「え…こんなところにシミ?」ふと鏡を見て背中にシミができていることに気づきショックを受けた方、いらっしゃいませんか。
結論からいいますと、シミは美容クリニックなどの医療機関で治療するのが早い方法です。
背中のシミ治療には。シミ取りレーザー、レーザートーニングといった治療方法があります。
この記事では、背中のシミ取り施術、シミの原因やシミができないようにするための対策をご紹介!
顔のシミについて悩みを持っている方は、以下のコラムをご覧ください。
背中にシミができる原因
そこでここでは背中のシミに対処するため、まずはシミができてしまう原因から探ってみましょう。
紫外線を浴びたことによるシミ
夏場や止むを得ず長時間外に出ていた場合などに、紫外線をたくさん浴びますよね。
背中が隠れている洋服だとしても、UV加工のない白いシャツなどは紫外線が通過してしまうため日焼けにつながります。
強い日光が直接背中に当たることにより、メラニンを合成する酵素であるチロシナーゼが活性化され、メラノサイトからメラニン色素が生成されつるのです。
通常、肌内部のメラニン色素は、皮膚のターンオーバーとともに体外に排出され剥がれ落ちるのですが、メラノサイトが異常に活性化していたり、ターンオーバーが乱れていると、部分的にメラニン色素が皮膚内部に滞留し、シミとして肌に現れてしまうのです。
日焼けが落ち着いた秋から冬にかけてシミが目立つようになるので、早めのケアが必要です。
特に色白で、日に焼けても赤くなって黒くなりにくい肌の方は身体のシミができやすいといわれています。
日焼け止め以外のアイテムも使用し、入念な紫外線ケアを心がけましょう。
ニキビや傷跡の色素沈着
背中は自分で見えないだけでなく、手が届かないこともありセルフケアがしづらい部位でもあります。
汗や皮脂なども多く、毛穴が詰まりやすいため、気づかないうちにニキビができていることも珍しくありません。
ニキビに気づかず、放置してしまうことで炎症が長引き、色素沈着を起こします。
同様に、虫刺されなどによる傷跡も色素沈着を起こすため、皮膚を傷つけるまで掻き壊すことのないよう注意が必要です。
代表的な背中のシミの種類
一口に「シミ」と言っても原因は様々で、原因によって対策方法も異なります。
それぞれのシミの種類とその特徴をご紹介します。
背中のシミ①光線性花弁状色素斑
夏場に水ぶくれや火傷になるような急激な日焼けが原因で発症するのが光線性花弁状色素斑です。
日焼け後、その症状がしばらくしてから時間差で出てきます。
大きさは数mm〜1cm程度で、形は花びら・金平糖のようになっています。肩から背中にかけて散らばったように複数のシミが発生します。
通常のシミよりも深い真皮層までダメージを受けることで発症するため、治療が難しいといわれています。
色白の方、日焼けによって肌が赤くなるタイプの方にできやすいので、当てはまる方は注意してください。
この花弁状色素斑は、Qスイッチレーザーやピコレーザーといったシミ取りレーザーで治療が可能です。
背中のシミ②老人性色素斑
顔にできるシミの多くはこの老人性色素斑ですが、背中や身体、腕、手の甲など、紫外線の当たりやすい場所にも同様のシミが発生します。
原因は紫外線と加齢で、過剰に生成されたメラニン色素が、表皮細胞ケラチノサイトの機能が低下することによりターンオーバーが衰えてくることで排出されずに溜まり発症します。
「老人性」とは言っても、日常的に紫外線を浴びていれば20代などの若年層の方でもできることがありますので、紫外線対策は怠らないことが大切です。
最も多く現れるのは30代以降の方です。
形は円形・楕円形で薄茶色をしています。
クリニックでしっかり治療したい方は、花弁状色素斑と同様にQスイッチレーザーやピコレーザーによるシミ取りレーザー治療が有効です。
ハイドロキノンなどの塗り薬や、飲み薬による治療もできます。
背中のシミ③炎症後色素沈着
背中に気づかない内にできていたニキビや虫刺され跡の炎症が長引くことで、メラニン色素が過剰に生成されてできてしまうシミのような茶色い跡のことを炎症後色素沈着といいます。
基本的に色素沈着は、シミとは違って時間が経てばターンオーバーとともに消えていくものなので、治療は必要ないと考えられていますが、衣服の刺激などによって残ってしまうものもあります。
治療法としては、あまり刺激を与えたり、炎症を引き起こしたりしない方法がベストなので、レーザートーニングやピコトーニングといった肌に刺激の少ないものがよいでしょう。
ビタミンCやトラネキサム酸のイオン導入、ケミカルピーリングなども色素沈着を薄くする効果が期待できます。
市販品やセルフケアで背中のシミを防げる?
