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AIと美容医療の未来とは?画像の分析から手術まで、AIの役割は拡大中、米国形成外科学会が示す

カレンダー2023.12.6 フォルダー 海外

ポイント

  • AIは美容医療の分野へ導入が進んでいくことが見込まれる
  • AIは画像を分析する技術を中心に利用が広がりそうである
  • 美容医療は人々の個性を把握するのが難しい可能性がある
画像を分析。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

画像を分析。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2023年は生成AIの医療が注目を浴びたが、AIは美容医療にもますます影響を与えそうだ。この動向に関して、米国形成外科学会が2023年11月20日に関連レポートを公開している。

手術でAI、次に何すべきかを提案

AIが仕事をサポート。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

AIが仕事をサポート。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 AIはさまざまな分野で普及が進んでいるが、美容医療も例外ではない。米国形成外科学会では、AI分野に詳しいRoy Kim医師にこれからAIが美容医療をどのような役割を果たすかを聞いている。

AIは、既にチャットボットなどを通じて医師や美容医療を受ける人たちをサポートするために実用化されているが、まだ人に対する医療分野に対する活用は限られている。Kim医師によると、AIは医師の仕事を補う役割を果たすという。将来的に、美容医療の医師がしている仕事がAIが取って代わることは難しいと見られている。その上で、美容医療の中でAIは次のような形で進歩していくと考えられている。

  • AI搭載の眼鏡で手術を分析し、次に何をすべきかを提案できるようになる
  • AIが皮膚の状態を分析して、その条件に合わせたレーザー治療を可能にする
  • AIが皮膚の写真やX線で撮影した写真などからがんなどの病気を見つけ出す
  • AIがロボットに搭載されて、ロボットによる注射や処置をコントロールする

AIの活用が画像を分析する技術を中心に発展していく可能性が推定される。

AIは個性を把握することが苦手?

肌トラブルを予測できる?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

肌トラブルを予測できる?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 AIとうまく付き合っていくことが重要だ。Kim医師によれば、AIは美容医療の未来にとって大切だが、利用には注意が必要と強調する。一つは、治療を受ける人たちの安全性と個性が損なわれないようにすること。AIによって得られる情報は貴重ではあるものの、美容医療を受ける人たちの個性を完全に把握できない可能性があるという。AIは個人に合わせた治療のカスタマイズが苦手である可能性があるわけで、そんなAIと美容医療の限界を知っておくのは良いかもしれない。

 ヒフコNEWSで紹介したように、美容医療の分野では、画像を分析する技術が進歩して施術後のイメージを事前に確認できるようにもなっている。また若返りの分野では、脳の状態を分析する技術が出てきていた。美容医療の分野でもAIは身近になっていきそうだ。

参考文献

The future of beauty: How the introduction of artificial intelligence is shaping the landscape of plastic surgery
The future of beauty: How the introduction of artificial intelligence is shaping the landscape of plastic surgery

美容整形の期待と現実を一致させる!CrisalixやVECTRAなど最新の画像技術
https://biyouhifuko.com/news/world/3324/

「脳ドック」進化版、AIがあなたの本当の脳年齢を発見
https://biyouhifuko.com/news/japan/1936/


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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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