療の施術を検討しても良いかもしれない。

協力看護師 略歴 ※写真はイメージ画像です

看護師A

看護師A
美容看護師歴17年。大手美容外科に10年勤務した後、都内にあるクリニックで立ち上げから携わり、看護部長を務めている。

看護師B

看護師B
美容看護師歴20年。複数の美容クリニックの立ち上げに携わり、都内で3つのクリニックを掛け持ちしている。

看護師C

看護師C
美容看護師歴15年。美容皮膚科(外科)に6年勤務した後、都内の美容クリニックで看護部長を務めている。

(写真/Adobe Stock)

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Author

山田 千穂

山田 千穂

2013年から週刊誌の記者として、芸能、事件、健康、美容など幅広いテーマを担当。元保育園栄養士で2児の母。子供の食事、妊婦の栄養を得意とする。妊娠で18キロ太るも、産後2ヶ月で-18キロ、ウエスト58センチに。現在もキープ中。

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