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看護師覆面座談会vol.3 「美容クリニックで医療事故が最も起きやすい施術は?ダメ医師に当たらないために」

カレンダー2023.7.24 フォルダー連載・コラム

 美容医療を安心して受けるために、ベテラン看護師3名に覆面で美容業界の実態について教えてもらうこの座談会。第3回は、危険なクリニック、医療事故の実態、担当医師を選定する際の注意点について語ってもらった。

──お三方の中で、共通認識でここのクリニックは業界的に施術が雑、良い話を聞かない、というクリニックはあるか。

看護師 C: 面接にきた看護師に聞いた話です。「○○クリニックに勤めていて、看護助手が手術の介助に付いているのを見て、『これはないな』と思って辞めました」という子が2、3人いました。同じクリニック名をあげていました。看護助手は看護師の免許を持ちませんから問題です。

──本来、医療免許、看護師免許のない人は手術の介助はNGでは。

看護師 B: グレーですよね。

──どこのクリニックか?

看護師 B: 某大手クリニックです。

看護師 A: 確かにそのような話は聞いたことがあります。

看護師 C: そのクリニックも聞いたことがありますが、別の某クリニックがひどいと色々聞きます。

看護師 A: そのクリニックに名前が似ているのが嫌で「一緒にされたくない!」と、名前を変えたクリニックがありますよね。

看護師 B: 某大手クリニックの先生が開院したクリニックもひどいようで、ネット検索すると悪い話がたくさん出てきます。ものすごく宣伝しているのを見ます。

看護師 C: でも、そういうところ(看護助手が手術介助に入るクリニック)と実際に医療事故が起きているところってまた別ですよね。実際に医療事故が起きているところも聞きますね。

──どこのクリニックか?

看護師 C: 結構大きな医療事故が起きていたりします。うちの麻酔科の先生が、大きな医療事故を起こした医師の手術に立ち会ったことがあるようで、警察の方が、話を聞きに来たこともあります

──大手か?

看護師 C: 大手です。某美容外科も聞きますし……。

看護師 B: そことは別のクリニックも結構聞きますよね。

看護師 C: 死亡事故に至るケースは滅多にないんですけど、クリニックでこの間、顔の脂肪吸引で亡くなった人がいます。首の辺りを傷つけてしまったそうで。

──新たにバスト部門も立ち上げた、あのクリニックが!昨年、1名死亡事故があったと聞くが、死亡事故が起きてもクリニックは存続できるのか。

看護師 C: 仕組みも色々あり、どういう経路で経営をしているかにもよりますが、基本は存続できますね。結局、その先生の責任下なので。

看護師 B: 大きく報道はないものの、医療関係者や協会の人は、連絡事項として聞いていてみんな知っていますが、存続していますね。

──死亡事故が起きたクリニックには、怖くて行けなくなりそうだが、施術を受ける側には、そういう情報は届いていない。

看護師 B: そうですね、大きくニュースになったりはしていないので。

──事故が多発しているクリニックが存続していることがとても怖い。他にも同様の事故は何かあるか?

看護師 A: 医療事故では、やはり脂肪吸引での事故が一番聞きます。一番リスクがあります。腕の脂肪を吸いすぎてしまい、腕を切断になった方の話を聞いています。

看護師 B: 切断……?それ、もうトラウマになりますよね。医師としても、手術はもうできないですよね。

看護師 A: 脂肪を吸いすぎてしまい、腕が壊死してしまったんです。その先生は、脂肪吸引をそれ以降は止めました。壊死してしまったことは、表には一切出てきていないので、相当お金を積んだのか……。

──闇が深い。脂肪吸引で、腕を切断になってしまう流れを聞いても良いか。

看護師 A: 脂肪を吸いすぎたことで、血管の損傷が激しかったのでしょうね。血管が傷つくと栄養がいかない、酸素がいかない状態に陥り壊死してしまうんですよ。その子も「腕をペラッペラにしてください」って希望したそうで。医師は、そのニーズに沿ってやったようですが……。

──結局、そこもアセスメントですね。希望を聞いた上で、「そこまではできないよ」と伝えられないとそのような重大な事故に繋がってしまう。

看護師 B: きちんと説明するのが医者の役割ですよね。

看護師 A: そういう事故も実際に多数あるので、脂肪吸引「一回でここまで変わりました」という症例を出している先生に対しては、吸いすぎではないか?大丈夫?と、不安に襲われつつ写真を見ていることもあります。SNS映えはしない症例ですが、案外、そういう先生ほど安心できますし好感度は高いです。でもSNSフォロワーの反応はイマイチだったりするんです。

──そうですね。SNSだと「何でこれしか減ってないの」っていう感想を持つ方が多そう。

看護師 A: 施術を受ける側の体のことを考えると、そういう、映えないものになりますよね。1回で吸える量や顔だるみの経過を考えると、少しずつ吸引した方が仕上がりは良くなりますし、リスクも減らせます。

看護師 C: あと、ボコつきがないのは技術が結構必要です。だから、ボコつきも症例写真で確認した方が良いと思います。「あっすごい減ってるけどボコボコしている」っていうのは要注意です。

──腕の切断に至った施術を担当された女医さんは何年目の方だったのでしょう?

看護師 A: もうベテランで、相当上の先生です。

──他は失敗なく施術できていたのに、その時だけ、たまたま吸いすぎてしまったということ?

看護師 A: 大手って、オペの内容が多すぎるんです。得意な手術の症例件数は多いけど、あまりやってはいない施術で指名が来たりすることがあるんです。SNSで発信していて、フォロワーもいるから、ニーズを持ったお客さんが来ることがあるんです。「その期待に応えなきゃいけない」っていうプレッシャーのもと、普段はあまり担当しない施術をやると、そういう事故が起こるんだと思います。

──埋没をやるならば、埋没を得意とし埋没ばかりをやっている先生に。脂肪吸引は、脂肪吸引ばかりをやっている、それを得意とする先生にやってもらうと安心、ということですか。

看護師 A: そういうことだと思います。ベテランでも、あまり担当していない施術をお願いするのは危険だと思っておいた方が良いかもしれません。

協力看護師 略歴 ※写真はイメージ画像です

看護師A

看護師A
美容看護師歴17年。大手美容外科に10年勤務した後、都内にあるクリニックで立ち上げから携わり、看護部長を務めている。

看護師B

看護師B
美容看護師歴20年。複数の美容クリニックの立ち上げに携わり、都内で3つのクリニックを掛け持ちしている。

看護師C

看護師C
美容看護師歴15年。美容皮膚科(外科)に6年勤務した後、都内の美容クリニックで看護部長を務めている。

(写真/Adobe Stock)

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Author

山田 千穂

山田 千穂

2013年から週刊誌の記者として、芸能、事件、健康、美容など幅広いテーマを担当。元保育園栄養士で2児の母。子供の食事、妊婦の栄養を得意とする。妊娠で18キロ太るも、産後2ヶ月で-18キロ、ウエスト58センチに。現在もキープ中。

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