ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

プラズマ高周波機器「Plasma IQ」の目元治療、1回で皮膚の弾力と上まぶたの測定値が改善、30人全員に一時的な赤みと腫れ、長期安全性の評価に課題

カレンダー2026.8.7 フォルダー最新研究

 たるみやシワのある上まぶた、下まぶた、目尻にプラズマ高周波治療を行ったところ、皮膚の弾力や上まぶたの状態が改善したとする研究結果が報告された。

 ポーランドの研究グループが2026年3月に報告した。

皮膚表面を点状に焦がし、約0.1mmの微小損傷

目元の皮膚とまぶたを近くから写した顔のアップ。

プラズマ高周波治療の研究では、上まぶたや下まぶた、目尻など、皮膚が薄い目元への照射後の変化が評価された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 治療方法→機器を皮膚に触れさせず、上まぶたや下まぶた、目尻へ1~2mm間隔で点状にプラズマを照射した。
  • 微小損傷→皮膚表面に平均直径約0.42mm、深さ約0.10mmの炭化した微小損傷を作り、修復反応を促した。
  • 研究対象→25~66歳の30人に1回治療を行い、治療前と7日後、21日後、90日後の皮膚状態を測定した。

 今回使われた「Plasma IQ」は、機器の先端と皮膚の間にある空気をイオン化し、プラズマ放電を起こす装置となる。たるみやシワのある上まぶた、下まぶた、目尻に、皮膚へ直接触れず1~2mm間隔で点状に照射した。

 論文では、表皮の一部を固体から気体へ変える「昇華」と説明している。ただし、皮膚全体を一気に気化させるものではない。皮膚表面のごく小さな部分を熱で蒸散または炭化させ、正常な皮膚を間に残しながら点状の微小損傷をつくる治療となる。考え方としては、フラクショナルレーザーによる施術に近い。

 論文が引用したメーカー資料によると、照射によってできる炭化した微小損傷は、平均直径約0.42mm、深さ約0.10mmとされる。照射部は小さなかさぶたとなり、通常は約1週間で自然に剥がれる。

 対象は25~66歳の30人で、女性27人、男性3人だった。治療前と7日後、21日後、90日後に、皮膚の弾力や水分量などを測定した。

 上まぶたについては、目を開けた状態で、上まつ毛の生え際から上まぶたの皮膚の折れ目までの距離を測った。たるみやシワが改善して上まぶたがすっきりすると、この距離が広がると考えられる。今回の研究では、この測定値を上まぶたの状態を示す指標として使った。

 なお、皮膚表面や皮膚内部の温度は測定されていない。熱がどの範囲まで広がったかも独立して調べられておらず、著者らは今後、温度測定を含む検証が必要と認めている。

弾力は改善したが、全員に赤みと腫れ

まつ毛とまぶた、目の周囲の皮膚を近くから写した目元のアップ。

目元のプラズマ治療では、点状の照射によるかさぶた、赤み、腫れ、痛み、色素沈着などへの注意が必要となる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 弾力の変化→皮膚の弾力は治療90日後に22.51%向上し、上まぶたの状態を示す測定値も49.11%増加した。
  • 副作用→30人全員に一時的な赤みと腫れが生じ、約7割が中程度以上の痛みを訴えた。
  • 研究の限界→対照群がなく、対象者は30人、観察期間は90日間で、長期的な効果や合併症は十分に評価されていない。

 皮膚の弾力は治療前と比べ、7日後に14.40%、21日後に18.72%、90日後に22.51%向上した。

 上まぶたの状態を示す測定値は、治療前の平均4.30mmから、90日後には6.41mmとなり、49.11%増加した。たるみやシワのある上まぶたがすっきりした可能性を示す結果となった。

 一方、皮膚の水分量は7日後に一時的に増えたものの、21日後と90日後には有意な改善がなかった。初期の増加は、治療後の腫れを反映した可能性もある。

 30人全員に赤みと局所的な腫れが生じた。本人の記録によると、赤みは平均2.77日、腫れは平均3.57日続いた。痛みについては、約47%が「中程度」、20%が「痛い」、約3%が「非常に痛い」と回答した。重い有害事象は報告されなかった。

 90日後、施術を受けた人の70%が結果を「良い」または「非常に良い」と評価した。専門家による写真評価でも約72%が同様の評価となった。ただし、シワの深さや本数は客観的に測定されていない。

 研究には対照群がなく、参加者も30人に限られた。観察期間は90日間で、効果の持続性や、色素沈着、瘢痕、感染など遅れて現れる可能性のある合併症は十分に評価できない。著者のうち複数が関連企業に勤務しており、筆頭著者は関連企業の外部科学コンサルタントを務めていた。

 プラズマ治療後の色素沈着については、別の報告もある。

 2020年には、PlexRシリーズのプラズマ治療機器を使った目元の施術106人、計164回のうち、2人に両側の炎症後色素沈着が生じた。2人はいずれも、シリーズ内で最も出力が高い赤色のPlexRデバイスで治療を受けていた。

 今回の研究は、1回の治療によって目元の皮膚の弾力や上まぶたのたるみの改善を示唆する測定値の変化が確認された。一方、赤み、腫れ、痛みに加え、別の報告では長引く色素沈着も確認されている。安全性を判断するには、より多くの人を長期間追跡した比較研究が必要となる。

参考文献

Kubik P, Gruszczyński W, Pawłowska A, et al. Clinical and Instrument-Based Evaluation of Plasma IQ Microcurrent Radiofrequency for Periorbital Skin Rejuvenation. Biomedicines. 2026;14(3):679. doi:10.3390/biomedicines14030679. PMID: 41898324; PMCID: PMC13024019.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41898324/

Nipshagen MD, Velthuis PJ, Mosmuller DGM. Periorbital postinflammatory hyperpigmentation after plasma exeresis. Dermatol Ther. 2020;33(3):e13404. doi:10.1111/dth.13404. PMID: 32279389; PMCID: PMC7317400.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7317400/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。