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看護師覆面座談会vol.8 「施術が上手な看護師の見分け方と美容医療の安全性を高めるために必要なこと」

カレンダー2023.10.11 フォルダー連載・コラム

 美容医療を安心して受けるために、ベテラン看護師3名に覆面で美容業界の実態について教えてもらうこの座談会。第8回は、施術が上手な看護師の見分け方についてと今後の美容医療発展のため、安全性を高めるための取り組みについて語ってもらった。

──副作用、リスクを回避するために施術が上手な看護師の見分け方を教えてほしい。

看護師A:症例数が多くとも、その人と機械の相性もあるため、例えばハイフ(HIFU、集束超音波治療)でヤケドなどはあり得ます。それが起きた時に、早くそれを見つけてアフターケアをする、ということの方が現実的です。ですから、アフターケア、何かあった時に素早く対処してくれるクリニックを見分ける方法ということになります。

看護師C:そうですね。万が一に、何か副作用が起きても、見捨てずにアフターケアをするように、医師や看護師の教育が行き届いているところが良いですよね。

──看護師の対応が丁寧、教育が行き届いているような雰囲気があるクリニックは、先生含めアフターケアなど総体的に良いのか。

看護師B:それは一理有ります。受診した際は、とにかく疑問点をたくさん質問した方がいいと思います。看護師が、「先生に聞いてきますね」と言うのではなく、医師と同等レベルの知識を持って答えられるかどうかというところは、教育が行き届いた看護師が勤務するクリニックかを判断する一つの要素になります。

──確かに、聞いても全然答えられない看護師もいる。

看護師C:質問はたくさんした方が良いです。

──手技の上手な医師や看護師を見分けることも必要だが、美容医療は通常の医療行為とは異なり、対象テリトリーも広く教育システムが確立していない。そんな中で、どうしたら美容医療全体の安全性を高めていくことができると思われるか。

看護師A:これは個々のクリニック、組織としてだけの問題ではないですよね。美容医療業界全体での話。クリニックのメリット、デメリットなどを越え、美容医療クリニック全体でつながる機会を持ち情報共有し、手技や照射方法などを高めていく必要があるのでは。

──おっしゃる通り、個々のクリニックで熟考しても、内部で止まってしまい問題点が見えづらい上に改善しづらい。

看護師A:そうなんですよ。看護師のレベルも上がっていかねばならないですが、個々にやっていてもなかなか上がらないですよね。

看護師B:美容医療の看護師の中で、情報を共有したり、手技を上達させる場がないので、そのような技術を上達させる場があったらいいなと思います。海外の看護師にはそのような場があると聞くので、日本でもぜひ広まってほしいです。

──韓国などではそういう情報共有、教育の場がある?

看護師A:韓国は看護師が施術できないので、看護師のそのような場はありませんが、ドクターはあります。国内ではハイフは看護師が打つことが多い施術ですが、学ぶ場所がないのが現状です。真面目なドクターはきちんとナースに指導してくれますが……売上重視のクリニックはドクターがナースに教える時間を設けてくれないと聞きますね。説明書を見ながら見様見真似でやっているという話も聞いたことあります。

看護師B:あと、ご自身でハイフの照射をする先生ももちろんいますが、すべてナース任せのクリニックに限っては、先生の説明を聞いても「本当にそう?」「わかっている?」という方もいます。

看護師A:国内でハイフは看護師がやっているクリニックが多いですから、中には打ち方を理解していない先生もいますね。

──他に何か、美容医療業界の発展のために必要なことは?

看護師B:美容看護師の教科書がないので、現在は、クリニックによって手技の差がすごく出ています。できる限り、手技や技術の知識にバラつきが出ないよう、施術のベースになる参考書のようなものがあると良いのではないかと思います。

看護師C:それは、あったら絶対に良いですね。

看護師B:実は、一般病棟の看護師になりたいという人は減っているんです。「大変だし、つらいし」と。一方で、「美容看護師になりたい」という人は増えています。それなのに、他の科の看護師書はたくさんあるけれど、美容医療の参考書がないままでは良くないですよね。

──そうですね。今後、美容看護師の参考書が発売され、手技の差がなくなっていくと良いですね。

協力看護師 略歴 ※写真はイメージ画像です

看護師A

看護師A
美容看護師歴17年。大手美容外科に10年勤務した後、都内にあるクリニックで立ち上げから携わり、看護部長を務めている。

看護師B

看護師B
美容看護師歴20年。複数の美容クリニックの立ち上げに携わり、都内で3つのクリニックを掛け持ちしている。

看護師C

看護師C
美容看護師歴15年。美容皮膚科(外科)に6年勤務した後、都内の美容クリニックで看護部長を務めている。

(写真/Adobe Stock)

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Author

山田 千穂

山田 千穂

2013年から週刊誌の記者として、芸能、事件、健康、美容など幅広いテーマを担当。元保育園栄養士で2児の母。子供の食事、妊婦の栄養を得意とする。妊娠で18キロ太るも、産後2ヶ月で-18キロ、ウエスト58センチに。現在もキープ中。

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