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ダイエット目的の薬が不足、厚生労働省に糖尿病治療薬の要望書、関連団体が提出

カレンダー2023.11.8 フォルダー 国内

ポイント

  • 糖尿病関連の団体が、厚生労働省に糖尿病薬の不足について要望書を出した
  • ダイエット目的で使われるGLP-1受容体作動薬の供給不足などが問題になっている
  • 美容医療で一般的に使われているGLP-1受容体作動薬の状況が変わる可能性もある

 2023年11月6日、糖尿病に関連する団体が厚生労働省に、糖尿病の薬の供給についての要望書を提出した。この要望書の背景には、自由診療でダイエット目的に使われている糖尿病薬の一つ、GLP-1受容体作動薬が不足しているなどの問題がある。美容医療にも関連する問題として注目される。

薬が足りない

GLP-1受容体作動薬ウゴービは、既に発売されている海外で人気の高まりで供給不足に陥っている。(写真/Adobe Stock)

GLP-1受容体作動薬ウゴービは、既に発売されている海外で人気の高まりで供給不足に陥っている。(写真/Adobe Stock)

 ヒフコNEWSでも伝えている通り、世界中でGLP-1受容体作動薬が人気になっている。体重を減らす効果が注目されているためで、世界的に供給不足が問題になっている。

 2023年3月に、日本でも肥満症治療薬としてセマグルチドという注射薬が承認された。この薬は体重を減らすことが証明され、病的な肥満に対する治療に使われる予定になっている。供給不足問題などもあり、11月の段階でもいまだに発売に至っていない。

※セマグルチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬として知られる薬。血糖値を下げるホルモンのインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させる効果を持っている。もともと糖尿病治療を目的として開発されたが、体重減少の効果から肥満症治療を目的としても開発され、日本を含めて各国でそれぞれの治療目的で承認されている。なお、注射薬と飲み薬が存在しており、使用目的と薬の形態によって商品名が異なっている。糖尿病治療を目的とする場合、注射薬は「オゼンピック」という商品名で、飲み薬は「リベルサス」という商品名。肥満症治療を目的とする場合、注射薬は「ウゴービ」という商品名である。今後、肥満症治療を目的とした飲み薬が登場する可能性がある。

 GLP-1受容体作動薬は、セマグルチドを含む複数の種類が存在し、今後、さらに新しい薬が登場する見込み。糖尿病薬はGLP-1受容体作動薬以外にもあるが、それらもダイエット目的で使われることがある。

 そうした中で、今年4月、日本糖尿病学会は「不適切な薬物療法」が健康を脅かすと見解を発表。GLP-1受容体作動薬は糖尿病の薬であり、低血糖などの副作用が懸念されている。

糖尿病薬不足の解決へ対策を求める

厚生労働省に要望書。(写真/Adobe Stock)

厚生労働省に要望書。(写真/Adobe Stock)

 このたび日本糖尿病協会、日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会が連名で厚労省に、「糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書」を提出した。要望書によると、GLP-1受容体作動薬が不足しているだけではなく、他の糖尿病薬も不足しているとの指摘がある。

 これらの関連団体は、採算が合わない糖尿病薬の薬価の引き上げの動きが進むことに感謝の意を表明した上で、現在の供給不足の問題解決を要請した。さらに、当事者の意見を尊重して、聞くことも求めた。

 GLP-1受容体作動薬は、美容医療でも一般的に使用されているが、今後は状況には変化がある可能性もある。

参考文献

糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書  厚生労働省に提出
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/PR66_drug.pdf

肥満症対策の新薬セマグルチド、心臓病などの予防効果も
https://biyouhifuko.com/news/research/2958/

肥満症の新たな治療法?セマグルチド飲み薬が体重減少に効果
https://biyouhifuko.com/news/research/2373/

「GLP-1ダイエット」広告、美容医療の新たな問題?厚労省が委員会で議論
https://biyouhifuko.com/news/japan/3731/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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