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美容医療とクーリング・オフ Vol.2 関連商品と「美容目的」の範囲

カレンダー2024.1.31 フォルダー連載・コラム

ポイント

  • 無料のアフターサービスが受けられる期間も「治療期間」に含まれる
  • 関連商品とみなされる物はクーリング・オフの対象となる
  • 美容目的に該当しない治療はクーリング・オフの対象外
クーリング・オフの対象になる美容医療とは?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

クーリング・オフの対象になる美容医療とは?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 美容医療の契約も対象とされている「クーリング・オフ」について解説する連載。今回は、アフターサービスや関連商品などを取り上げる。

クーリング・オフの前提

美容医療の費用や期間が重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

美容医療の費用や期間が重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 美容医療は、クーリング・オフの対象となる「特定継続的役務提供」に指定されている。クーリング・オフできる条件は、以下の3つすべてを満たす場合とされる。

  • 治療や施術の期間が1カ月を超える
  • 金額が5万円を超える
  • 契約書を受け取ってから8日以内

 実際に契約をしたり施術を受けたりする場合には、いろいろなケースがあるだろう。どのような場合にクーリング・オフできるのか。前回に続き、消費者庁から発表されたガイドをもとに解説していく。

無料のアフターサービス

【ケース1】

 1回限りの治療(5万円を超えるもの)に対して、無料のアフターサービスが付いている場合。

【解説】

 無料でアフターサービスが提供される場合、当該期間が1カ月を超える場合は「1カ月超」に該当すると考えて良いようだ。よって、契約書を受け取ってから8日以内はクーリング・オフできる可能性がある。

関連商品

【ケース2】

 1回限りの治療(5万円を超えるもの)に対して、関連する商品を購入した場合。

【解説】

 「受けた治療に対して購入する必要のある商品」として政令で定められた商品(関連商品)であれば、使用期間が1カ月を超える場合はクーリング・オフできる可能性がある。

 例えば、「治療にあたっては、この塗布剤を購入して自宅で2カ月間毎日使用することが必要」などと告げられて購入した場合が当てはまる。

 また、以下の物も関連商品に当てはまり、クーリング・オフの対象となるようだ。

<使用済みでも可>

  • 下着類
  • 美顔器
  • 脱毛器

<未使用のみ可>

  • 健康食品
  • 化粧品
  • 石けん(医薬品を除く)
  • 浴用剤

 これらと区別して、施術や治療に対して必ずしも購入する必要がないものを「消費者が自らの意思で購入した場合」はクーリング・オフできない。

 また、治療に伴い処方される痛み止めや抗生剤も、関連商品には該当しないようだ。

 トラブルを避けるために、契約をする際は「購入する必要がある」と説明を受けた商品について、関連商品として交付書面に記載されているかを確認することが大切だろう。

効果の持続

持続の効果と施術の感覚などから判断。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

持続の効果と施術の感覚などから判断。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

【ケース3】

 1回限りの治療(5万円を超えるもの)を行う場合で、一定期間にわたって効果が持続することをうたっている場合。

【解説】

 一定期間効果が持続することをうたうことは、治療の効果について説明を行っているにすぎないと考えられる。「消費者の意思決定を拘束している」ことにはならず、クーリング・オフはできないだろう。

 ただし、一定期間の効果の持続をうたっていて、当初の契約の時点で「効果が薄れた場合に無料で治療を行うことを保証」している場合、その期間が1カ月を超えるときはクーリング・オフできる可能性がある。

 初回において書面交付が行われていなかった場合、消費者の申し立てにより書面交付を受けられる場合があるようだ。

 その場合は、初回から過ぎた日程はカウントされず、書面が交付された日から8日間がクーリング・オフの対象期間となる。

「美容目的」の範囲

 国民生活センターによると、美容医療は「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、体重を減じ、又は歯牙を漂白するための医学的処置、手術及びその他の治療を行うこと(美容を目的とするものであって、主務省令で定める方法によるものに限る)」と定義されている。

 行った治療が美容目的に該当するか否かは、この基準をもとに判断されるようだ。いくつかの例を見ていこう。

【ケース4-1】

 病理検査で悪性と判断されたほくろを除去した場合。

【解説】

 このケースは美容目的に該当しないようだ。よって、クーリング・オフの対象にならない。

【ケース4-2】

 外科手術を行った後に、手術跡の治療を目的としてレーザー治療を行う場合。

【解説】

 手術後の傷跡の治療は、全体として「健康な状態への回復」のために行われるものとみなされる。よって美容目的にならず、クーリング・オフの対象にはならない。

 しかし、手術から明らかに時間が経ってから、「見た目の改善」のために新たに治療を受ける場合は、美容医療に該当するようだ。このケースはクーリング・オフの対象になる可能性があるので、治療前に契約書を作成するなど医療機関と相談すると良いだろう。

【ケース4-3】

 美容目的の手術で挿入した糸を、一定の時間が経過してから除去する場合。

【解説】

 糸の除去が初めから予定されている場合は、2つの治療は「実質一体」とみなされるようだ。ケース全体として「1か月超・5万円超」を満たす場合、クーリング・オフできる可能性がある。

 初回において書面交付が行われていなかった場合、消費者の申し立てにより書面交付を受けられる場合があるようだ。

 その場合は、初回から過ぎた日程はカウントされず、書面が交付された日から8日間がクーリング・オフの対象期間となる。

【ケース4-4】

 レーザー治療により頭皮を活性化させ発毛や育毛を促す場合。

【解説】

 発毛を促す治療は、美容目的に該当しないようだ。また育毛の施術において、頭皮を清潔にする工程があっても、「育毛」を目的とする場合は美容目的には当てはまらないとされる。

 よって、レーザー治療による発毛や育毛を行う場合は、クーリング・オフの対象にはならない。

疑問がある時は188番へ

不明があれば相談を。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

不明があれば相談を。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 クーリング・オフは、書面やFAXのほか、電子メールや事業者のウェブサイトに設けられたクーリング・オフ専用フォームなどで行うことができる。

 今回紹介したようなケースも含め、クーリング・オフしたい時や疑問がある際は、専門家へ質問すると良いだろう。

「消費者ホットライン」188(局番なし)

 相談をする際は、契約書等の関係書類やトラブルが起きた物の写真などを用意しておくとスムーズだ。それらが手元にない場合も、現在の状況について記入したメモがあると説明しやすい。一人で悩むよりも解決に近づけるはずだ。

参考文献

特定継続的役務提供(美容医療分野)Q&A(消費者庁)
https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20171213ac01.pdf

特定継続的役務提供Q&A
https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/continuousservices.html

クーリング・オフ
https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html

美容医療サービスはクーリング・オフできる?
https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2021_05.html

全国の消費生活センター等
https://www.kokusen.go.jp/map/index.html

消費生活センター 一人で悩まず、気軽に相談を
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen350.html

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Author

永田未来

永田未来

フリーライター。主婦と生活社を経て独立。美容やヘルスケア関連を含めた多彩な分野で執筆やインタビュー取材に対応。日本で数少ないヘアライターとしての執筆にも力を入れている。音楽誌および女性誌編集者の経験をベースにした分かりやすい情報発信を強みとする。

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