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バッカルファット除去 Vol.3 手術から回復までのステップと注意点、米国美容協会が解説

カレンダー2024.1.22 フォルダー連載・コラム

ポイント

  • 頬の脂肪除去は、麻酔から切開、脂肪除去、最後に切開を閉じるまでの段階で進められる。
  • 手術後には、頬の不快感への対処や経過観察など、回復とアフターケアも重要。
  • 副作用やリスクもあるので、十分な情報を得た上で意思決定し、専門家に相談することが必要。
手術に伴うリスクはある。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

手術に伴うリスクはある。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 「バッカルファット除去(頬の脂肪除去)」は、頬の脂肪を取ることで、顔の輪郭を整える手術。米国美容協会(ACA)の解説を参考に、手術によってメリットなどを3回に分けて紹介しているが、第3回目は手術のプロセスや合併症、リスクについての情報をお伝えする。

バッカルファット除去のプロセス

バッカルファット除去では口の内側から脂肪を除く。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

バッカルファット除去では口の内側から脂肪を除く。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

麻酔

 バッカルファット除去では、痛みを最小限に抑えるために麻酔を行う。これにより治療部位を麻痺させて、脂肪を効果的に除去できるという。

切開と脂肪除去

 頬の内側をメスで小さく切って、そこから脂肪の塊を取り除くことで、スリムではっきりとした顔の輪郭へと整える。

切開部の閉鎖

 切開した部分を適切に閉じることは、治癒と感染予防のために重要なプロセス。医療の糸で切り口を縫合して閉じる。また、場合によっては外科用接着剤を使うこともあるという。

回復とアフターケア

手術後の注意点

 手術後は、傷口がうまく治るように次のことに注意するとよいという。

  • 激しい運動を避ける。
  • 処方された薬を指示通りに使う。
  • バランスの取れた食事を取り、水分補給を心掛ける。

頬の不快感や腫れの対処

 手術後の頬の不快感や腫れを和らげるために次のような対処があるという。

  • 冷湿布を貼る。
  • 軟らかい食事を心がける。
  • 顔のマッサージを行う。

経過観察のための医療機関の予約

 バッカルファット除去の後の定期的なフォローアップのための医療機関の予約は、回復の状況をチェックし、手術後に起こるかもしれない問題に対応するために重要と米国美容協会。

起こりうる副作用、リスク、合併症

バッカルファット除去により輪郭がシャープになる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

一般的な副作用

 バッカルファット除去をした後の副作用には個人差があるものの一般的だという。

  • 腫れやあざが起こることがよくあるが、通常は数日~数週間で収まる。
  • しびれや不快感もよく見られるが、一時的な副作用という。
  • 術後の指示を守ることが、不快感を最小限に抑え、スムーズな回復のために重要となる。

起こりうるリスクと合併症

 バッカルファット除去は通常は安全に行われるものの、いくつかのリスクや合併症があることを知っておくことは大切だろう。次のような問題が起こることもある。

  • 感染は、術後の適切なケアが守られないときに起こる可能性がある。
  • 神経損傷は、一時的あるいは永久的にしびれが残る可能性がある。
  • 傷跡が残る可能性がある。これは個人の治癒能力によって異なる。

 ここまで示してきたように、バッカルファット除去にはメリットがある一方で、リスクもあるので、それらの情報を天秤にかけて検討することが欠かせないといえるだろう。

参考文献

バッカルファット除去: What You Need to Know
https://www.cosmeticassociation.org/buccal-fat-removal-what-you-need-to-know/

2022年、美容医療の世界ランキング公開、第3位はまぶたの手術、第2位は豊胸術、前年に続く第1位とは?国際美容外科学会(ISAPS)調査
https://biyouhifuko.com/news/world/3331/

美容医療、どう選ぶ?専門家の意見とアドバイス、第46回日本美容外科学会総会・第148回学術集会
https://biyouhifuko.com/news/japan/3296/

カウンセリングで安心、美容外科手術前に医師に聞くべき、米国形成外科学会が勧める重要質問
https://biyouhifuko.com/news/world/2351/

美容医療の施術後の修正、実践と進化、第111回日本美容外科学会(JSAS)
https://biyouhifuko.com/news/japan/1432/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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