原因やシミの種類が分かったら、大切なのは「どう対策するか」です。
まずは自分でできるセルフケアを行って、今あるシミをできるだけ目立たなくすることを考えてみましょう。
日焼け止めをしっかり塗り、日傘を使う
日光の当たる場所では短時間でも日傘を使ったり、日焼け止めをしっかり塗ったりして、「汗で流れたな」と思ったら再度塗り直すことが大切です。
また、背中は一人で日焼け止めが塗りにくい部位でもあるため、日傘を使うなどして、紫外線が直接皮膚に当たらないよう工夫しましょう。
日焼け止めを使用する場合は、スプレータイプにすることで、背中の塗りにくい部分もカバーができます。
なお、花弁状色素斑や老人性色素斑に関しては、既にできているものは市販品などを使ったセルフケアでは薄くすることができません。
そのため色白の人など花弁状色素斑ができやすい体質の方は、事前の予防対策が必須です。
UVカット加工の衣服を着る
こちらも紫外線対策の一環です。
夏場はちょっと暑いと感じるかもしれませんが、全体をカバーできる長袖のUVカット加工の衣服を身につけるのがよいでしょう。
紫外線を浴びないことが一番のシミ予防です。侮ることなくしっかり対策してください。
日焼け止めサプリを飲む
「飲む日焼け止め」と言われているサプリメントが数多く存在します。
日焼け止めを塗るケアももちろんですが、身体の中から紫外線のダメージを和らげることができるサプリメントも併用することで、より効果的な紫外線対策となります。
日焼け止めサプリメントは、かなり多くの種類が様々な企業から発売されていますが、代表的な主成分が2つあります。
それが、元祖飲む日焼け止めと言われている「ヘリオケア」に配合されているシダ植物由来の「ファーンブロック」と、紫外線に強い地中海の植物から抽出した成分である「ニュートロックスサン」です。
どちらも研究機関で長年の研究に亘って開発された成分ですので、このどちらかが入っているもの、さらに含有量が多いものを選ぶといいでしょう。
嬉しいのが、思いがけずに日焼けしてしまった後に飲んでも効果を発揮してくれること。
日焼けによるダメージを最小限にしてくれるそうなので、もしもの時のために常備しておくのもいいかもしれません。
すでにできてしまった背中のシミは医療機関で治療を
「セルフケアでは足りない・・・」「すぐに簡単にシミを消したい」という方には、クリニックを受診していただくというのも1つの手です。
専門知識を持った医師が、シミの種類や希望に合わせて効果的な治療法を紹介してくれます。
ここでは、背中にできたシミの治療に効く医療機関での治療方法をご紹介しますのでご確認ください。
背中のシミ治療法①レーザー治療
美容皮膚科では様々な種類のレーザー治療が用意されています。
シミの種類や大きさによって効果のあるレーザー治療は異なります。
光線性花弁状色素斑や老人性色素斑のレーザー治療には「Qスイッチレーザー」や「ピコレーザー」によるシミ治療が効果的です。
レーザーの種類には、ルビー、アレキサンドライト、Nd;YAGと様々ありますが、どの種類でもメラニンに反応してシミを除去するという作用があるため、この機種でないとダメと言うようなことはありません。
ただ、Qスイッチレーザーよりはピコレーザーの方が皮膚へのダメージが少ないため、ダウンタイムが短く軽く済むといわれています。
Qスイッチの場合は、治療後1週間ほど絆創膏で保護する必要がありますが、ピコレーザーでは絆創膏は必要ない場合が多いとのことです。
料金はシミの大きさや数によって変わってきます。相場としては5mm以下で3,000〜5,000円ほどです。参考にしてみてください。
レーザー治療(シミ・あざ・刺青)の治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
背中のシミ治療法②美白の塗り薬
炎症後色素沈着の場合、クリニックで処方される美白の塗り薬を使用することで、色素沈着部分の色を薄くすることができます。
塗り薬の中で最も効果が高いと言われているのが「ハイドロキノン」です。
ハイドロキノンは梨などの果物やコーヒー、小麦製品にも含まれる成分で、皮膚を紫外線によるダメージから守る働きがあります。
市販品もありますが、濃度が2%以下と定められており、クリニックで処方されるものよりも低濃度になります。料金は5g 2,000円弱ほどです。
背中のシミに関するQ&A
Q1.背中にシミができる原因とは?
背中のシミの原因は以下が多いです。
- 紫外線を浴びたことで過剰生成されたメラニン色素
- 加齢などによるターンオーバーの低下
- ニキビや傷跡の色素沈着
Q2.市販品やセルフケアだけで背中のシミを消せる?
顔のシミと同じく、一度できた背中のシミは、市販品やセルフケアで完全に薄く消すことは難しい上に、毎日しっかりケアをしても改善には長い時間が必要となります。
しかし予防することはできるので、日焼け止め、日傘、UVカット加工の服などを上手く活用すると効果的でしょう。
Q3.背中のシミを治療する方法は?
できるだけ早く背中のシミを消したい場合は、皮膚科・美容皮膚科でのレーザー治療や、ハイドロキノンやトレチノインといった外用薬を使用する治療方法があります。
背中のシミの治し方まとめ
シミには直射日光の浴びすぎやニキビや傷跡に起因するもの等、様々な原因が考えられますが、どの種類も紫外線がよりシミを悪化させる要因になりますので、紫外線対策は必須です。
また、日傘やUVカット加工の服を使って日常で浴びる紫外線をしっかり避けるのもポイントです。飲む日焼け止めも、単体では塗る日焼け止めより効果がありませんが、併用したり、日焼け後に飲んだりすることで、より効果的な紫外線対策になることでしょう。
「確実にシミを消したい」「すぐにシミを消したい」という場合には専門家であるクリニックが強い味方になってくれます。シミの種類を踏まえて、よく相談して適切な治療方法を選択してください。背中のシミが綺麗になって、自信を持っておしゃれを楽しめることを願っています。
記事監修
- 梶原朋恵 先生
- 自由が丘クリニック
- 08008088200
2005年愛媛大学医学部医学科卒業 聖路加国際病院 入局 2007年聖路加国際病院内科 入局 2008年聖路加国際病院皮膚科 入局 内科認定医取得 2010年虎ノ門病院皮膚科 入局 聖路加国際病院皮膚科 2012年ラッフルズメディカル北京(旧:北京インタナショナルSOSクリニック)皮膚科 入職 2013年自由が丘クリニック皮膚科・美容皮膚科 非常勤医として入職 聖路加国際病院皮膚科 非常勤