肌のたるみの背景には、皮膚表面だけでなく、顔の深部にある血管や筋肉の変化も関連していることが示された。
資生堂と米国ウィスコンシン大学の共同研究グループが2026年4月に報告した。
たるみの背景に、深部血管の血流の偏り

深部血管の血流量とたるみの加齢変化。(出典/資生堂)
- 血流バランスの変化→ たるみのある肌では、深い動脈の血流が多く、細い血管の血流が少ない傾向が見られた。
- 筋肉の変化も確認→ 頬の筋肉で量の減少や脂肪の入り込みが見つかり、たるみとの関係が示された。
- 深部の変化が影響→ 皮膚表面だけでなく、血管や筋肉の加齢変化もたるみの要因になる可能性がある。
研究グループは、毛細血管の衰えが肌の弾力低下やシミの形成や改善のプロセスに関わることを明らかにしてきたと説明する。
今回、同グループは、毛細血管より太い、顔の深部の血管の加齢変化が肌にどう影響するかに着目。それらの太い動脈と、毛細血管につながる細動脈を、MRIの一種であるMRA(磁気共鳴血管撮影法)で解析し、顔全体の血流の加齢変化を調べた。

肌断面図。(出典/資生堂)
細動脈は、毛細血管を介して肌のすみずみまで血液を行き渡らせる役割を担う。

加齢による深部血管の血流量グラフ。(出典/資生堂)
分析の結果、たるみのない若い肌では、動脈と細動脈の血流量は一定のバランスが取れていたのに対し、たるみのある高齢肌では、動脈の血流量が多く、細動脈の血流量が少ないことが確認された。

血流量低下による大頬骨筋への影響とたるみの関係性。(出典/資生堂)
その上で、研究では、肌を支える筋肉の状態をMRIで解析。
頬の上部付近の「大頬骨筋」、「上唇挙筋」、「咬筋」を調べたところ、大頬骨筋では加齢による筋肉量の減少と、筋肉内に脂肪細胞が入り込む「脂肪浸潤」が認められた。
細動脈の血流量低下によって筋肉への栄養供給が不足し、大頬骨筋の量や質が低下することが考えられた。
顔の血流のバランス変化のほか、大頬骨筋の筋肉量減少や脂肪浸潤が確認され、これがたるみにつながる可能性が示された。
血流に影響する交感神経の働きに注目
- 交感神経に注目→ 血流を調整する交感神経の働きが、加齢や酸化ストレスで低下する可能性がある。
- 成分の効果を確認→ べにばな由来エキスとナイアシンアミドに、酸化ストレスへの耐性を高める作用が見られた。
- 新しい視点→ 血流、筋肉、神経を合わせて見ることが、たるみ対策を考える上で重要になる可能性がある。
さらに研究グループは、深部血管の血流をコントロールする交感神経に注目。加齢で酸化ストレスが蓄積すると、この調整機能が低下するとされている。
そこでiPS細胞由来のヒト交感神経細胞のモデルを使って調べたところ、べにばな由来エキスとナイアシンアミドには酸化ストレス耐性を高める作用があり、両者を組み合わせると単独使用より高い効果が見られた。
こうした血流、筋肉、神経の働きにも目を配ることが、顔のたるみを防ぐ方法を考える上で重要な視点になる可能性がある。
参考文献
資生堂、加齢による深部血管の血流バランスの崩れが肌のたるみを引き起こすことを発見
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000004167
