シミ取りレーザーについて
シミ取りレーザーとは、シミの原因となるメラニンを破壊して、目立つシミを集中的に改善させる治療です。
シミや色素沈着はメラニンが肌内部に蓄積された状態となっています。
これは、ターンオーバーの乱れやメラニンの生成量が多すぎることで、メラニンが排出されずに皮膚に残ることが原因です。
シミ取りレーザーは黒いもの=メラニンに反応するため、シミや色素沈着している部分を除去することができます。
また、使用するレーザーは異常細胞のみを破壊し、正常な細胞は傷つくことがありません。
シミ取りレーザーの失敗談
具体的に、シミ取りレーザーではどのような失敗例があるのでしょうか。
レーザーで消えたシミが再発した
シミ取りレーザーを照射した後、シミがかさぶたになって取れたはずなのに、同じところに再度シミができてしまったというケースがあります。
主な原因は炎症後色素沈着です。
シミ取りレーザー後の肌は、部分的に軽い火傷を起こした状態になっています。
この敏感になった皮膚が、外部からの刺激によってさらに炎症を起こすことでメラニンが過剰に作られ、シミが再発したように見えるのです。
レーザーの照射出力が高すぎるor低すぎる
1回の治療でシミの改善が期待できるシミ取りレーザーですが、レーザーの出力設定が強すぎると火傷や水ぶくれができることがあります。
反対に出力が弱すぎるとシミが取りきれないこともあり、期待していた結果が得られない場合もあります。
肌トラブルを防ぐためにも、シミの症状や肌状態に合わせた出力設定ができる治療経験豊富な医師選びが重要になります。
照射前よりもシミが濃くなった
照射前よりもシミが濃くなってしまったと感じる場合があります。
これは前述した通り、炎症性色素沈着によるもので、レーザーにより皮膚がダメージを受け炎症を起こすことでメラニンが生成されシミが濃く見えてしまうケースです。
レーザー照射後にできたかざぶたを無理に剥がしたり、照射部位のテープ保護を途中でやめてしまうと、「照射後もなかなかシミが改善しない…」ということになりかねません。
また、夏のレーザー治療もシミの悪化リスクが高まるということを頭に入れておく必要があります。
レーザーでダメージを受けた肌はバリア機能が低下し、いつも以上に紫外線に弱くなっている状態です。
どんなにしっかり紫外線対策をしても、強烈な日差しが降り注ぐ季節のシミ取りレーザーはハイリスクのため、避けた方がよいでしょう。
2021.08.27
照射後濃くなったシミは「肝斑」の可能性も
シミだと思ってレーザーを照射した部分が、「実は肝斑だった」ということも少なくありません。
肝斑にシミ取りレーザーは禁忌です。
通常のシミと違って、肝斑は肌内部で炎症が起きている状態であるため、強いレーザーを当てると悪化する可能性が一気に高まります。
肝斑は治療が難しく、シミ(老人性色素斑)と混在している場合もあるので、レーザー照射前に適切に診断することが大切です。
シミ取りレーザーの失敗を避けるためのポイント
アフターケアが重要
シミ取りレーザーは「打ったら終わり」ではありません。
照射後のアフターケアが非常に大切です。
照射後の皮膚はダメージを受けている状態です。
このため、通常であれば問題のないような刺激にも弱くなっているのです。
炎症を予防するためには、摩擦を避けるスキンケアや、徹底した紫外線対策が必須となります。
また、ホームケアとしてトラネキサム酸やシナール(ビタミンC)などの内服や、ハイドロキノンの外用を併用するのも効果的でしょう。
適切なアフターケアがシミ治療を成功させるカギを握っているともいえるのです。
日差しの弱い時期も徹底した紫外線対策が必要
シミ取りレーザー後の紫外線対策は必須です。
このため、油断しがちな紫外線の弱い季節でも、照射後3ヶ月〜半年程度はいつも以上に徹底した紫外線対策が必要です。
日焼け止めを塗るだけでは不十分といえ、日傘や帽子、サングラスなどを併用すると◎
万全な紫外線対策を意識しましょう。
まとめ
シミ取りレーザーの失敗例と対策についてご紹介しました。
シミ取りレーザーは一度の治療で目に見える改善が期待できますが、リスクがないわけではありません。
シミ取りレーザーの適応になるのか適切に判断をしてもらうことはいうまでもありませんが、失敗のリスクを抑えるためには照射後のアフターケアが非常に大切です。
本記事を参考にしていただき、シミのない肌をめざしましょう。