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韓国ではGLP-1関連薬の個人輸入などが問題に 肥満治療薬は「処方に従い慎重に使用を」と乱用に警戒  韓国食品医薬品安全処が注意喚起

カレンダー2026.7.10 フォルダー 海外
GLP-1薬の関心は高い。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

GLP-1薬の関心は高い。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

 体重減少効果を持つGLP-1関連薬を巡り、韓国でも乱用が問題とされた。

 韓国では、海外直送品の利用など、日本とは異なる形で問題が起きている。

 韓国食品医薬品安全処(MFDS)は2026年7月8日、GLP-1関連薬の乱用に注意喚起を出している。

「ダイエット薬」に警鐘

GLP-1薬の効果や安全性。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

GLP-1薬の効果や安全性。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 韓国でも乱用が問題→ GLP-1関連薬が単なるダイエット薬として安易に使われることへの懸念が示された。
  • 医師の処方が前提→ 肥満治療薬は専門医薬品であり、対象や健康状態を確認した上で使う必要がある。
  • 個人輸入や売買に注意→ 海外直送品や個人間取引では、品質や安全性、偽造品のリスクがある。

 GLP-1関連薬は、世界的に肥満の治療薬として注目されている。日本では、これが病的な肥満ではない人にも使われ、それが合併症を引き起こすなどの懸念から問題視されている。韓国でも、単なる「ダイエット薬」として認識されて、安易に使われるケースが増えているようだ。

 韓国食品医薬品安全処は、GLP-1関連薬を含む肥満治療薬は医師の処方が必要だと説明し、対象がBMI30以上の成人肥満患者などであると注意を促している。

 今回の注意喚起で強調されたのは、GLP-1関連薬を自己判断で入手し、使用することの危険性だ。

 同処によれば、オンラインなどで海外からの輸入品を購入したり、個人間の売買で入手したりしないよう呼びかけている。具体的な事例の詳細までは示されていないが、同処は海外直送品や個人間売買による入手に強く注意を促している。

 海外直送品のように、韓国国内で承認、流通管理されていない製品では、安全性や品質が十分に保証されない可能性がある。製造や流通の過程も分かりにくく、偽造品や不良医薬品である可能性もある。健康被害が起きても、回収や補償などの法的保護を受けにくい点で問題になるとしている。GLP-1関連薬は、消化器症状による脱水、急性膵炎のほか、成長段階にある人では、栄養摂取不足や成長への影響が起こり得ると指摘する。

 同処は今後、情報発信や広告の監視を通じて、乱用防止の対策を続けるとしている。

米国では偽造品や調剤版も問題に

GLP-1関連薬の偽造品などが問題に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

GLP-1関連薬の偽造品などが問題に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 米国でも未承認品が問題→ 偽造品、違法販売品、調剤版、「研究用」表示の製品などが注意対象になっている。
  • 品質と用量に懸念→ 成分量の違い、保冷不備、計量ミスなどが起こる可能性がある。
  • 正規ルートの利用が重要→ 価格や入手しやすさだけで選ばず、医師の処方と管理された流通経路を利用する必要がある。

 米国などでは、GLP-1関連薬の偽造品が問題になっているが、韓国でも正規品ではないGLP-1関連薬が広がることへの懸念が示されている。

 ヒフコNEWSで伝えたように、米食品医薬品局(FDA)は、オゼンピックやマンジャロ関連の未承認GLP-1関連薬に注意を呼びかけている。問題とされているのは、承認薬そのものではなく、偽造品、違法販売品、薬局などが独自に作る調剤版、「研究用」「人体用ではない」と表示しながら販売される未承認品などである。

 まず、偽造品はリスクがある。見た目は本物のようであっても、中身が異なる、有効成分が少なすぎる、または多すぎる、全く入っていない、有害成分を含むといった可能性があるためだ。

 一方、米国では、薬局などが個別に作る調剤版のGLP-1関連薬も問題視されている。公式文書では原薬の具体的な供給元には触れられていないが、FDAはこうした調剤版について、安全性や有効性、品質の審査を受けていないと警告している。調剤版は、配送中の保冷不備、患者の計量ミス、医療者側の用量計算ミスなどが起こり得るとされる。

 加えて、「研究用」などと表示しながら、実際には人向けの用法とともに売られている未承認品にも注意が必要とされた。

 GLP-1関連薬の人気が高まる中で、価格の安さや入手のしやすさを理由に正規ルートではない薬へ流れるリスクがある。

 今回の韓国食品医薬品安全処の注意喚起は、こうした海外の動きとも重なる。GLP-1関連薬は、肥満症の治療において重要な選択肢になり得る一方で、安易な美容目的や短期的な減量目的での使用には危険も伴う。日本でも、偽造品などへの注意は必要だろう。

参考文献

비만치료제는 전문의약품…처방 따라 신중 투여해야
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=50178

FDAがオゼンピック、マンジャロ関連の未承認GLP-1関連薬に警鐘 調剤版や偽造品、研究用表示の販売に品質リスク 医師の処方と正規ルートの利用呼びかけ
https://biyouhifuko.com/news/world/18253/

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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