ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

PRPや若返り研究など進化、美容医療とアンチエイジングの国際会議、京都で開催

カレンダー2023.11.19 フォルダー 国内

ポイント

  • 京都市で美容医療とアンチエイジングの国際医学会「AMWC Japan」が開催された
  • 再生医療やデバイスについて、それぞれ治療手段が増えており、使い分けが重要になっている
  • 若返り研究が進み、生物学的な年齢の測定や若返り治療などが現実味を帯びてきている

 京都市で開催された美容医療とアンチエイジングの国際医学会「AMWC Japan」では、世界中から美容医療の専門家が集まり、最新の美容医療やアンチエイジングに関する研究や実践についての講演が行われ、意見交換がなされた。この会議は2日間にわたって開催され、18日と19日に行われる。

PRPは進化する可能性

AMWC Japan会場に設置されたプログラム案内。(写真/編集部)

AMWC Japan会場に設置されたプログラム案内。(写真/編集部)

 1日目午前、「再生医療の最前線~脂肪幹細胞治療とPRP~」というテーマで講演が行われた。自治医科大学形成外科教授の吉村浩太郎氏、およびY’sサイエンスクリニック(東京都渋谷区)統括院長の日比野佐和子氏は、それぞれ美容医療の目的で使われる脂肪幹細胞や、培養液から抽出されるセクレトーム、皮下脂肪から脂肪細胞を除去した間質血管細胞群(Stromal Vascular Fraction:SVF)などの利用について最新情報を共有した。細胞を含むもの、含まないものの違いとメリットデメリット、規制との兼ね合いを考えながら、最適な選択肢としてどれを利用するかが注目されている。

 スイス、サミットクリニック創設者のPhilippe Magistretti医師は、PRP(多血小板血漿)に関連する施術として、ACS(自己調整血清、autologous-conditioned serum)PRF(多血小板フィブリン、Platelet-rich fibrin)、PRF+ALB(アルブミン)、エクソソームについて語った。今後、PRPはその成分を改善する方向に進化する可能性がある。

 さらに、「治療第一人者によるリジュビネーションデバイス治療の今」というテーマで行われた講演では、みやた形成外科・皮ふ科クリニック(東京都港区)院長の宮田成章氏が登壇した。宮田氏は、高周波(RF、ラジオ派)やHIFU(集束超音波治療)、レーザー治療など、40種類ものデバイスを使い分けている経験から、デバイスを照射する対象に合わせて使い分けることの重要性を解説した。

 美容医療におけるトラブルが最近問題となる中で、治療を安全に行うためには、デバイスの特性をより深く理解することが求められている。

若返り治療の研究が進む

京都市の国立京都国際会館で開催された。(写真/編集部)

京都市の国立京都国際会館で開催された。(写真/編集部)

 午後に開かれた「若返りへの道~最新研究~」というテーマの講演では、京都大学iPS細胞研究所准教授のKnut Woltjen氏、慶應義塾大学特任講師の早野元詞氏が登壇した。彼らは、若返りの点で重要であることが分かってきている「エピジェネティクス」の重要性などを語った。最近ではiPS細胞を作るときに使われた山中4因子と呼ばれるタンパク質が、肌の若返りにも応用できる可能性が注目されている。また、エピジェネティック・クロックと呼ばれる考え方があるが、暦の年齢ではなく、生物学的な年齢を測定できるようになっている。これはDNAのオンオフをコントロールする、エピジェネティクスの研究が進んでいることが大きい。今後、若返り研究が進むと、寿命を大幅に伸ばす研究が進展する可能性もある。

 さらに、「寿司からステーキへ:日本食と西洋食の腸内細菌とアンチエイジング戦略の影響」というでは、近畿大学医学部皮膚科客員教授で、近畿大学アンチエイジングセンターファウンダー、日本抗加齢医学会理事長の山田秀和氏が、エイジングにつながる要因と、若返りを実践する方法にまつわる研究の進化について語った。

 その中で、最近では、エクソソームにまつわるトラブルが注目されているが、世界的に見るとエクソソームの研究自体は進んでおり、これから若返り治療の選択肢の一つとして注目される可能性もあるようだ。

参考文献

美容医療の新常識「エピジェネティック・クロック」が教える、あなたの本当の年齢
https://biyouhifuko.com/news/japan/2078/

老化を防ぐ最新トピック、再生医療や若返りの最新状況、第41回日本美容皮膚科学会学術集会の講演より
https://biyouhifuko.com/news/japan/3363/

寿命400歳まで示唆する最新研究、慶應義塾大学の早野元詞氏が解説するアンチエイジングから若返りへの最新トレンド、第111回日本美容外科学会(JSAS)
https://biyouhifuko.com/news/japan/1439/

シワ改善などで行われるPRP+b-FGFのトラブルどう見る?幹細胞研究に長く関わる科学者で、AASJ代表理事の西川伸一氏に聞く
https://biyouhifuko.com/news/interview/3777/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。